難しい名前の化粧品成分
気になる化粧品を見つけた時。安心して使えるものかを知りたくて、食品と同じように全成分表を確認することはありますか?
より安全で安心な化粧品は選びたい。でも、ずらりと並ぶ長いカタカナ名に頭が痛くなって、諦める人も多いのではないでしょうか。
「シクロペンタサン」もその一つ。この記事ではシクロペンタシロキサンという成分について詳しく解説します。今度からは、このカタカナの成分名が書かれていても戸惑う必要はありません。
シクロペンタシロキサンとは
シクロペンタシロキサンはシリコーンです。色はなく無臭。ベタつかず、水のような軽い使い心地。白浮せず、薄く塗ってもしっかり密着します。
皮膚から吸収されることはなく、肌への刺激もほとんどありません。すぐに蒸発して乾きやすいため、さらっとしたシルクのような感触を与えます。
優れた点がたくさんあって化粧品の使用感がとってもよくなるんですね。そのため、次のような多くの化粧品でシクロペンタシロキサンは使われています。
- 日焼け止め
- 制汗剤・デオドラント
- シャンプー・コンディショナー
- ウォータープルーフマスカラ
- ファンデーション
- アイライナー
- コンシーラー
- アイシャドウ
- ヘアスプレー・スタイリングジェル
- 口紅
ヘアケアでも使われるシクロペンタシロキサン
上で挙げたように、シクロペンタシロキサンはヘアケア製品でも使われることがあります。水をはじき、滑りやすいので、髪に保護バリアを作ってくれるからです。
この保護バリアによって、髪がきしまず指通りがよくなります。また、切れ毛や縮れを抑えてくれるのです。
優秀なのにシクロペンタシロキサンが嫌われる理由
化粧品やケアケアの成分として優れた機能性を持つシクロペンタシロキサン。でも実は、ヨーロッパでは使用に制限が設けられています。
2020年1月以降、シャンプーなどの洗い流す化粧品で0.1%以上配合できなくなったのです。
なぜでしょうか?
その理由は、環境への悪影響。
使用後に洗い流されたシクロペンタシロキサンが水中に蓄積するリスクがあるとされているからです。また、水中に蓄積することによる魚や野生の生き物への毒性も議論されています。
国や機関で異なる安全評価
シクロペンタシロキサンによる環境への影響は、長年議論が繰り返されています。そして現在、国や地域・機関によってその評価はバラバラです。
例えば、カナダは当初、環境によくないのではないか?という意見を示していました。しかしその後、シクロペンタシロキサンによる環境と人体への影響は低いと結論づけています。
一方、ドイツは2018年にシクロペンタシロキサンを「環境や人体に対して高い懸念がある物質」としてEUに提示。今後、この提案がEUで受理されれば、現在シャンプーなどで0.1%までとされている配合規制が変わる可能性もあります。
また、欧州化学物質庁(ECHA)は、保湿クリームやメイクアップ製品などの洗い流さない化粧品にもシクロペンタシロキサンの配合濃度規制を適用する計画も示しています。
同じ化粧品成分に対して、これだけ評価や対応がバラバラなのも珍しいですことです。シクロペンタシロキサンが環境に与える影響は、それほどわかりにくいということなのかもしれません。
肌にはよくない?
最初に述べた通り、シクロペンタシロキサンはシリコーンです。他の多くのシリコーン成分と同じように、肌への刺激はほとんどありません。また、皮膚感作性もないとされています。
ただし、シリコーンは水も油も弾いてしまう性質。そのため、普通のクレンジングでは落としきれないことも。洗いすぎや洗い残しによるニキビや乾燥などの肌トラブルの原因になる可能性はあります。
人体への影響は?
シクロペンタシロキサンは内分泌かく乱物質、つまりホルモンの正常な働きを乱す可能性があると言われることがあります。
実際、ヨーロッパでは詳しい検証が待たれているところ。しかし、International Journal of Toxicologyに掲載された2012年の研究では、シクロペンタシロキサンは皮膚から吸収されないことが判明しています。
ホルモン作用を起こすには、体内に侵入する必要があります。つまり体内に侵入できない成分の場合、ホルモン作用を心配する必要はなさそうということ。
しかし、それはあくまで一般的な配合濃度の場合。高濃度で配合された場合などにはリスクが高くなる可能性はあります。
まとめ
シクロペンタシロキサンは価格が安く、肌には低リスク。化粧品の使い心地がよくなる機能も充実しているため、数々の化粧品で配合されてきました。
しかし、環境への影響では世界的に意見が分かれていて、確かなことが曖昧。地球や生き物にやさしい選択をしたい人は、この成分が使われていない化粧品を選んでみてもいいかもしれませんね。
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