化粧品のポリアクリレート-13とは

化粧品のポリアクリレート-13とは

肌のハリを作る合成ポリマー

スキンケアの後、肌にハリが出たように感じたことはありますか?

この記事で解説するポリアクリレート-13は肌にハリを与える成分。とはいっても、肌そのものを元気にするわけではありません。肌表面に人工的なフィルムを作り、それで肌がピンと張ったように感じるのです。

このポリアクリレート-13がどんな成分なのか。化粧品成分としての機能や安全性について詳しく見てみましょう。

合成ポリマーについて:化粧品に配合される合成ポリマーは安全か

ポリアクリレート-13とは

ポリアクリレート-13は下記のような物質で作られている合成ポリマーです。

  • アクリル酸
  • アクリルアミド
  • アクリル酸ナトリウム
  • アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム

当初、これらのポリマーは工業素材として使う方法が模索されていました。耐久性があり使いやすかったからです。

でもそのうち、柔らかく通気性のある人工フィルムを皮膚の上で作れることが判明。肌にハリが出たように感じてもらえることから、多くの化粧品で使われるようになりました。

今ではファンデーションや下地、保湿クリーム、アイクリーム、フェイスパックやアンチエイジングケア製品など幅広いアイテムに配合されています。

ポリアクリレート-13は皮膜形成効果を期待して多くの化粧品に配合されています

ポリアクリレート-13の機能性

ポリアクリレート-13が化粧品で多用される理由は、最初に書いた皮膜(フィルム)形成性。つまり、肌に塗るとしっかりとまとまりのある膜が作られるんですね。

たるみやシワ・凹凸がある肌の上を皮膜が覆い隠すことで、肌がなめらかな表面になるというわけです。

それに加えて、人工フィルムによって下記のような効果も期待されているそうです。

美容効果アップ?

人工フィルムが化粧品に含まれる他の有効成分が洗い流されにくくします。摩擦でこすり落とされることも防ぐため、有効成分が肌に密着する時間をより長くキープ。有効成分による効果を感じやすくなるかもしれません。

テクスチャをよくする

化粧品を塗る時に均一に塗りやすくなります。また、皮膚や髪に触れた時のリッチな感触を作ることもできます。

バリア保護

ポリアクリレート-13のフィルムが、外気中の汚染物質や外からの刺激から守るバリアに。肌に本来備わっているバリア機能を助けてくれるとか。花粉などで肌が荒れやすい人には嬉しい機能かもしれません。

ポリアクリレート-13は安全?

ポリアクリレート-13は、一般的に安全な成分とされています。ただ、成分の安全性を専門家チームで審査するアメリカのEWGでは安全性評価に幅があります

おそらく、その理由は成分の由来。

先ほど、ポリアクリレート-13はアクリル酸や「アクリルアミド」から作られていると書きました。実は、この「アクリルアミド」が発がん性物質なんです。

関連記事:ポリアクリルアミドは発がん性リスクがある化粧品成分

ポリアクリレート-13には発がん性物質であるアクリルアミドが含まれる可能性があります

タバコよりも有害なアクリルアミドが含まれる?

アクリルアミドはタバコにも含まれる発がん性物質

米国国家毒性プログラムはアクリルアミドの発がん性を示唆しています。

他にも、2007年のオランダの疫学調査結果ではアクリルアミドの摂取量が多いと発がんリスクが増加することが示されました。
また、国際がん研究機関でもアクリルアミドは「ヒトに対しておそらく発がん性がある物質(グループ2A)」に分類されています。

これだけ多くの国際的な機関で発がん性が疑われている。そんなアクリルアミドを使ってポリアクリレート-13は作られているんですね

「化粧品を使うぐらいなら問題ない」

そう思う人もいるかもしれません。

しかし、化粧品の中のアクリルアミドは早い速度で皮膚から吸収されることも示唆されています。しかも、ポリアクリレート-13のようなアクリルアミドを含む化粧品を毎日使うほうが、タバコ1箱分のアクリルアミド摂取量を上回る可能性も指摘されています。

それでも化粧品なら大丈夫と言い切れるでしょうか?

まとめ

肌にハリを与える成分といっても、洗い流してしまえばその効果はおしまい。肌そのものを元気にする効果があるわけではないからです。

一時的にハリがあるように思える効果のためにリスクを取るか。あるいはあえて必要がない成分だから安心のために避けるか。

考え方は人それぞれです。でも、毎日使うことによる見えない効果やリスクを考えて、できるだけ安心して使える化粧品を選ぶのもいいかもしれませんね。

 

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