化粧品の防腐剤と使用期限の関係
食品は腐るので賞味期限があります。でも、化粧品は腐るのでしょうか?
答えは「Yes」。
多くの化粧品には水が配合されています。
化粧品成分の中で一番腐りやすいのは水。ミネラルウォーターを常温で何年も置いておくと腐ってしまうように、化粧品に配合されている水も腐ってしまうのです。
そのため、基本的に化粧品には防腐剤が配合されています。
特に使用期限が記載されていない化粧品では、製造から未開封の状態で3年間、防腐効果が継続する処方が義務付けられています。
正しく防腐されていないと、腐敗や余計な刺激や感染症の原因になる可能性が。
特に目の周りや直接肌に塗る化粧品で微生物汚染が広がってしまうと危険。深刻な健康被害につながる可能性もあるのです。
化粧品が腐る原因
化粧品やスキンケア製品が腐る理由はさまざま。
例えば、指で中身をすくうジャー容器の場合、使用ごとに手についた微生物や水分が入ります。そうすると、バクテリアが繁殖しやすくなります。
スパチュラが付いているから安心というわけでもありません。小さなスパチュラを持つたびに手の雑菌が移ってしまうからです。
また、温度や湿度の変化でも腐ります。そのため、湿度が高いお風呂で使うシャンプーやボディソープ、洗顔料などには強い防腐剤が使われるのが一般的です。
スキンケア製品は湿気が高いバスルームや洗面所での使用を避け、なるべく湿気が少ないところで保管するのが理想です。
日光や紫外線、空気に触れることでも化粧品は変質します。気温が高い車の中での保管は避けましょう。また、化粧品容器を開封したままにしないように。
スキンケア製品を冷蔵庫に保管する人もいますが、必ずしもいい効果があるとは限りません。メーカーが推奨していない場合は控えましょう。
pHバランスとも関係する
pHバランスとは製品の酸性度のこと。0〜14の数値で示されます。0に近づくほど酸性が強く、14に近づくほどアルカリ性が強くなります。7が中性です。
微生物が繁殖しやすいpH値はpH5から8の間。この範囲から離れるほど、雑菌は繁殖しにくくなるのです。
つまり、ピーリング効果がある美容液など、強い酸性の製品は雑菌が繁殖しにくいということです。
ちなみに人間の肌はpH4.5~6で弱酸性。
一見、菌が繁殖しやすいpH値のようですが、私たちの肌は弱酸性で自然な殺菌力を発揮します。人間の肌が本来持つチカラはすごいですね。
スキンケアに使われる防腐剤の種類
スキンケアに使われる防腐剤には、天然と合成のものがあります。
天然の防腐剤はタイム、オレガノ、ティーツリーなどの精油や植物エキス。いずれも抗菌作用があります。しかし、天然の防腐剤は合成の防腐剤と比べると効果は低め。そのため、複数の種類を配合することが多いです。あるいは合成の防腐剤と組み合わせて使用されます。
合成の防腐剤で代表的なのはパラベンやフェノキシエタノール。そして、合成ビタミンEである酢酸トコフェロールやナチュラルコスメによく配合されている安息香酸ナトリウムなどもあります。
その他にも、エタノールやベンジルアルコールなどのアルコール由来で防腐効果が高い成分もあります。
また、旧表示指定成分となっている防腐剤の中には注意が必要な種類も。
例えば、DMDMヒダントイン、クロルフェネシン、トリクロサンは、肌刺激だけではなくアレルギー発症の原因にもなる可能性が。
パラベンを避ける人は多いですが、肌が弱い人やアトピーの人はこれらの防腐剤もなるべく避けるのがいいかもしれません。
腐った化粧品の怖さ
1950年代。腐敗したフェイスローションを使用したことで失明したという事故がアメリカで報道されました。数多くの化学物質を含んだ化粧品が腐敗すると、それほどまでに危険ということを多くの人が知ることになります。
そして、この事故をきっかけにパラベンの使用が広がりました。
しかし、その後も防腐剤に関連する問題は発生しています。2017年にはクリームで雑菌が繁殖したとして アメリカの大手化粧品会社が商品を自主回収。
2019年にはカビが発生している可能性があるとして、カナダの保湿クリームが自主回収されています。
化粧品が腐敗したサインは?
化粧品でカビが発生しても、食品のように緑や黒のわかりやすいカビが現れるとは限りません。こんな変化がある場合は腐敗のしている可能性が。
- 変なにおいがする。
- 買った時と粘度(化粧品の硬さ)が違う
- 中身が分離している
- 中身が固まっている
- 買った時よりも中身が濃い・薄い
悪くなってしまった化粧品を使うと、効能がないだけではありません。
肌や粘膜に有害な反応を引き起こす可能性があります。使用を控え、正しく処分しましょう。
防腐剤フリーの化粧品
化粧品が肌に合わない。アレルギー反応が出てしまう。そんな悩みの原因になっている2大要素は香料と防腐剤と言われています。
そのため、防腐剤が入っていない化粧品を求める人も増えています。
防腐剤フリーの化粧品は、一般的な防腐剤を使用していません。
その代わり、植物エキスやその他の成分の防腐力を組み合わせて防腐効果を発揮させています。
ただ、防腐剤フリーだからといって必ずしもいいわけでもありません。
防腐効果がある成分の配合が多すぎて刺激を感じる人もいます。
防腐剤の刺激に肌が弱かったり、アレルギー体質の人は自分の肌に様子を見ながら、防腐剤フリーの化粧品を試してみるようにするといいかもしれません。
ためになる情報をLINEで配信中
CONCIO AcademyのLINEアカウントでは、よりよい化粧品を選ぶための豆知識を発信しています。自分と大切な人にとって本当に優しい選択をするために、ぜひお役立てください。
登録はこちらから→https://lin.ee/jAkRPAs
化粧品成分のリスクをとことん研究した「CONCIO(コンシオ)」
CONCIOは日本で初めてEWG認証を取得した新基準の無添加スキンケア。
化粧品成分による肌刺激やアレルギーのリスクに着目し、2500の成分を使わない独自の安全基準を徹底。
世界基準の安心を日本の敏感肌に届けています。
*すべての方に肌刺激やアレルギーが起こらないわけではありません。