そのシャンプーは安全?
今使っているヘアコンディショナーやトリートメントの全成分を見てみてください。「ベヘントリモニウムクロリド」という成分が入っていませんか?
ベヘントリモニウムクロリドはキャノーラ油と同じ菜種から抽出される成分。動物由来ではないため、ヴィーガンのヘアケア製品にも配合されます。また「天然由来成分」として使用されています。
髪の縮れやパサつきを防ぎ、まとまりのある柔らかい髪に仕上げる効果があります。
多くのシャンプーやトリートメントに含まれていますが、ベヘントリモニウムクロリドがどんな物質かを知らない人もいるのでは?
人体には有害?髪はいい成分?など、わからないことも多いですよね。
この記事では、世界各国のエビデンスに基づいて、ベヘントリモニウムクロリドの役割と機能、安全性を検証します。
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ベヘントリモニウムクロリドとは
ベヘントリモニウムクロリドは第4級アンモニウム塩に分類されます。抗菌作用を持ち、バクテリアの繁殖を防ぎます。そのため防腐剤としての機能もあります。しかし、一般的にヘアケア製品には次のような目的で使用されます。
静電気防止
髪がなめらかさを失うと静電気が生じます。ベヘントリモニウムクロリドは静電気を防止したり除去するのにとても優れています。そのため、帯電防止剤として多くのヘアケア製品に使われています。
コンディショニング効果
ベヘントリモニウムクロリドには毛根を柔らかく強くし、滑らかにします。パサついた髪や縮毛に適しているため、コンディショニング剤としてもよく使用されます。
毛絡みを防ぐ
ベヘントリモニウムクロリドを配合することで、髪が柔らかく扱いやすくなります。そのため、髪をまとまりやすくするヘアケア製品には頻繁に使用されています。
保湿効果
髪に直接潤いを与えるわけではありませんが、水分保持を助けます。特にお風呂やシャワーの後に髪がきしむのを防ぎます。
ベヘントリモニウムクロリドの安全性
EUの欧州化学庁ではベヘントリモニウムクロリドの次のようなリスクを明記しています。
- 水性生物への毒性
- 目への刺激
- 肌への刺激
しかし、日本では一般のシャンプーやヘアケア製品において、ベヘントリモニウムクロリドの配合規制はありません(薬用を除く)。そのため、メーカーは自由な濃度で配合することができます。
一方、ヨーロッパではシャンプーやヘアトリートメントなど洗い流すヘアケア製品では5%以上の濃度では配合できないというルールがあります。また、洗い流さないヘアケア製品においては3%までと決まっています。
とはいえ多くの場合、ベヘントリモニウムクロリドは5%未満の配合であれば安全とされています。米国の化粧品成分安全評価機関(CIR)でも、シャンプーなどの洗い流す化粧品では問題なし。洗い流さない製品においては、0.25%までの配合であれば安全とされています。
ベヘントリモニウムクロリド配合のシャンプーを使うときは
シャワー中にシャンプーが少し口に入った程度なら、心配は不要です。しかし、小さな子供への使用は避けるのが無難。目に入ると軽い炎症を起こす可能性があるので注意しましょう。
ベヘントリモリウムクロリドを避けたいときは
多くのヘアケア製品に入っているベヘントリモニウムクロリド。安全性への評価もさまざまで、人によっては避けたい人もいるかもしれませんね。そんな人は、下記のようなナチュラルな選択肢をヘアケアに取り入れてみては?
ホホバオイル
ホホバオイルにはワックス状の性質があります。髪の周りに薄い保護膜を作り、水分を閉じ込めてくれるため、潤いのある健康的な髪をキープしてくれます。
トリートメントやヘアマスクのように使ってみるのがおすすめ。肌が自然に分泌する皮脂と似た構造をしているので、肌なじみも抜群。頭皮の乾燥も防ぎます。
アルガンオイル
アルガンオイルは髪を柔らかくし、ツヤを与えます。洗い流さないトリートメントとして使うと縮れ毛を抑え、なめらかな仕上がりとツヤを与えてくれます。抗酸化作用があるビタミンEを多く含むため、頭皮に塗ることで丈夫な髪の成長が促されます。
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