界面活性剤は悪なのか

界面活性剤は悪なのか

界面活性剤は全部だめ?

「これ、界面活性剤が使われるのでダメですよね?」

ある日、ある人から聞かれました。

「え?どうしてですか?」と聞くと

「だって、界面活性剤って肌によくないですよね?」との回答が…。

ちょっと待ってください!

化粧品には界面活性剤は不可欠ですし、きっとほとんどの人が界面活性剤が配合された化粧品を使っていますよ…。

化粧品は水と油と界面活性剤でできている

化粧品には全部で1万種類以上の成分があります。
で、どんな成分も必ず

  • 水性成分
  • 油性成分
  • 界面活性剤

に分類されます。

水性成分はBG、グリセリン、植物エキス、エタノールなど。
油性成分は植物の油脂やワセリン、ラウリン酸などの脂肪酸、脂肪酸由来の合成油、シリコーンなどが該当します。

本当だったら、水と油は混じり合うことはありませんよね。それなのに化粧品ではクリーム状に均一に混ざっています。しかも混ざった状態のままキープされています。

これを実現しているのが界面活性剤なんですね。

水性成分と油性成分を均等に混ぜ合わせて維持するのが界面活性剤の主な役割

界面活性剤には色々ある

界面活性剤は水性成分と油性成分を均等に混ぜるほか、シャンプーなどの洗浄成分、泡立ちをよくするなど様々な役割があります。

そして、合成由来・天然由来を合わせると、非常にたくさんの種類があります。そんな中には肌刺激が強い種類もあります。例えばこういう成分⇩

ラウリル硫酸ナトリウム
強力な洗浄力を持ち、皮膚のバリア機能を損なう可能性があります。肌に刺激を引き起こすことも。

ラウレス硫酸ナトリウム
ラウリル硫酸ナトリウムをマイルドにした成分。とはいえ、人によっては刺激を感じることがあります。

セトリモニウムクロリド(他の〜クロリドも要注意)
アレルギーリスクが高く、EWG認証では配合不可となっています。防腐剤としても使われます。

こういった一部の界面活性剤の情報だけで「界面活性剤はよくない」というイメージがついてしまったのかなと思います。

でも実際は、すべての界面活性剤がダメとか、刺激が強いわけではありません。いろんな種類があるということを知って、自分の肌に合ったものを正しく選ぶことが大切です。

肌に優しい界面活性剤

敏感肌の人や小さな子供でも刺激を感じにくい界面活性剤も当然あります。
例えば、アミノ酸系やベタイン系の界面活性剤は低刺激で肌に優しいとされていて、敏感肌用やベビー用ソープなどにもよく使われています。

例えばこういう成分⇩

ココイルグルタミン酸Na
ココナッツ由来の脂肪酸とアミノ酸の組み合わせで、低刺激かつ保湿効果があります。

ラウロイルメチルアラニンNa
パーム油などに含まれるラウリン酸が由来。洗浄力がありつつも、肌に優しく保湿効果もあります。

ココイルメチルタウリンNa
ヤシ油の脂肪酸が由来。皮脂を適度に落としつつ、刺激が少ないとされています。

実は、石鹸も界面活性剤です

「界面活性剤は悪!」と言っている人が石けんを愛用しているケースもあります。

でも、これは大きな矛盾。

というのは、石鹸もれっきとした界面活性剤だからです。

石鹸は界面活性剤の一つ

石鹸はアルカリ性で洗浄力は比較的強め。ひどい乾燥肌の人の場合は肌のpHバランスを崩して乾燥が悪化したり、肌が刺激を感じることもあります。

そのため、上に書いたような低刺激と言われる界面活性剤のボディソープなどを使うほうが、肌に合う場合も少なくありません。

ただ、石鹸も製造方法や他に配合する成分との組み合わせによっては、肌に優しい仕上がりになっていることもできます。

まとめ

「界面活性剤が全部ダメ!」

というのは、根拠のない思い込みなのだということを、少しおわかりいただけたでしょうか?

正しい知識を身につけて、自分の肌や価値観に合った化粧品を選べるよう、これからも一緒に学んでいただけると嬉しいです。

CONCIO
木本惠子

 

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