化粧品のPFASは皮膚から吸収される?

化粧品のPFASは皮膚から吸収される?

高まるPFASのリスクと心配

PFASは有機フッ素化合物と呼ばれる化学物質。少なくとも4,700種類以上あると言われています。自然環境ではほとんど分解されないため「永遠の化学物質(フォーエバーケミカル)」とも呼ばれます。

PFASなんて知らない。自分には関係ない。そう思う人もいるかもしれません。
でも実は、多くの人の身の回りにPFASを使った物は溢れています。たとえば、下のようなものにPFASが使われていることがあります。

  • テフロン加工のフライパン
  • 防水加工の服
  • テイクアウトフードの包装紙
  • 家具
  • カーペット
  • デンタルフロス
身の回りに溢れる毒性成分PFAS

化粧品にも使われるPFAS

水道水や海水、雨、地下水人間の血液からも検出されているPFAS。そのリスクは国際がん研究所でも「人に対する発がん性の可能性がある」とされています。
他にも先天性欠損症、免疫系への影響などの人体への影響を指摘するデータが増えてきています。

深刻な健康への影響を心配する声が高まる一方、いまだに化粧品ではPFASが使われていることが。
肌をなめらかに見せたり、ウォータープルーフ処方にしたり。化粧品の伸びがよくなり、耐久性・耐水性を高める効果などもあるからです。

特に下記のような化粧品に配合されることがあります。

  • 日焼け止め
  • ファンデーション
  • マニキュア
  • 口紅
  • アイシャドウ
  • シートマスク
  • 化粧水
  • 乳液

ニュージーランドでは化粧品への使用を禁止

世界中で心配の声が高まる中、ニュージーランドでは2026年から化粧品へのPFASの使用を禁止することが決定されました。化粧品へのPFAS禁止を取り組む国は、ニュージーランドが初めてだそう。

なお、アメリカのいくつかの州でも、PFASを禁止または制限する法案が提出されています。カリフォルニア州では2022年9月に化粧品に含まれるPFASすべてが禁止になりました。

EUでは網羅的な規制に向けて段階的に検討が進んでいます。

世界中で規制が進む化粧品へのPFAS使用

PFASは皮膚から吸収される可能性

様々なリスクが指摘されているPFAS。ですが、実はその危険性や毒性についてはわからないこともたくさんあります。

しかし最近になって、PFASが皮膚から吸収される可能性も発表され始めてきました。

飲食や吸入によって、口や鼻から体内に侵入することはわかっていました。しかし、蒸気や液体状のPFASが肌に触れる程度で、皮膚から吸収される可能性があるかもしれないというのです。

そんな物質を毎日、化粧品として肌に塗り続けると一体どうなるのか。考えると少し怖い気持ちになってしまいますね。

化粧品に入っているPFASの見分け方

わからないリスクを避けるため、PFASが入っていない化粧品を選びたいと考えるのは自然なこと。そんな人のために、化粧品の成分名でPFASを見分ける方法を紹介します。

アメリカのFDAは、PFASの可能性がある化粧品成分の名前を公開しています。全部で35種類。ほとんどが長く難しい名前です。
すべてを覚えるのは難しいかもしれませんが、まずは「パーフルオロ」「トリフルオロ」などが成分名に入っていないかを確認するのがいいでしょう。

  1. パーフルオロヘキシルトリエトキシシラン
  2. ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
  3. トリフルオロ酢酸テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレア
  4. トリフルオロプロピルシクロテトラシロキサン
  5. トリフルオロプロピルシクロペンタシロキサン
  6. パーフルオロノニルジメチコン
  7. パーフルオロデカリン
  8. メチルパーフルオロブチルエーテル
  9. メチルパーフルオロイソブチルエーテル
  10. ポリパーフルオロメチルイソプロピルエーテル
  11. パーフルオロヘキサン
  12. トリフルオロアセチルトリペプチド-2
  13. パーフルオロパーヒドロフェナントレン
  14. ペンタフルオロプロパン
  15. HC黄13
  16. エチルパーフルオロブチルエーテル
  17. パーフルオロジメチルシクロヘキサン
  18. アセチルトリフルオロメチルフェニルバリルグリシン
  19. トリフルオロプロピルジメチル/トリメチルシロキシケイ酸
  20. トリフルオロプロピルジメチコン/トリフルオロプロピ ルジビニルジメチコンクロスポリマー
  21. トリフルオロメチルアルキル(C1-4)ジメチコン
  22. エチルパーフルオロイソブチルエーテル
  23. パーフルオロメチルシクロペンタン
  24. フルオロ(C9-15)アルコールリン酸
  25. パーフルオロノニルジメチコン/メチコン/アモジメチコンクロスポリマー
  26. (アクリレーツ/メタクリル酸パーフルオロヘキシルエチル)コポリマー
  27. トリフルオロプロピルジメチコン
  28. ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロエチルPEGリン酸
  29. トリフルオロ酢酸ペンタペプチド-34
  30. パーフルオロジメチルエチルペンタン
  31. PEG-8トリフルオロプロピルジメチコンコポリマー
  32. メタクリル酸オクタフルオロペンチル
  33. パーフルオロアルキルリン酸
  34. ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロヒドロキシエチル
  35. ジフルオロシクロヘキシルオキシフェノール

*上記の成分リストには、日本ですでに配合禁止になっている成分も含まれます。

ちなみに、アメリカでは2022年3月の時点で578の化粧品に上のいずれかの成分が入っていました。1年後の2023年3月までには使用されているPFASの種類が31種類に減少。しかし、少なくとも1種類のPFASを含む化粧品の数に変わりはなかったとされています。

一方、残念ながら、日本ではこのような情報が公開されることはほとんどありません。そのため、安心して使える化粧品の選択は消費者に委ねられています。

長い成分名を覚えるのは大変ですが、自できる範囲でより安心して使える化粧品を選ぶようにしたいですね。

 

LINEでしか言えない情報も配信中

CONCIO AcademyのLINEアカウントでは、より安心な化粧品を選ぶために役立つ情報を発信しています。
登録はこちらから→https://lin.ee/jAkRPAs

化粧品成分のリスクをとことん研究した「CONCIO(コンシオ)」

CONCIOは日本で初めてEWG認証を取得した新基準の無添加スキンケア。

化粧品成分による肌刺激やアレルギーのリスクに着目し、2500の成分を使わない独自の安全基準を徹底。
世界基準の安心を日本の敏感肌に届けています。

https://concio.jp/

CONCIOのミニマルスキンケア

*すべての方に肌刺激やアレルギーが起こらないわけではありません。

Back to blog
RuffRuff App RuffRuff App by Tsun
  • 肌の常在菌を守って健やかな肌へ:菌バランスを乱す化粧品成分

    肌の常在菌を守って健やかな肌へ:菌バランスを乱す化粧品成分

    肌には無数の細菌や微生物が存在していて、その常在菌のいいバランスを保つことが美肌のカギ。ですが、石油系界面活性剤や合成防腐剤など、肌の常在菌バランスを乱す化粧品成分もあります。

    肌の常在菌を守って健やかな肌へ:菌バランスを乱す化粧品成分

    肌には無数の細菌や微生物が存在していて、その常在菌のいいバランスを保つことが美肌のカギ。ですが、石油系界面活性剤や合成防腐剤など、肌の常在菌バランスを乱す化粧品成分もあります。

  • 乾癬の人がスキンケアで気をつけたいこと

    乾癬の人がスキンケアで気をつけたいこと

    非常に強いかゆみをともなう乾癬は皮膚の炎症を引き起こす自己免疫疾患。世界の人口の2~3%が罹患しているとされています。 症状の緩和には、皮膚科で処方された薬に加えて正しい保湿と刺激が強い成分を避けることが大切。

    乾癬の人がスキンケアで気をつけたいこと

    非常に強いかゆみをともなう乾癬は皮膚の炎症を引き起こす自己免疫疾患。世界の人口の2~3%が罹患しているとされています。 症状の緩和には、皮膚科で処方された薬に加えて正しい保湿と刺激が強い成分を避けることが大切。

  • 化粧品アレルギー、「私は大丈夫」と思ってませんか?

    化粧品アレルギー、「私は大丈夫」と思ってませんか?

    10%から15%の人が化粧品によるアレルギーを経験したことがあるという調査もあるほど、化粧品アレルギーが増加しています。香料、精油、防腐剤、界面活性剤、天然由来成分。人によってアレルギーの原因となる成分もバラバラ…

    化粧品アレルギー、「私は大丈夫」と思ってませんか?

    10%から15%の人が化粧品によるアレルギーを経験したことがあるという調査もあるほど、化粧品アレルギーが増加しています。香料、精油、防腐剤、界面活性剤、天然由来成分。人によってアレルギーの原因となる成分もバラバラ…

1 of 3