化粧品の着色料の種類と知っておきたいこと

化粧品の着色料の種類と知っておきたいこと

メイクに不可欠な色

日本人がメイクをするようになったのは縄文時代。目や口などに赤い色を塗ったのが最初と言われています。その後、飛鳥時代に中国大陸からおしろいや口紅が伝わり、本格的に「化粧」がはじまります。

そんな昔から日本人がメイクをしていたとは驚きですね。

そして、化粧の歴史が赤色や紅などの「色」で始まっているのも興味深いところ。色をうまく使うことがメイク上手の秘訣というのは、昔も今も同じなんですね。

ところで、現代の化粧品ではどんな着色料が使われているのでしょうか?
この記事では化粧品に使われる着色料と種類について解説します。

関連記事:アイシャドウや口紅に入っているカルミンは避けたほうがいいの?

2種類の着色料:顔料と染料

化粧品の着色料には大きく2種類あります。顔料と染料です。

メイク製品の中にはマットに仕上がるものや光沢感があるものなど、質感や仕上がりに違いがありますよね。また、肌との相性や色持ちのよさもさまざまです。

これらを左右するのが着色料が顔料か染料か。ですから、これらの違いを知っておくとメイク選びの参考になるはずです。

顔料

化粧品の着色料の一つは顔料。

天然や合成の原料を細かく砕いて小さな粒子にした着色料です。
水や油に溶けにくいので、化粧品の中でも溶けずに混ざっている状態のまま。肌に塗ると、その細かな粒子が分散して色がついたように見えるというわけです。

他の物質に溶けることがないため、色の安定性は高くなります。また、透明度が低くマットな仕上がり。アイシャドウ、チーク、ファンデーション、口紅などの製品でよく使用されています。

化粧品の着色料として使われる顔料と染料の違い

色あせや色移りもしにくいので、「アイシャドウを使い切る前に茶色っぽく変色してしまった!」なんてことも少ないです。

また、下で説明する染料に比べてアレルギーのリスクは低いとされています。

いいところばかりのような顔料ですが、もちろんデメリットも。肌への密着度が弱いのでやや落ちやすいことがあります。

染料

化粧品で使われるもう一つの着色料は染料。他の成分に溶ける可溶性の着色料です。

他の成分に溶けることで、顔料とは違って均一に分散しやすい特徴があります。また、肌にしっかりと密着するので色持ちもよくなります。

ただ、ティントリップのように皮膚を染めるものもあります。着色成分が肌表面にとどまる顔料とは違い、染料は皮膚の表面に染み込むことで色をつけるからです。

そのため、アイメイクなどで色素沈着が起こりやすいのも染料。また、刺激やアレルギーのリスクが顔料よりも高くなる傾向があります。

化粧品の着色料で使われる顔料の種類

化粧品の着色料として上述した顔料には複数の種類があります。主に有機顔料、無機顔料、パール顔料に大別されます。

有機顔料

炭素を主成分とする着色料。赤、オレンジ、黄色、青、緑、紫など幅広い鮮やかな色を作ることができます。口紅、アイシャドウ、チークなどのポイントメイクによく使用されます。

アイライナーなどでよく見かける「カーボンブラック」は有機顔料の一つです。

無機顔料

金属の化合物が由来の顔料。
酸化鉄酸化チタン、酸化クロムなどがよく見かける成分です。金属を酸化させるとマット感のある不透明な色を作れる上、金属を安定させることができるんですね。
肌色補正やトーンアップ、カバー力を出すためにファンデーション、コンシーラー、パウダーによく使われています。

無機顔料にはもう一つ、無機マンガン塩という種類もあります。
鉱物に化学的な加工を加えることで作られます。ウルトラマリン、マンガンバイオレット、プルシアンブルーなどが無機マンガン塩の着色料。青、緑、紫、ブロンズなど幅広く鮮やかな色を作り出すことができます。
微妙なニュアンスの色を演出できるため、アイシャドウやハイライトなどでの使用が目立ちます。

パール顔料

パール顔料には合成と天然のものがあります。雲母という物質などに酸化させた金属をコーティングしたもので構成されています。

ソフトな光沢感や輝き、色の変化を与える効果があるため、ハイライトやアイシャドウ、マニキュアによく使われます。

よく聞く「タール色素」ってなに?

タール色素は有機合成色素といわれます。「タール系着色料」などとも呼ばれます。
赤102や黄205などのように「色+数字」で記載されています。

ややこしいのが、この中には顔料も染料も混在しているということ。例えば、赤のタール色素でも「赤204」や「赤221」は顔料。でも「赤102」や「赤223」は染料といったような感じです。

化粧品着色料として使われるタール色素は83種類

化粧品に使われる83種類のタール系着色料

日本では化粧品には83種類のタール色素の使用が認められています

でも、肌刺激やアレルギーリスクへの配慮から、粘膜に非常に近いところで使うアイライナーと口紅では使ってはいけないタール色素もあります。

たとえば「黒401」や「赤401」はマスカラやチークでの使用はOKですが、アイライナーや口紅での使用はできません。ちなみに、マスカラもかなり粘膜に近いと思うのですが、禁止の対象外となっているみたいです。

アイメイクで目元が赤くなったり腫れたりしやすい人は、下記の着色料が入っていないかをチェックしてもいいかもしれません。
どれも粘膜への使用が禁止されているタール系色素。つまり、刺激やアレルギーのリスクがやや高めと国が認めている合成着色料です。

  • 赤401
  • 赤404
  • 赤405
  • 赤501
  • 赤502
  • 赤503
  • 赤504
  • 赤505
  • 赤506
  • 橙401
  • 橙402
  • 橙403
  • 黄401
  • 黄402
  • 黄403
  • 黄404
  • 黄405
  • 黄406
  • 黄407
  • 緑401
  • 緑402
  • 青403
  • 青404
  • 紫401
  • 黒401

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