クルエルティフリーの化粧品とは

クルエルティフリーの化粧品:動物実験の真実とよくある5つの質問

クルエルティフリーとは

「クルエルティ」は「残虐な行為」を意味する英単語「Cruelty」のこと。「フリー」は「(それから)解放されている」という意味。つまり、クルエルティフリーとは残虐な行為が行われていないことを表しています。

化粧品では動物に対する残虐な行為を指し、「動物実験が行われていないこと」を意味します。

なぜ動物実験がいけないのか

アメリカの動物保護団体PETAによると、そこには5つの大きな理由があります。

1. 非倫理的

実験室の中で一億匹の動物に対して苦痛や恐怖を与え、命を犠牲にさせることは非倫理的だから。

2. 意味がない

国立衛生研究所の報告で、動物実験に合格した100種類の薬のうち95種類は人間に有効ではなかったという結果が出ているから。

3. 無駄が多い

動物実験には多くの貴重な資金や時間が浪費されるのに、価値が低い実験結果が多い。約半分は発表されることすらないから。

4. 古い

動物実験よりも安価で迅速かつ正確、人道的で効果的な非動物実験方法がすでに開発されてきているから。(臓器チップ、オルガノイド、ヒトベースの微量投与、in vitro技術、ヒト患者シミュレーター、高度なコンピューターモデリングなど)

5. 必要がない

上記1~4の理由から、動物実験は必要ないと考えられるから。

クルエルティフリーについての疑問

動物を犠牲にしたいと思って化粧品を使っている人はいないはず。でも、動物実験が行われていることを知らない人がいることも事実です。

そんな人がクルエルティフリーの化粧品という選択肢があることを知った時、知りたいであろう5つの質問と回答を挙げました。

1. 化粧品の動物実験は本当に行われているのですか?

残念ながら行われています。世界的なトップ50の化粧品ブランドを対象にした調査によると、2021年の時点では88%がクルエルティフリーではありませんでした。
つまり、50ブランドのうち44社が自ら動物実験を行っているか、第三者に実験させていることになります。

2. なぜ動物実験が行われているの?

化粧品がいまだに動物実験されている主な理由は、中国の法律が動物実験が義務付けられている場合があるから。中国の化粧品市場は巨大。ビジネスを拡大するために中国で販売する際に、動物実験が必要とされていたからです。

中国での化粧品販売には動物実験が義務の場合もあります

2021年までは必須だったため、それまでに投入されたほとんどの商品で動物実験が行われたはず。しかし、2021年5月以降は、下記のような条件を満たす化粧品であれば動物実験は必要ないと中国の法律が改正されました。

  • スキンケアやメイクアップ、ヘアケア製品で乳幼児を対象としていないもの
  • スキンケアやメイクアップ、ヘアケア製品で新成分が配合されていないもの
  • オンライン・香港のみで販売されるもの
  • 中国国内で製造されたもの
  • 中国以外の国のGMP工場で製造され、安全性を証明する必須書類が提出されたもの

また、EUでは2013年から動物実験は禁止されています。しかし、それは最終商品での動物実験のみ。原材料や成分を開発する際には動物実験を許可または義務づけています。この法律は、製造に関わる人間の安全を確保するためとされていて、EUに限ったことではありません。

3. 動物実験はどんな実験ですか?

人間の目や皮膚、体への刺激や毒性、効果を調べるための実験です。人間を使うと危険を伴う可能性があるため、代わりに動物を使って行われるのです。

マウス、ラット、モルモット、ウサギ、魚、犬などを使って長時間行われます。当然、実験には強い痛みや苦痛がともなうことも。

例えば、モルモットやウサギは皮膚や目の検査に使われます。毛を削がれた皮膚や目に大量の化学物質が塗られたり、投与されます。また、ラットやイヌは急性毒性試験に使用されます、注射や強制給餌によって、非常に高い致死量の化学物質が体内に投与されるのです。

4. 動物実験が動物に与える影響は?

動物実験は数ヶ月、あるいは実験動物の一生に及ぶこともあります。

妊娠中のラットやウサギ、イヌにも強制的に化学物質が与えられます。その結果、その子供が奇形で生まれたり、妊娠中に死ぬかどうかを確認するのです。

当然、実験中に死んでしまう動物もいます。たとえ実験が終わるまで生きていたとしても、実験後には殺されてしまうのが一般的です。

動物実験で命を犠牲にする動物

5. 消費者としてできることは?

化粧品における動物実験に対して、反対する声は世界中で広がっています。そのため、動物実験をやめるブランドが増えてきています。

まずは、そういったブランドのポリシーをしっかりと確認すること。そして、本当に動物実験を行なっていないかを見極めることが大切です。「私たちは動物実験をしません」と宣言していても、実は第三者機関に委託している可能性もあるからです。

クルエルティフリーを謳うために法律で規制している国は、日本を含めてほとんどありません。そのため、消費者が確実に見極めるのは難しいことも。
そんな時は、LEAPING BUNNYの認証を取得した製品を探してみてはいかがでしょう?この認証は、製品開発のどの段階においても新たな動物実験を行なっていない製品にしか与えられません。

動物実験を禁止している国

EUでは2013年に最終製品における動物実験が禁止されたと書きました。でも、禁止しているのはEUだけではありません。下記の国や地域でも動物実験を禁止しています。

  • アメリカの一部の州(カリフォルニア、ネバダ、ハワイ、ヴァージニアなど)
  • イギリス
  • オーストラリア
  • 韓国
  • 台湾
  • ニュージーランド
  • インド
  • トルコ
  • メキシコ
  • ブラジルの一部の州
  • コロンビア
  • イスラエル
  • ノルウェー
  • スイス
  • アイスランド
  • リヒテンシュタイン
  • グアテマラ

全世界で約23%の国や地域が化粧品の動物実験を禁止しています。しかし、日本ではまだ検討が開始されただけ。何も規制されていません。

クルエルティフリーとヴィーガンは違う

動物愛護の意識から、ヴィーガンコスメを選んでいませんか?残念ながら、ヴィーガンコスメは動物実験が行われている可能性があります。

ヴィーガンコスメとは「動物由来成分を使わない化粧品」のこと。「動物実験を行わない」クルエルティフリーとは、考え方の基準が異なるのです。

そのため、動物由来の成分を一切使っていないヴィーガンコスメでも、動物実験によって安全性が確認されている可能性があるのです。

ちなみに同じ理由でヴィーガンコスメは天然由来成分100%とも限りません。動物由来でなければOKなのがヴィーガンコスメ。そのため、合成成分が配合されている可能性もあります。

自分が何を大切にして化粧品を選びたいかを考えることは大切。そして、自分の価値観に合う化粧品を正しく選ぶために、必要な知識や情報を身につけることも同じくらい大切なのですね。

ためになる情報をLINEで配信中

CONCIO AcademyのLINEアカウントでは、よりよい化粧品を選ぶための豆知識を発信しています。自分と大切な人にとって本当に優しい選択をするために、ぜひお役立てください。
登録はこちらから→https://lin.ee/jAkRPAs

化粧品成分のリスクをとことん研究した「CONCIO(コンシオ)」

CONCIOは日本で初めてEWG認証を取得した新基準の無添加スキンケア。

化粧品成分による肌刺激やアレルギーのリスクに着目し、2500の成分を使わない独自の安全基準を徹底。
世界基準の安心を日本の敏感肌に届けています。

https://concio.jp/

CONCIOのミニマルスキンケア

*すべての方に肌刺激やアレルギーが起こらないわけではありません。

Back to blog
RuffRuff App RuffRuff App by Tsun
  • 肌の常在菌を守って健やかな肌へ:菌バランスを乱す化粧品成分

    肌の常在菌を守って健やかな肌へ:菌バランスを乱す化粧品成分

    肌には無数の細菌や微生物が存在していて、その常在菌のいいバランスを保つことが美肌のカギ。ですが、石油系界面活性剤や合成防腐剤など、肌の常在菌バランスを乱す化粧品成分もあります。

    肌の常在菌を守って健やかな肌へ:菌バランスを乱す化粧品成分

    肌には無数の細菌や微生物が存在していて、その常在菌のいいバランスを保つことが美肌のカギ。ですが、石油系界面活性剤や合成防腐剤など、肌の常在菌バランスを乱す化粧品成分もあります。

  • 乾癬の人がスキンケアで気をつけたいこと

    乾癬の人がスキンケアで気をつけたいこと

    非常に強いかゆみをともなう乾癬は皮膚の炎症を引き起こす自己免疫疾患。世界の人口の2~3%が罹患しているとされています。 症状の緩和には、皮膚科で処方された薬に加えて正しい保湿と刺激が強い成分を避けることが大切。

    乾癬の人がスキンケアで気をつけたいこと

    非常に強いかゆみをともなう乾癬は皮膚の炎症を引き起こす自己免疫疾患。世界の人口の2~3%が罹患しているとされています。 症状の緩和には、皮膚科で処方された薬に加えて正しい保湿と刺激が強い成分を避けることが大切。

  • 化粧品アレルギー、「私は大丈夫」と思ってませんか?

    化粧品アレルギー、「私は大丈夫」と思ってませんか?

    10%から15%の人が化粧品によるアレルギーを経験したことがあるという調査もあるほど、化粧品アレルギーが増加しています。香料、精油、防腐剤、界面活性剤、天然由来成分。人によってアレルギーの原因となる成分もバラバラ…

    化粧品アレルギー、「私は大丈夫」と思ってませんか?

    10%から15%の人が化粧品によるアレルギーを経験したことがあるという調査もあるほど、化粧品アレルギーが増加しています。香料、精油、防腐剤、界面活性剤、天然由来成分。人によってアレルギーの原因となる成分もバラバラ…

1 of 3