トリフルオロ酢酸テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレアはPFAS

トリフルオロ酢酸テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレアはPFAS

長い名前だけど、どんな成分?

見出しに書いたこちら。

トリフルオロ酢酸テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレア

とっても長いですが、何でしょうか?

これは日本で売られているシートマスクに配合されていた化粧品成分。肌への効果を調べてみると「たるみを改善しハリと弾力をもたらす」と書かれていました。

でも実はこの成分、発がん性などの深刻な毒性が指摘されているPFASという化学物質なんです。

PFASとは

PFASは日本を含む世界各国の水道水や下水から検出されている物質。ほとんど分解されることなく環境中にどんどん蓄積します。そのため「永遠の化学物質」とも呼ばれる毒性物質です。

まだリスクについてはわからないことが多いものの、下記のような影響が懸念されています。

日本でも多くの住民の尿から規定量以上のPFASを検出。健康への影響に関する調査が進んでいます。

トリフルオロ酢酸テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレアはPFAS

日本の厚生労働省のような役割を担うアメリカのFDA。そのFDAが公表しているPFASの化粧品成分一覧にもトリフルオロ酢酸テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレアがPFASとして記載されています。

同じように、ヨーロッパの欧州委員会によるレポートにもPFASとしてバッチリ掲載。

トリフルオロ酢酸テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレアがPFASであることは間違いなさそうです。

PFASであるトリフルオロ酢酸テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレアが配合されているシートマスクもあります

PFASはさまざまな分野で広く使用されています。その一つが化粧品なんですね。

今回見つけたシートマスクの「肌のハリ」効果のように、美容効果や機能性のために意図的に添加されていることがあります。

また、優れた耐水性と耐摩耗性もPFASの特徴。そのため、ウォータープルーフのメイク製品や落ちにくい口紅に配合されていることもあります。

でも、化粧品の場合、PFASを食べるわけではありません。肌に塗ると何が怖いのでしょうか?

トリフルオロ酢酸テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレアの安全性

ノートルダム大学など複数の大学による共同の調査では、PFASは皮膚から吸収され体内に侵入する可能性が示されています。

今回、日本で見つけたのはトリフルオロ酢酸テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレアが配合されたシートマスク。シートマスクは顔全体に比較的長い時間密着しますよね。そうすると、皮膚や涙管からPFASが吸収される可能性があります。

また、もし口紅に配合されていたら…。飲食時に口から体内に取り込まれる可能性だってあります。

トリフルオロ酢酸テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレアは口紅に配合されていることも

PFASは難分解性の化学物質ですから、皮膚を通過して血流に乗るとそこに留まります。口から取り込まれた場合、消化器系に蓄積するかもしれません。

つまり、きれいになるための化粧品のせいで毒性物質が体内に蓄積されてしまうかもしれないのです。

ちなみに、成分の安全性を審査する米国のEWGの評価も見てみました。
やはり、トリフルオロ酢酸テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレアの安全性評価は最悪。10段階中10(1が最も安全)でした。

PFASが入っている化粧品

上述したノートルダム大学などによる研究では、アメリカで販売されている200種類以上の化粧品が調査されました。

その中でPFASを含んでいる可能性が高い化粧品も判明。「ウォータープルーフ」や「摩擦に強い」「落ちにくい」と書かれたものからの検出が多かったようです。

PFASが検出された確率

  • ウォータープルーフマスカラの82%
  • ファンデーションの63%
  • リキッド口紅の62%
  • アイシャドウ、アイクリーム、アイライナーの58%

また、この調査によると各化粧品の全成分にはPFASとわかる記載はなかったそうです。

PFAS成分の名前は長くて難しいものがほとんど。とっても大変ですが、より安心な化粧品を見分けられるように自分で知識をつけておく必要がありそうです。

化粧品のPFASについては下記にも詳しく書いています。ぜひ読んでみてくださいね↓

毒性成分のPFASが入っている化粧品
化粧品のPFASは皮膚から吸収される?

 

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