アトピーと食物アレルギーの関係
アトピー性皮膚炎の人は、食物アレルギーを併発しやすいことが知られています。
保湿が欠かせないアトピー肌のケア。意外かもしれませんが、その保湿が食物アレルギーの引き金になる可能性があります。
食品アレルゲンを成分として含む化粧品を使用した場合、食物アレルギーの発症リスクが高まる可能性が指摘されているのです。
でも、化粧品には実際、どのぐらいの食品アレルゲンが含まれているのでしょうか?

この記事では2024年に発表された論文を参照しながら、保湿剤による食物アレルギーのリスクを避けるポイントを紹介します。
アトピー肌のケアで悩んでいる人やアレルギー体質の人はもちろん、安心して保湿ケアをしたい人はぜひ最後まで読んでみてくださいね。
食品アレルゲンがアトピー肌に触れるとどうなる?
最初に書いたとおり、食物アレルギーはアトピー性皮膚炎と密接に関連しています。
アトピーは慢性的な炎症性の皮膚疾患。皮膚のバリア機能がうまく働いていないことが多く、肌は炎症を起こして傷ついています。
そんな肌に食品アレルゲンが直接触れるとどうなるのか?
実は、アレルギー物質が体内に侵入しやすくなってしまいます。そして、そうして侵入したアレルゲンが食物アレルギー発症の原因になることが、多くの調査でわかってきているのです。
つまり、傷ついたり弱っている肌には、食品アレルゲンが触れないようにすることが重要だということ。
化粧品は直接肌に触れる上、繰り返し塗るため、選び方には注意が必要なのです。
保湿剤に入っている食品アレルゲン

今回参照した論文では、396種類のスキンケア製品が調査されています。
そのうち、127製品に主要な食品アレルゲンが一つ以上含まれていました。
使用されていることが多かったアレルゲンは下記のとおりです。
|
また、ゴマと乳も少数の製品に含まれていました。
|
でも、化粧品の全成分には食品名のまま記載されることは多くありません。こうしたアレルゲンを化粧品ではどう見分ければいいのでしょうか?
残念ながら、当てはまる成分を一つ一つ確認するしか方法がありません。例えば、上記の食品はそれぞれ次のような化粧品成分名で記載されます。
食品 | 化粧品成分名 |
アーモンド | アーモンド油、アーモンドエキス |
マカデミアナッツ | マカデミア種子油 |
大豆 | ダイズステロール、ダイズ油、加水分解ダイズタンパク |
大麦 | オオムギ、オオムギエキス、オオムギ麦芽外殻ワックス |
オーツ麦 | カラスムギふすまエキス、カラスムギエキス、カラスムギ穀粒エキス、アベナストリゴサ種子エキス、カラスムギβ-グルカン |
小麦 | コムギ胚芽油、加水分解コムギグルテン、加水分解コムギタンパク、コムギデンプン、加水分解コムギデンプン |
ゴマ | ゴマ種子油、ゴマ種子エキス |
乳 | ギュウニュウ、乳タンパク、ホエイ |
面倒ですが、避けたい食品アレルゲンの化粧品成分名をあらかじめ調べておく必要があるんですね。
アトピー肌用や湿疹ケアの製品にも食品アレルゲン
調査では、「アトピーケア」や「湿疹ケア」を謳った保湿剤にも食品アレルゲン成分が含まれていました。

炎症を起こした肌や掻きむしった後の肌は、肌のバリア機能が弱くなっています。
そんな肌に食品アレルゲンが含まれる保湿剤を塗ると、経皮感作を促進する可能性が高くなってしまいます。
<経皮感作とは?> 長期間にわたり肌にアレルゲンが触れ続けることで、体内でアレルギー発症の準備が進むこと。 詳しくはこちらの記事もご参照ください:皮膚感作とは:化粧品による肌刺激との違い |
過去の研究では、炎症を起こした皮膚にピーナッツオイルを塗布し続けると、ピーナッツアレルギーの発症リスクが高まることが示されています。
また、食物由来の化粧品成分が即時型および遅延型アレルギーを引き起こす可能性を示した研究もあります。
さいごに
アトピーの人が食物アレルギーを発症しやすいことは知られています。でも、その原因が化粧品かもしれないと考えたことがある人は、少ないかもしれません。
また、化粧品に含まれる食品アレルゲンに注意してほしいのは、アトピーやアレルギー体質の人だけではありません。
化粧品に含まれていた小麦由来成分で小麦アレルギーを発症し、突然パンやパスタを食べられなくなった事例もあるからです。
この記事が化粧品の食品アレルゲンに注意するきっかけになると嬉しいです。
LINEでしか言えない情報も配信中
CONCIO AcademyのLINEアカウントでは、より安心な化粧品を選ぶために役立つ情報を発信しています。
登録はこちらから→https://lin.ee/jAkRPAs
化粧品成分のリスクをとことん研究した「CONCIO(コンシオ)」
CONCIOは日本で初めてEWG認証を取得した新基準の無添加スキンケア。
化粧品成分による肌刺激やアレルギーのリスクに着目し、2500の成分を使わない独自の安全基準を徹底。シンプルなのにしっかり潤う2ステップケアが人気です。
*すべての方に肌刺激やアレルギーが起こらないわけではありません。