カルボマーとは
メイクアップからスキンケア、ヘアケアまで。
カルボマーは、ほとんどの化粧品に入っているのではないかと思うほど人気の成分です。正式名称は「カルボキシビニルポリマー」。医薬部外品や薬用化粧品ではこちらの名前で記載されます。
カルボマーを配合する目的
カルボマーには優れた増粘効果があります。つまり、粘り気を出すのが得意ということ。そのため、水っぽいものをゲル状やクリーム状にする目的で化粧品に配合されます。
また、他の成分との相性も良好。その上、時間が経っても変質しにくく温度による変化も少ない成分です。そのため増粘剤以外にも、乳化剤や安定化剤として配合されることもあります。
しかし、保湿効果など美肌効果や美容効果はありません。つまり、多くの化粧品に配合されているのは主に使用感をよくすることが目的なんですね。
肌にはいいの?
カルボマーは水分と混ざると1000倍も膨張します。水を吸収し保持することで、リッチでなめらかでクリーミーな仕上がりの化粧品を作れるのです。
でも、カルボマー自体には肌の状態を改善する効果はありません。成分にとろみをつけたり分離を防ぐための成分なので、肌に直接働きかけるわけではないからです。
言い換えれば、肌に悪い影響も与えないということ。そのため、一般的にカルボマーは肌への安全性は非常に高いとされています。たとえ100%の濃度であっても、肌刺激や皮膚感作性はないという評価があるほどです。
つまり、肌をきれいにするわけではないけれど、肌に悪い成分でもないということですね。
環境への影響
肌には悪い影響がないことはわかりました。では、自然環境には優しい成分なのでしょうか?
カルボマーは生分解性が高く、環境に蓄積するなどの影響は少ないとする人もいます。
その一方、カルボマーを製造するメーカーが開示する情報では生分解性はないとされています。排水処理時に除去されるとされていますが、実際のところはわかりません。
欧州化学物質庁ではマイクロプラスチックのリストにカルボマーを記載。ヨーロッパを拠点にする環境団体では、カルボマーを液体マイクロプラスチックと定義しています。
れっきとした合成成分ですから、ちゃんとしたオーガニックコスメやナチュラルコスメには配合されないのが一般的です。
しかし、肌への安全性が高いというのは化粧品にとっては魅力的でもあります。そのため、少なくとも日本国内ではカルボマーの使用が減る流れはありません。
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