グリコール酸は肌にいい?

グリコール酸は肌にいい?

角質ケアのための成分

グリコール酸は古い角質や油分を溶かす物質。つまり、人の皮膚を化学的に引きはがす性質があります。

しかも、スクラブのように肌を摩擦したり刺激を与える必要はなし。塗布するだけで、皮膚の一番表面にたまった古い角質を除去することができると言われています。

ニキビやシミ、肌のトーンアップやざらつきの改善など多くのメリットがあります。

その一方で、使いすぎは逆効果。かえって肌荒れや肌トラブルの原因になることもあるんです。

この記事では、グリコール酸の特性や肌へのメリットと注意点を詳しく説明します。

グリコール酸とは

グリコール酸は果物やサトウキビなどに存在する天然の化合物。ですが、化粧品で使われるのは、ほとんどが合成由来です。

ピーリング効果を期待して化粧品に配合されるα-ヒドロキシ酸の仲間で、他のα-ヒドロキシ酸と同じくAHAやフルーツ酸とも呼ばれます。

AHAには他にも下記のような種類があります。

  • クエン酸:柑橘類に含まれる
  • リンゴ酸:リンゴに含まれる
  • 乳酸:牛乳に含まれる

これらのAHAのうちグリコール酸は最も分子構造が小さいため、より深く肌に浸透することができるとされています。

古い角質を取り除くピーリング効果が期待されるグリコール酸

グリコール酸のはたらき

グリコール酸を化粧品に配合することで、下記のような効果が主に期待されます。

角質除去

最初に書いたとおり、グリコール酸は皮膚細胞の一番外側の層と皮膚の油分を取り除きます。スクラブや摩擦は必要なく、塗布するだけで角質除去効果を得られます。

保湿

グリコール酸には、グリコサミノグリカンという分子を増やす可能性があるとされています。グリコサミノグリカンは肌の水分を引き寄せるため、保湿効果が期待されます。

アンチエイジング

ある研究では、肌のコラーゲンやヒアルロン酸を増やす可能性が示されています。また、肌の修復と再生を助けたり、肌の弾力性をサポートするという記載も。
シワやたるみが気になる肌に効果があるかもしれません。

グリコール酸はニキビにも効果ある?

ニキビがある女性80人を対象にした1999年の研究があります。

対象者に70%のグリコール酸を含むピーリングを実施。その結果、あらゆるタイプのニキビが改善されたと報告されています。
特に皮脂や古い角質による毛穴詰まりが原因のニキビへの効果が高かったようです。

ただし濃度70%というのは、かなりの高濃度。
市販の化粧品にこれほどの高濃度で配合されることはありません。皮膚科医などによるケミカルピーリングでの処置になりますね。

紫外線ダメージにもアプローチ

人の肌は紫外線にさらされるとダメージを受けます。その影響で、シミやシワができやすくなることも知られた話ですね。

2020年の研究では、グリコール酸が日焼けによる肌のダメージに効果的であるとしています。また、2018年の論文でも紫外線UVBに対して保護効果があり、紫外線による老化を防いでくれる可能性を示唆しています。

グリコール酸のリスク

化粧品成分の安全性を評価するアメリカのEWGによると、グリコール酸には中程度のリスクがあります。

その理由は、肌への刺激が強いことと、使用制限を設ける国が多いこと。
たしかに、グリコール酸を含むAHAには、下記のような共通のリスクがあります。

紫外線ダメージ

先ほどは紫外線によるダメージを防ぐと書きました。それなのに矛盾するようですが、グリコール酸を使用した直後はダメージを受けやすい肌になっています。

グリコール酸を使用することで紫外線ダメージを受けやすくなる可能性が

というのも、グリコール酸によって肌の表面は削られています。そのため、むき出しになった皮膚の下の層が紫外線の影響を受けやすくなっているのです。

つまり、シミや炎症を引き起こしてしまうかもしれないということ。

そのため、グリコール酸を使用中そして使用をやめてから1週間程度は、しっかりと紫外線対策を。毎日日焼け止めを塗るようにしてください。

また、肌が乾燥を感じやすくなる場合もあります。正しい保湿も心がけましょう。

肌への刺激

特に敏感肌や乾燥肌・皮膚が薄い人は、グリコール酸の刺激を感じやすい可能性があります。

  • 赤みや炎症
  • かゆみ
  • 腫れ
  • ほてり

このような症状が刺激を感じているサインです。
肌が熱くなったり痒くなるなどの症状は好転反応ではありません。すぐに使用をやめるか、使用頻度を少なくするのがおすすめです。

 

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