カルナウバロウが使われているもの
カルナウバロウはブラジル原産の天然ワックスです。
ワックスとは日本語では「蝋(ロウ)」と呼ばれるもの。つまり常温では固形で、熱を加えると液体になる物質です。ロウソクなどをイメージすればわかりやすいでしょうか。
化粧品では合成ワックスが多用されてきましたが、それに代わる植物由来のロウとしてカルナウバロウが使われることが増えています。
化粧品を固めたり、硬さを調節したり、ツヤを出したり。その配合目的はさまざまです。
例えば、下記のような化粧品に配合されています。
- リップバーム
- ファンデーション
- アイシャドウ
- 口紅
- アイライナー
- アイブロウ
- マスカラ
関連記事:アイシャドウや口紅に入っているカルミンはこんな虫から作られる
カルナウバロウの働き
カルナウバロウはチョコレートやチューイングガムなどの食品にも使われています。
一体どんな働きをする成分なのでしょうか?
ある調査によると、カルナウバロウはワックスの中で一番硬いのだそう。また、天然ワックスの中では融点が最も高く溶けにくいため、仕上がりが安定します。
その性質が生かされている化粧品の一つが口紅。
口紅は、スティック状で固まっていないと使いにくいですよね。
ほとんどの口紅は、スティック状の形をキープしながらも、体温に触れた時には適度に溶けて塗ることができます。そうした硬さを調整するのが、カルナウバロウをはじめとするワックスの役割なのです。
カルナウバロウは安全?
とはいえ、アレルギーの事例が全くゼロというわけではありません。
カルナウバロウ配合のリップバームで唇が腫れたという報告もあります。また、マスカラでまぶたに炎症を起こしたという日本人女性の事例も見られます。
特にマスカラやアイライナーで炎症を起こしたという報告は他にもちらほら。
とはいえ、これはカルナウバロウが目に触れた際、油腺が詰まることが炎症の原因になるのではないかと推測する人もいます。
カルナウバロウ自体が危険というわけではないというわけですね。
植物由来だからサステナブルなのか
カルナウバロウはブラジルの北東部だけに生息するコペルニカ・プルニフェラというヤシから採れます。ヤシの葉を叩くとロウが薄片状になって落ち、作業員がそれを集めて作られます。
植物が由来だから健康的だし、環境にもやさしい。
天然ワックスはそんなふうにアピールされることがあります。でも実は、カルバウバロウが環境などに与える負の影響が議論されています。
2024年、英国BBCはカウナウバロウを収穫する人の労働条件が「奴隷のようだ」と報道しました。2009年以来、強制労働や劣悪な労働条件で働いていた3190人の人を政府が救出するような事態となっているのです。
また近年、カウナウバロウの収穫による森林伐採や現地の生物多様性など、生態系への影響に対する意識が高まっています。
そのため、作業員が1本の木から1度に収穫する葉は10枚から20枚に限られているのだとか。それ以上の葉を取り除くと、木の成長を妨げ、木は徐々に枯れていってしまうからです。
さいごに
多くの人が安心して使えるとされるカルナウバロウ。機能性も高く、優秀な化粧品成分です。でも、キレイになるための化粧品を使う代償として地球や労働者を犠牲にする必要はありません。
カルナウバロウ配合の化粧品を選ぶ際には、適切な方法で収穫されたものかどうかをメーカーに確認するといいかもしれませんね。
LINEでしか言えない情報も配信中
CONCIO AcademyのLINEアカウントでは、より安心な化粧品を選ぶために役立つ情報を発信しています。
登録はこちらから→https://lin.ee/jAkRPAs
化粧品成分のリスクをとことん研究した「CONCIO(コンシオ)」
CONCIOは日本で初めてEWG認証を取得した新基準の無添加スキンケア。
化粧品成分による肌刺激やアレルギーのリスクに着目し、2500の成分を使わない独自の安全基準を徹底。シンプルなのにしっかり潤う2ステップケアが人気です。
*すべての方に肌刺激やアレルギーが起こらないわけではありません