食用肉からもマイクロプラスチック検出

マイクロプラスチックが豚・鶏・牛など食用肉からも検出

食用肉にも広がるマイクロプラスチック汚染

米国を本拠に活動する「Ocean Conservancy」。海洋汚染の課題解決に取り組む海洋自然保護団体です。Ocean Conservancyが主催するビーチクリーンには、これまでに世界中で数百人が参加したとか。グローバルに影響力があるNGO団体なんですね。

そのOcean Conservancyとトロント大学が共同で行った研究 があります。2024年1月8日に公開された報告で、ショッキングな事実がわかりました。

それは、豚や鶏、牛などの食用肉からマイクロプラスチックが検出されたというもの。その中には、大豆などで作られた植物性代替肉も含まれています。

マイクロプラスチック汚染は魚介類だけじゃない

これまでにも数多くの研究で、マイクロプラスチックが様々な食品に含まれていることがわかっています。ミネラルウォーターや水道水はもちろん、野菜や果物からも検出されています。雨でマイクロプラスチックが降り注いで土壌が汚染されるため、農作物も汚染されているのです。

野菜や果物からも検出されているマイクロプラスチック

人間が排水したマイクロプラスチックは海に流れ出ます。だから当然、魚介類からも検出されています。鮭や牡蠣、ムール貝など。食用の魚介類の消化管にマイクロプラスチックが存在することは、もはや研究者の間では当たり前になっています。

ところが、今回の調査対象は魚介類だけではありません。豚肉、牛肉、鶏肉、豆腐、3種類の植物性代替肉など、幅広い食品が対象。海洋汚染の影響が少なそうな食用肉も調査されたのです。米国で販売されている16種類のタンパク質からサンプルを採取。その結果、調査した商品の90%近くからマイクロプラスチックが検出されました。

マイクロプラスチックに汚染されているのは、魚介類だけではないことが判明したのです。

私たちはマイクロプラスチックを食べているのか

アメリカの成人は、タンパク質だけで年間380万個のマイクロプラスチックを摂取している可能性が示唆されています。

先述したとおり今までも、魚介類の体内にマイクロプラスチックが存在することはわかっていました。しかし、それが消費者が食べる切り身などにも含まれるかについては、ほとんど調査されていませんでした。また、牛肉や鶏肉などの食用肉についての研究も非常に少なかったのです。

しかし今回それらも対象にした調査では、幅広い食品からマイクロプラスチックを検出。つまり、魚ではなくお肉を選んでも、人間はマイクロプラスチックを食べている可能性が高いことが示されたのです。

そうはいっても、魚介類のほうがマイクロプラスチックが多く含まれていそう?

いいえ。

実は、魚介類と食用肉に含まれるマイクロプラスチックの濃度には、大きな差はありませんでした。

加工食品は大丈夫?

今回の研究では、次のような加工食品も調査されました。

  • チキンナゲット
  • フィッシュスティック
  • 豆腐
  • 植物性ハンバーガー

大豆ミートからもマイクロプラスチックを検出

加工されたタンパク質製品なら、マイクロプラスチックは含まないのでしょうか?

驚くことに、これらにもマイクロプラスチックは含まれていたそうです。しかも、切り身の魚や鶏胸肉などよりも多く。つまり、生鮮の魚や肉であろうと加工された肉・魚であろうと、私たちはマイクロプラスチックを食べることを避けられないのです。

マイクロプラスチックを食べたら健康に悪い?

マイクロプラスチックなんて食べたくない!そう考えて「あれもこれも食べるのを控えよう」と思う人がいても、不思議ではありません。しかし、残念ながら、マイクロプラスチックによる汚染はあらゆるところに広がっています。絶対食べないという選択肢は、もはや実践できそうにありません。

ただ、マイクロプラスチックを食べたら人体にどんな影響があるのかは、実はまだほとんどわかっていません。

もしかしたら健康リスクはないかもしれないし、とてもリスクが高い可能性も。未だはまだ誰もわからないのです。

ようやく最近、マイクロプラスチックに関する研究が進み始めました。人体へのリスクなどがこれから明らかになっていくことを期待したいですね。

今、私たちにできること

リスクがわからず、避けることもできない。マイクロプラスチック問題はとても複雑です。こんなにも汚染が広がると、今の私たちにできることは、ほとんどないようにも思えてきます。

でも、そんなことはありません。

今回の研究では検出されたマイクロプラスチックのうち、44%が繊維でした。30%はプラスチック片です。

つまり、当然と言えば当然ですが、ほとんどが人間の日常生活から排出されているのです。私たち人間が作り出したものが、自分たちに返ってきているのですね。

だから今、私たちにできることがあるとすれば、

  • プラスチック製品をできる限り使わない
  • できるだけ、合成繊維の洋服を選ばない

ことかもしれません。海や土壌に蓄積するマイクロプラスチックをこれ以上、増やさない努力をするということです。

100%脱プラスチックを目指すと、ストレスになるかもしれません。

でも、できるところから少しずつでも取り組めば、未来の地球や自分たちの健康が救われるかもしれないのです。

続けられる範囲で、今日から、できるだけ「よりよい」選択をしてみませんか?

ためになる情報をLINEで配信中

CONCIO AcademyのLINEアカウントでは、よりよい化粧品を選ぶための豆知識を発信しています。自分と大切な人にとって本当に優しい選択をするために、ぜひお役立てください。
登録はこちらから→https://lin.ee/jAkRPAs

化粧品成分のリスクをとことん研究した「CONCIO(コンシオ)」

CONCIOは日本で初めてEWG認証を取得した新基準の無添加スキンケア。

化粧品成分による肌刺激やアレルギーのリスクに着目し、2500の成分を使わない独自の安全基準を徹底。
世界基準の安心を日本の敏感肌に届けています。

https://concio.jp/

CONCIOのミニマルスキンケア

*すべての方に肌刺激やアレルギーが起こらないわけではありません。

Back to blog
RuffRuff App RuffRuff App by Tsun
  • 肌の常在菌を守って健やかな肌へ:菌バランスを乱す化粧品成分

    肌の常在菌を守って健やかな肌へ:菌バランスを乱す化粧品成分

    肌には無数の細菌や微生物が存在していて、その常在菌のいいバランスを保つことが美肌のカギ。ですが、石油系界面活性剤や合成防腐剤など、肌の常在菌バランスを乱す化粧品成分もあります。

    肌の常在菌を守って健やかな肌へ:菌バランスを乱す化粧品成分

    肌には無数の細菌や微生物が存在していて、その常在菌のいいバランスを保つことが美肌のカギ。ですが、石油系界面活性剤や合成防腐剤など、肌の常在菌バランスを乱す化粧品成分もあります。

  • 乾癬の人がスキンケアで気をつけたいこと

    乾癬の人がスキンケアで気をつけたいこと

    非常に強いかゆみをともなう乾癬は皮膚の炎症を引き起こす自己免疫疾患。世界の人口の2~3%が罹患しているとされています。 症状の緩和には、皮膚科で処方された薬に加えて正しい保湿と刺激が強い成分を避けることが大切。

    乾癬の人がスキンケアで気をつけたいこと

    非常に強いかゆみをともなう乾癬は皮膚の炎症を引き起こす自己免疫疾患。世界の人口の2~3%が罹患しているとされています。 症状の緩和には、皮膚科で処方された薬に加えて正しい保湿と刺激が強い成分を避けることが大切。

  • 化粧品アレルギー、「私は大丈夫」と思ってませんか?

    化粧品アレルギー、「私は大丈夫」と思ってませんか?

    10%から15%の人が化粧品によるアレルギーを経験したことがあるという調査もあるほど、化粧品アレルギーが増加しています。香料、精油、防腐剤、界面活性剤、天然由来成分。人によってアレルギーの原因となる成分もバラバラ…

    化粧品アレルギー、「私は大丈夫」と思ってませんか?

    10%から15%の人が化粧品によるアレルギーを経験したことがあるという調査もあるほど、化粧品アレルギーが増加しています。香料、精油、防腐剤、界面活性剤、天然由来成分。人によってアレルギーの原因となる成分もバラバラ…

1 of 3