アレルギーを引き起こすかもしれない4つの化粧品成分

アレルギーのリスクがある4つの化粧品成分

身近にあるアレルギーの可能性

私たちはさまざまなものに囲まれて生活しています。日用品や衣服、家具、洗剤、化粧品。実はそれらに含まれる無数の物質のうち、3,700以上の物質が接触性アレルギーの原因として特定されています。

アメリカやヨーロッパでは、全人口の12.5%から40.6%の人が1種類以上の物質にアレルギー反応を示すという報告もあります。

また、アメリカ人の24%の人は、一生に一度はアレルギー性皮膚炎を経験すると言われています。日本のデータではないものの、アレルギーは思った以上に多くの人に関係していると言えそうです。

アレルギーの原因が化粧品の場合も

10,000種類以上ある化粧品成分。その種類は化学物質や天然成分などさまざまです。そしてそこにも、アレルギーの原因物質とされるものがたくさんあります。毎日のように使う化粧品で、突然アレルギー反応を起こしてしまう可能性があるのです。

この記事では、一般的にアレルゲンとされている4つの化粧品成分を紹介します。

アルミニウム化合物

制汗剤をつけたときに脇の下が赤くなったり、かゆくなったことはありますか?その場合、制汗剤に含まれるアルミニウム化合物にアレルギー反応を起こしている可能性が。化粧品に使われるアルミニウム化合物には、次のようなものがあります。

  • クロルヒドロキシAI(制汗剤)
  • 塩化AI(制汗剤)
  • アルミナ(口紅、アイシャドウ、ファンデーションなど)
  • 水酸化AI(口紅、アイシャドウ、ファンデーション、日焼け止めなど)
  • ケイ酸(AI/Mg)
  • オクテニルコハク酸デンプンAI

これらによるアレルギー発症の割合は多くありません。しかし、制汗剤を使って肌トラブルを起こしたことがある人は要注意。メイクアップ製品など他の化粧品でもアルミニウム化合物が入っていないかを確認するのがよいでしょう。

アルミニウム化合物や合成香料がアレルギーの原因に

合成香料

合成香料はアレルギーの原因となる代表例。化粧品の規制が世界一厳しいと言われるEUでは、26種類の香料成分をアレルゲンと特定しています。ただ、日本では多くの場合「香料」とだけ記載されています。ラベルを見ても記載がないため、知らないうちにアレルギー物質を日常的に使っている可能性もあるのです。

下記はEUがアレルゲンと特定している26種類の香料成分。

  • アミルケイヒアルデヒド
  • アミルシンナミルアルコール
  • アニスアルコール
  • ベンジルアルコール
  • 安息香酸ベンジル
  • ケイヒ酸ベンジル
  • サリチル酸ベンジル
  • ケイヒアルコール
  • シンナムアルデヒド
  • シトラール
  • シトロネロール
  • クマリン
  • オイゲノール
  • ファルネソール
  • ゲラニオール
  • ヘキシルシンナムアルデヒド
  • ヒドロキシシトロネラール
  • リラール
  • リリアール(2022年3月1日からEUでは化粧品への配合禁止)
  • イソオイゲノール
  • リモネン
  • リナロール
  • 2-オクチン酸メチル
  • メチルイオノン
  • ツノマタゴケエキス
  • エベルニアフルフラセアエキス

中にはすでにEUでは化粧品での使用が禁止されているものも。しかし、日本では配合量や濃度においても規制されていません。

ちなみに、「無香」と表示されたものでもマスキング剤と呼ばれる特殊な香料が使われていることもあります。つまり、匂いはないけれど香料は使われている可能性があるということ。

香料にアレルギーが出やすい人は「無香料」や「香料不使用」を選ぶと安心でしょう。

金属

アクセサリーや貴金属などで金属アレルギーがある人は、化粧品成分にも注意が必要かもしれません。

というのも、メイクアップ製品や日焼け止めに使用される「酸化鉄」に、不純物としてコバルトやニッケル、クロムなどの金属が微量に含まれる可能性があるから。

これらは金属アレルギーを引き起こしやすいことで知られています。酸化鉄自体はアレルギー物質ではありませんが、金属アレルギーの原因となる物質がわずかに残留している可能性があるのです。

ファンデーションや日焼け止めをつけた後に肌に赤みやかゆみなどの症状が出たら、これらの金属へのアレルギー反応かも。過去に金属でアレルギーが出たことがある人は、特に注意が必要かもしれません。

メイクアップや日焼け止めの酸化鉄もアレルギーの原因に

精油

肌にやさしい化粧品やスキンケアを求める人の中には、オーガニックコスメやナチュラルコスメを選ぶ人も多いかもしれません。ですが、自然由来の成分が必ずしも肌にやさしいとは限らないことを念頭に置いておきましょう。

精油(エッセンシャルオイル)は、天然由来成分の代表例。しかし、皮膚感作性が強く、アレルギー反応を起こす人もいます。

「合成香料」で記載した26種類の香料アレルゲンのうち、下記は天然の精油にも多く含まれるからです。

  • シトラール(レモングラス油の主成分)
  • シトロネロール(バラの精油に含まれる)
  • クマリン(桜の葉に含まれる)
  • オイゲノール(クローブなどの精油に含まれる)
  • ファルネソール(バラやレモングラスの精油に含まれる)
  • ゲラニオール(ゼラニウムやレモン、バラの精油に含まれる)
  • イソオイゲノール(イランイランの精油に含まれる)
  • リモネン(レモンやオレンジなど柑橘類の精油に含まれる)
  • リナロール(ラベンダー、ローズウッド、ベルガモットの精油に含まれる)

もちろん香りによる癒し効果もあるでしょう。また、すべての人にアレルギー反応が必ず生じるわけではありません。しかし、天然の精油にも合成香料と同じアレルゲンが含まれているのです。

肌が弱い人や小さな子供への使用は特にリスクが高くなる傾向が。ベビー用には無香料の製品が推奨されるのには理由があるのですね。

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