アンチエイジング成分のレチノール
レチノールという化粧品成分を知っていますか?
アンチエイジングに効果があるとして、とても話題の美容成分です。美容に関心がある人なら、どこかで見たことがあるのではないでしょうか。
レチノールはビタミンAの一種。肌のターンオーバーを促します。
そして、シミやシワ、吹き出物やニキビ跡に効果がある成分として注目されています。
レチノール使用時の注意点
レチノール配合の化粧品を使うと「肌が赤くなる」「ピリピリする」という人もいます。配合されているレチノールの濃度が高いと、そうした肌トラブルが生じることも。特に肌が弱い人は、塗布後に皮がむけることもあるようです。
この副作用はレチノイド反応(A反応)と呼ばれます。知っている人も多いかもしれませんね。
レチノールは刺激が強く、塗布後は肌が敏感になるため、紫外線に当たらないように注意喚起がされています。あるいは、夜だけの使用が推奨されている商品もあります。
これらの理由から、敏感肌の人はレチノールを避けているかもしれません。また、レチノール配合の化粧品を使っている人でも、塗った後は紫外線を浴びないように気をつけていると思います。
でも実は、レチノールにはもっと怖いリスクもあることを知っていますか?
レチノールにひそむ本当のリスク
米国政府が2012年に実施したパルミチン酸レチノールに関する研究があります。パルミチン酸レチノールはビタミンAの一つ。レチノール誘導体とも呼ばれます。
その研究では、日光が当たっている皮膚にパルミチン酸レチノールを塗ると、皮膚腫瘍の発生を早める可能性が示唆されているのです。
ビタミンAは抗酸化物質です。サプリメントなどで摂取した場合は、皮膚がんのリスクを低下させると言われています。
しかし、皮膚に塗って紫外線を浴びた場合には逆効果。がん腫瘍の成長を早める可能性があるとされたのです。その理由は、肌に塗られたビタミンAが皮膚の過剰な成長を促すから。
特に、パルミチン酸レチノールは紫外線を浴びると、DNAを損傷する低分子(フリーラジカル)を形成する可能性もあります。
これらの報告はマウスを使った実験をもとにしています。そのため、マウスと人間では皮膚感受性が異なるため、リスクを断定できないとする機関もあります。
また、安全であると主張するメーカーや研究者もいます。
たしかに現時点ではレチノールの危険性について、確証を得られる結果ばかりではありません。
しかし、「マウスと人は違うから安全」と言い切れるでしょうか?
アメリカでのレチノールに対する評価
アメリカの国家毒性プログラム(NTP)とFDAはすでに10年以上、ビタミンA類の光発がん性について研究を続けています。
NTPは、農薬や添加物の発がん性などの毒性を調査する機関。FDAはアメリカの食品・医薬品局で、日本の厚生労働省にあたる公的機関です。
両機関による研究でも、マウスの皮膚では腫瘍の形成スピードを早める可能性が示されています。
また、EWGによるレチノールの安全性評価はどうでしょうか。
こちらは使用条件によって1から9と大きく評価が異なるようです。例えば、スプレータイプなどの吸入リスクが高まる化粧品の場合では、リスクが高くなると記載されています。
ヨーロッパでのレチノールに対する評価
ドイツとノルウェーではビタミンA毒性を引き起こす可能性があるとして警告しています。すでに食事から十分過ぎるビタミンAを摂取しているため、レチノール配合の化粧品を使用するとビタミンAの過剰摂取につながるとされているのです。
レチノールには下記の種類があります。
- レチノール
- パルミチン酸レチノール
- 酢酸レチノール
- リノール酸レチノール
これらはいずれもビタミンAの一種。過剰に摂取すると、次のような健康障害(ビタミンA毒性)を引き起こす可能性があります。
- 肝臓障害
- 爪や髪の栄養不足(脱毛など)
- 骨粗鬆症
- 股関節骨折
これらのリスクから、ドイツでは顔や手に使用する化粧品へのレチノールの配合濃度規制と、唇やボディ用の化粧品での配合禁止が呼びかけられています。
また、ヨーロッパ全体では2016年から、ボディケア用におけるレチノールの配合が規制されています。塗る範囲が広いボディ用で規制をすることで、経皮吸収によるビタミンAの摂取量が安全な範囲にとどまるように配慮されているのです。
妊娠中・授乳中はレチノールを避けて
ビタミンAの過剰摂取は、お腹の中の胎児に深刻な骨格の先天性欠損症を引き起こす可能性があります。そのため、妊娠中や授乳中にレチノール配合の化粧品を使うのは避けたほうがよさそう。
ノルウェーでは保健当局が、妊娠中や授乳中の女性に対してビタミンA配合の化粧品を控えるよう注意を促しています。
日本では?
残念ながら、日本ではレチノールの配合規制はありません。それどころか、欧米に比べるとリスクに関する議論すら、ほとんどないのが現状です。
話題の成分ですが、その中に潜むリスクも知った上で使いたいですね。
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化粧品成分のリスクをとことん研究した「CONCIO(コンシオ)」
化粧品成分による肌刺激やアレルギーのリスクに着目し、2500の成分を使わない独自の安全基準を徹底。世界基準の安心を日本の敏感肌に届けています。