ベンジルアルコールとは?
ベンジルアルコールは、ほのかに甘い香りがする芳香族アルコール。微生物が過剰に繁殖するのを防ぐので、主に防腐剤として化粧品に配合されます。
クランベリーやアプリコットなどの果実から抽出される無色の液体。その甘い香りから、香料として使用されることもあります。
化粧水や乳液などの保湿剤、リップクリーム、洗顔料、化粧品など、さまざまな製品で配合される多機能な成分です。
パラベンの代わりの防腐剤
化粧品の防腐剤としてはパラベンがよく配合されます。
ただ、パラベンは長年、その安全性や健康のリスクについて議論されている成分。内分泌かく乱作用やアレルギー性があるという報告がある一方、規定量以内なら全く問題ないとする人もいます。
いまだにその議論が終わる様子はなく、不明瞭なリスクからパラベンを避ける消費者が多いことも事実。そのため、パラベンの代わりとなる防腐剤を配合する化粧品メーカーが増えています。
ベンジルアルコールもその一つ。
特にオーガニックスキンケアや自然由来成分を謳う製品での配合が目立ちます。理由は、ベンジルアルコールは自然界に存在するものだから。ナチュラルな製品として販売することができるからです。
ベンジルアルコールの効果
- 防腐効果:抗菌・抗真菌作用があります。雑菌の繁殖を防ぎ、化粧品の長期保管を可能にします。
- 抗酸化作用: 抗酸化作用があり、フリーラジカルによるダメージから守ってくれます。
- 成分を溶かす: 化粧品に配合される他の製品を溶かす溶媒として機能します。
- 粘度を下げる: 化粧品の粘度(硬さ・粘り気)を下げることで、製品が柔らかく塗りやすくなります。
- 芳香作用: 芳香族アルコールのため花のような甘い香りがあります。イランイランやジャスミンなどの精油にも含まれています。
ベンジルアルコールの副作用
多くの場合、ベンジルアルコールは安全な成分だと考えられています。
例えば、7万人以上を対象にしたパッチテストでは、陽性反応が出た人は全体の0.21%。また、そのほとんどは弱い反応だったとされています。
ただ、人によってはアレルギー性皮膚炎や炎症、肌のかゆみが生じる可能性はゼロではありません。また、弱い感作性があるとされています。即時型、蕁麻疹型、全身性反応だけでなく、遅延型のアレルギー反応が起こったケースも。
念のため、肌が弱い人や敏感肌の人は様子を見ながら使用するのがよいでしょう。
ベンジルアルコールで新生児16人が死亡
ベンジルアルコールの取り扱いに注意喚起がされるようになったのは、1980年代のこと。
ベンジルアルコールを防腐剤として使用していたアメリカの医療センターで、16人の新生児が死亡したことがきっかけです。
死亡したのは体重2500g未満の早産新生児。2つの施設で起こりました。一つの施設で6ヵ月間に10人が亡くなり、もう一方の施設では16ヵ月間に6人が亡くなったとされています。
原因は、ベンジルアルコールを含む生理食塩水で毎日カテーテルを洗浄していたこと。そのカテーテルを使用した赤ちゃんが亡くなったのです。また、多くの赤ちゃんには、けいれんや頭蓋内出血を含む中枢神経系の機能障害も発症していたそうです。
この痛ましい事件によりベンジルアルコールが危険な成分として取り上げられるようになりました。
ほとんどの場合は安全
化粧品で配合される場合、高濃度のベンジルアルコールは体内に侵入することはありません。そのため、アレルギー反応が生じない限り、多くの人にとっては問題なく使える成分です。
ただ、先述したようなリスクがあることも事実。
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