クロルフェネシンとは
クロルフェネシンは合成の防腐剤。日本だけではなく、外国製の化粧品でもよく配合されています。次のような幅広い製品で使用されます。
- ファンデーション
- アイシャドウ
- シートマスク
- ヘアケア製品
- 化粧水・乳液
- フェイスクリーム
- マスカラ
クロルフェネシンには真菌や微生物の増殖を防ぐ作用があります。他にも、色の変化の防止や、pH値の安定、成分の分離を防ぐ効果もあります。
クロルフェネシンの安全性について
敏感肌や乾燥肌の人には皮膚炎、特に湿疹を引き起こす可能性が高くなる傾向があります。特に、防腐剤にアレルギーのある人には刺激性が高いという研究結果も。
また、乳幼児の近くでの使用にも注意が必要。
授乳中の母親が乳首に塗るクロルフェネシンとフェノキシエタノールが配合されたクリームで、乳児に呼吸困難や嘔吐、下痢の症状が引き起された事例があります。このことから、小さな子供が誤って口に含む可能性がある製品では、配合の有無を確認するのがよさそうです。
肌への刺激性は?
防腐剤に対してアレルギーがある584人を対象にした刺激性パッチテストでは、ベンザルコニウムクロリドとクロルフェネシンが最も高い刺激性を示しました。
また、防腐剤アレルギーがない被験者30人においても、クロルフェネシンが0.5%濃度で8人が陽性反応を示しています。
クロルフェネシンでアレルギー反応の症例
広範な急性皮膚炎を発症した38歳の女性
この女性は、パウダーとクリームを使用後、足、前腕、手などの全身の発疹が見られました。製品に配合された各成分のパッチテストの結果、クロルフェネシンが1%濃度で配合されたワセリン溶液に陽性反応が出ました。
60歳のアトピー女性
クロルフェネシンを含むファンデーションを塗った後、数時間以内に顔に発疹。クロルフェネシンが1%濃度で配合されたワセリンにアレルギー反応が見られました。
クロルフェネシン配合の保湿クリームで顔に湿疹
33歳の女性がクロルフェネシンを含む保湿クリーム使用。1ヵ月間間、顔に湿疹が。湿疹は徐々に顔全体、首、上胸部、上腕部にも広がりました。
この女性にはアトピーの病歴はなし。パッチテストの結果、クロルフェネシンが1%濃度で配合されたワセリンに陽性反応がありました。
0.5%のクロルフェネシン配合の軟膏で発疹
次は24歳の男性。かゆみを和らげるため、0.5%のクロルフェネシン配合の軟膏を1日2回足に塗りました。29日後、足の甲に左右対称の発疹が。その後、足首から腕にまで24時間以内に広がりました。パッチテストの結果、0.5%のクロルフェネシンおよび軟膏に対して陽性反応が見られました。
保湿剤で紅斑性湿疹
クロルフェネシン配合の保湿剤を顔に塗った43歳の女性。塗布後、顔が熱くなるような不快感があり、紅斑性湿疹を発症しました。
この女性には花粉症の病歴はありましたが、医薬品や化粧品に対するアレルギー歴はありませんでした。パッチテストではクロルフェネシンに陽性を示しました。
日本での配合規制は?
日本ではクロルフェネシンを0.3%までしか配合できない規制があります。上記の事例では、0.5%以上の濃度でアレルギー反応を示しています。そのため、過度な心配は必要ないかもしれません。
でも、化粧品はほぼ毎日使うもの。長期間使い続けることによる心配もあります。特に肌が弱い人は、念のため注意しておきたいですね。
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