ヒアルロン酸Naとは
ヒアルロン酸は人間の細胞と細胞の間に多く存在します。水分をキープしたりクッションのような役割で細胞を守っています。
関節や軟骨、眼球のほか、もちろん皮膚にも存在しています。真皮に多く含まれていて、肌のうるおいには欠かせません。優れた保水機能があるため、多くの化粧品でも配合されています。
ちなみに、化粧品に配合される場合、ヒアルロン酸には由来が異なる2種類があります。一つは、動物から採取された動物由来。もう一つが、微生物などを発酵させて作られた非動物由来のもの。
自分のライフスタイルに合ったものを選べるように、ヴィーガンの人やエシカルな選択をしたい人は覚えておきたいですね。
そして、このヒアルロン酸から抽出された成分が、ヒアルロン酸Naです。
ヒアルロン酸との違い
ヒアルロン酸Naには、ヒアルロン酸と同じく肌を若々しくしなやかにする効果が期待されます。でも、厳密には異なる2つの成分。ヒアルロン酸と比べて、ヒアルロン酸Naはどう違うのでしょうか?
この2つの成分の決定的な違いは、その分子量。ヒアルロン酸は分子量が高い高分子。つまりサイズが大きいため、皮膚表面をコーティングして水分が失われることを防ぎます。
一方、ヒアルロン酸Naは、ヒアルロン酸よりも分子量が低め。サイズが小さく、表皮(皮膚の一番上の層)まで浸透することができます。つまり、皮膚の内側から水分を与えることができるのです。
スキンケアにおけるヒアルロン酸Naの働き
ヒアルロン酸Naを肌に塗ることで、次のような働きが期待できます。
肌の保湿
ヒアルロン酸Naは親水性。つまり、肌に塗ると皮膚細胞の水分を引き寄せます。そうして肌の保湿力を高めることで、乾燥やかさつきを和らげてくれます。2019年の報告では、ヒアルロン酸よりもヒアルロン酸Naのほうが高い保湿効果を発揮することが示されています。
シワへのうるおい効果
肌が乾燥すると小じわが目立ってしまいます。そんな時は、ヒアルロン酸Naで肌にうるおいを。そうすることで、見た目の印象が変わる可能性があります。
2014年の研究ではヒアルロン酸Naを配合した化粧品で、しわの深さと弾力性が改善されたことが報告されています。
皮膚の炎症を抑える
ヒアルロン酸Naには、肌の炎症を和らげる効果も。
2013年の研究では、ヒアルロン酸Naが0.2%配合されたクリームで、酒さの症状が軽減されたことが示されました。酒さは、赤み、ほてり、発疹を引き起こす炎症性皮膚疾患。
この研究では、低分子のヒアルロン酸が組織の治癒を促進するβ-ディフェンシン2という化合物の産生を促進。さらに、炎症細胞の活動も制御することが示唆されています。
ヒアルロン酸Naの安全性は?
一般的にヒアルロン酸Naは安全と考えられています。肌に塗布した場合、副作用などが生じることはほとんどありません。また、妊娠中や授乳中の使用も問題ないとされています。
ただ、どんな成分でも過敏に反応する人がいる可能性はゼロではありません。ヒアルロン酸Naで肌がかぶれたり赤くなったりした場合は、すぐに使用を中止するようにしましょう。
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