ココナッツオイルに豊富なラウリン酸
料理にも美容にも使えるオイルとしてココナッツオイルが話題になることがあります。
ナチュラルやオーガニック志向の高まりで、より盛り上がっているのかもしれません。
ひび割れた肌を和らげるほどの高い保湿力!などと宣伝されていることもあるようですが、本当でしょうか?そして、本当だとしたらその理由は?
この記事ではココナッツオイルに豊富に含まれるラウリン酸に着目。化粧品成分として使われる理由とその効果を紹介します。
ラウリン酸とは
植物や動物に含まれる脂肪酸の一種。化粧品では植物性のものが使われていることが多いようです。
ラウリン酸はココナッツオイルに含まれる脂肪酸の約半分を占めるともいわれます。
ココナッツやパームの実や油に含まれるいろんな脂肪酸の中からラウリン酸を抽出。加工・精製されたものが化粧品成分として使用されています。つまり、ラウリン酸として単体では自然界に存在していないということですね。
ラウリン酸の役割
化粧品にはさまざまな目的で配合されます。でも主に、洗浄剤や乳化剤、テクスチャーをよくする成分として使われることが多いようです。
高い洗浄力
石けんやボディソープ、クレンジングでの配合をよく見かけます。
その理由は高い洗浄力と泡立ちの良さ。特に固形石けんで使われた場合、ミリスチン酸やパルミチン酸などの他の脂肪酸よりも洗浄力に優れた石けんになることがわかっているようです。
ただ洗浄力が高い分、肌への刺激を感じる可能性も高くなるかも。
石けんに関する記事:石けんが肌にやさしいって本当?
ニキビへの効果
抗菌作用があり、ニキビに効果的な成分である可能性が研究されています。
2009年の研究ではラウリン酸が肌の炎症を抑え、細菌の数を減少させることが示されました。
一般的なニキビ治療薬として皮膚科で処方される塗り薬には、過酸化ベンゾイルという有効成分が配合されています。ですが、ラウリン酸には過酸化ベンゾイルよりも優れた効果がある可能性がこの研究では示唆されているんです。
また、2016年の研究でもニキビに対する効果が示されています。
とはいえ、ニキビにココナッツオイルを塗るのはNG。なぜなら、ココナッツオイルには他にも多くの脂肪酸が含まれているから。ラウリン酸だけで見られた効果を期待できるわけではありません。
むしろ、ココナッツオイル毛穴に詰まりやすい可能性があるため、かえってニキビを悪化させる可能性もあります。
毛穴が気になる人の正しいオイルの選び方:毛穴が気になる人は必読!肌タイプ別のおすすめオイル
ラウリン酸は安全?
化粧品成分の安全性を評価するアメリカのEWGでは、ラウリン酸の安全性は高いとされています。成分に関する情報も多いため、基本的には安心な成分と言えます。
ただ、高濃度で配合された場合、肌が弱い人は少し注意が必要かも。
というのは、ヒトへの刺激性試験で50%濃度のラウリン酸を塗って蓋をしたところ、紅斑などの肌刺激が見られたから。とはいえ、蓋をしなければ80%濃度でも紅斑がわずかに出る程度の軽度の反応だったそう。
ラウリン酸がこれほど高濃度で化粧品に配合されることはほとんどありません。そのため、過度に心配する必要はなさそうです。
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