メチルパラベンは安全ですか?

メチルパラベンは安全ですか?

嫌われ者のパラベン

防腐剤不使用の化粧品が人気ですね。

中でも特に嫌われている防腐剤の一つがパラベン。そのため、「パラベンフリー」をアピールする化粧品がたくさんあります。

でも、パラベンが嫌われる理由を明確に知っている人は、実は多くないかもしれません。
また、パラベンには複数の種類がありますが、その全部が同じリスクというわけでもありません。

この記事では、化粧品の中で一番よく使われているメチルパラベンについて詳しく解説します。

こちらの記事もおすすめ:化粧品でパラベンが嫌われる本当の理由

メチルパラベンは皮膚から吸収される

最初に書いたとおり、パラベンには複数の種類があります。

  • プロピルパラベン
  • イソプロピルパラベン
  • ブチルパラベン
  • メチルパラベン
  • エチルパラベン

メチルパラベンはたくさんあるパラベンの一つということ。化粧品では他のパラベンや防腐剤と一緒に使われることが多い傾向があります。

水回りで使われたり、肌に触れる化粧品。普通に使うだけでカビやバクテリアが繁殖しやすい商品です。そのため、雑菌の繁殖を防ぐためにパラベンが使われるんですね。

腐った化粧品を使うと失明など重篤な健康被害につながる可能性も。つまり、適切な防腐力を維持することは安全な化粧品のためには必要なのです。

ちなみに、メチルパラベンは皮膚から吸収されることがわかっています。肌が傷ついた状態の場合、特に吸収されやすくなります。

そして、皮膚から吸収されたパラベンは血流に紛れ込みます。
ちょっと怖いような気がしますね…

成分が皮膚から吸収されたらどうなる?:化粧品成分の経皮吸収と浸透の違い

メチルパラベンは皮膚から吸収されます

メチルパラベンは皮膚に蓄積する?

皮膚から吸収されるメチルパラベンですが、体内に長く留まることはないみたいです。

48時間以内に尿からすべて排泄されたことを示す犬、幼児、成人男性を対象とした研究もありました。

また、空気中に放出されたり、日光に長時間さらされると分解されることもわかっています。

メチルパラベンに発がん性?

メチルパラベンや他のパラベンの安全性に関する研究は世界中で行われています

とはいえ、さまざまな懸念について決定的な証拠はまだないのが現状。そのため、メチルパラベンの使用を禁止している国はありません。

「メチルパラベンには発がん性がある」

そんな噂を聞いたことがある人もいるでしょうか?

でも、それが事実だというには不明な点が多く、客観的な証拠もまだ少ないんです。

というのも、化粧品成分の安全性を評価するアメリカのEWGでは、発がん性リスクは示されていません(ただし、アレルギーや内分泌かく乱作用のリスクはあるとされています)。

また、2005年に実施されたアメリカの疾病管理センター(CDC)でによる調査では、2,548人の被験者の尿を検査。99%の参加者の尿からメチルパラベンが検出されたものの、健康的な問題との関連性は示されませんでした。

乳がんとの関連性

パラベンの発がん性が噂されるようになったのは、2004年のある研究がきっかけ。この研究では乳がん腫瘍サンプル20検体から微量のパラベンが検出されました。

検出されたパラベンのうち、一番濃度が高かったのがメチルパラベン。なんと全体の62%を占めていたんです。

乳がん細胞から検出されたメチルパラベン

ただ、この研究でわかったことは「パラベンが乳房の腫瘍に存在する」ということのみ。メチルパラベンに発がん性があると断定されたわけではありません。

つまり、がんを引き起こした原因がパラベンであると結論づける証拠は不足しているということですね。

なお、メチルパラベンの危険性が高まるのは大量に摂取された場合のみとされています。動物実験ではかなりの高濃度で摂取した場合、下記のような症状が見られたそうです。

  • 体重減少
  • 胃の損傷
  • 流産または出生異常
  • 精子・睾丸・子宮の損傷
  • 腫瘍

ただし、動物実験で使用されたメチルパラベンの量は、一般的な化粧品の使用ではありえない量。化粧品に配合されている程度のメチルパラベンでは、これらのリスクはほとんどないと考えてもよさそうです。

メチルパラベンによるアレルギーの可能性

パラベンに対するアレルギーは決して多くありません

また、アレルギーを発症した場合、たいていは遅延型接触性アレルギーとして生じることがわかっています。つまり、肌に塗った直後ではなく、しばらく経ってから症状が出るということです。

塗ってすぐに症状が出ることはまれ。ですが、時々起こりうることを示す研究報告もあります。

メチルパラベンによる皮膚アレルギーの症状は下記のとおりです。

  • かゆみ
  • ぶつぶつや水疱
  • 皮膚が乾燥してうろこ状になる
  • 腫れ
  • 肌が熱く感じる
  • まぶたの赤みや腫れ(まぶたの近くで発症した場合)

アナフィラキシーのような命に関わるようなアレルギー反応は報告されていません。

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