化粧品成分パラベンが嫌われる理由

化粧品成分:パラベンが嫌われる本当の理由

パラベンとは?

パラベンは人工的な防腐剤。1920年代から化粧品やボディケア製品に広く使用されていいます。

何もしなければ化粧品は食品と同じように腐ってしまいます。そのため、細菌やカビの繁殖を防止し、製品の保存期間を延ばすためにパラベンのような防腐剤が添加されています。

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パラベンの種類

パラベンには、複数の種類があります。そして、化粧品では複数のパラベンが同時に配合されていることもあります。

  • プロピルパラベン
  • イソプロピルパラベン
  • ブチルパラベン
  • イソブチルパラベン
  • メチルパラベン
  • エチルパラベン

体内のホルモンへの影響

パラベンは、体内でエストロゲンホルモンと同様の働きをすると考えられています。そのため、男性および女性の生殖機能や妊娠・出産に影響を与えるホルモンシステムの正常な機能を乱す可能性があります。
また、ホルモンの生成を阻害する可能性も指摘されています。

特に、プロピルパラベンやブチルパラベンは、より強いエストロゲン活性に関係しています。

パラベンによる身体への影響

パラベンによる女性の身体への影響

ハーバード大学の研究者が行ったヒトを対象とした研究があります。そこでは、尿中のプロピルパラベンが卵子の量や質の低下に影響している可能性が指摘されています。

また、日本の女子大学生128人を対象にした調査も。
5ヶ月間のこの調査では、月経周期と尿中のパラベン濃度を測定。その結果、月経周期の長さや変動と尿中のパラベン濃度に関連性があることが示されました。

さらに、母親の尿と臍帯血中のブチルパラベン濃度が、早産の可能性を高めたり、新生児の出生体重の減少に寄与していることを示す報告もあります。

いずれの調査でも、被験者は一般人。過剰にパラベンに暴露されているわけではありません。
つまり、日常的な化粧品やパーソナルケア製品の使用によって、生殖障害の原因になる可能性が複数の調査結果で示されているのです。

パラベンを使う人と使わない人の差

パラベンはさまざまな製品に入っています。特にシャンプーやコンディショナー、化粧水、乳液のような水分が多い製品に使用されることが多い傾向。

パラベンは皮膚から体内に速やかに吸収されます。その後、代謝されて尿や胆汁中に排泄されます。
最終的に排泄されるとはいえ、化粧品の使用頻度によって尿中のパラベン濃度に大きな差が。

ある報告では、毎日化粧をする人の尿に含まれるプロピルパラベンの濃度は、化粧をしない人の20倍だったことが示されています。ヘアケアやメイクアップ、スキンケアなど、さまざまな製品の使用により、尿中のパラベン濃度が大幅に増えるのです。

がんとの関連性

エストロゲンのような作用があるパラベンと、がん(特に乳がん)のリスクの関連性についても現在調査が進んでいます。

パラベン自体は発がん性物質ではありませんが、がん細胞の成長を促す作用が懸念されています。

とりわけ、プロピルパラベンは乳がん細胞の増殖を促進する可能性が示されています。カリフォルニア大学の研究では、これまで有害と考えられていなかった低用量のブチルパラベンが、がん遺伝子のスイッチを入れ、乳がん細胞の増殖を促進することが判明しています。


各国の対応

国連環境計画(UNEP)

パラベンを内分泌かく乱物質またはその可能性があると特定しています。

EU

プロピルパラベン、ブチルパラベン、メチルパラベンが内分泌かく乱物質の可能性があるとして、正式な検証が予定されています。

デンマーク

ブチルパラベンとイソブチルパラベンを内分泌かく乱物質と認定
また、3歳以下の子供が使うことが想定される化粧品においては、プロピル/イソプロピル/ブチル/イソブチルパラベンの配合を禁止しています。

パラベンによる環境への影響

パラベンは乳幼児や妊婦を含むほとんどの人から検出されています。私たちは、生涯にわたってパラベンに暴露され続けているのです。

しかし、その影響は人間にはとどまりません。人間が作り、使った後は自然環境にその影響が及んでいます。

ブチルパラベンは低濃度であってもサンゴを死滅させる可能性があります。また、水中や魚などの水生生物からもパラベンは検出されており、生態系への影響が懸念されています。

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