ファンデーションで使われる成分
トリメチルシロキシケイ酸はシリコーン系ポリマー。スキンケアやメイクアップコスメで広く使用されています。
シリコーンオイルと呼ばれる成分の一つで、主な効果は肌表面に人工的な膜を作ること。皮膜形成や持続性のあるバリア効果が期待されます。
特にファンデーションや日焼け止め、化粧下地やメイクキープ製品などによく使用されている成分です。
参考記事:シリコンフリーのスキンケアを選ぶべき理由
トリメチルシロキシケイ酸の由来と歴史
トリメチルシロキシケイ酸はシリコーン樹脂とトリメチルシロキサンという物質から合成されます。
最初は医療用や工業用で使われていたシリコーン系ポリマー。化粧品に使われ始めたのは1940年代で、トリメチルシロキシケイ酸もこの頃から1950年代にかけて広く使われるようになったそうです。
それ以来、皮膚保護やなめらかな使用感を与える成分として化粧品業界で長年使用されてきました。
トリメチルシロキシケイ酸の化粧品での効果
トリメチルシロキシケイ酸の最大の特徴は、なんといっても「皮膜形成効果」。
言いかえると、肌表面に人工的な薄いラップのような膜を作る働きです。「フィルム形成効果」とも言われます。
肌表面にフィルム?と思う人もいるかもしれません。でも実は、とても多くのファンデーションなどで採用されている機能です。例えば、下記のような効果が期待されます。
1. メイク持ちがよくなる
トリメチルシロキシケイ酸を配合することで、メイクが長時間崩れにくくなります。
2. ウォータープルーフ効果
水や汗に強い特性があるため、ビーチや運動時のメイク崩れを防ぎます。
3. 肌のバリア機能をサポート
防水性の皮膜が肌をコーティング。そして、外部からの刺激(汚染物質、花粉、紫外線など)から肌を守ってくれます。
人工的なフィルムを作る以外の効果
他にもトリメチルシロキシケイ酸を配合することで、こんな効果が期待されます。
サラッとした仕上がり
シリコーンオイルの中でもトリメチルシロキシケイ酸は揮発性が高いシリコーン。揮発性が高いというのは蒸発しやすいということ。それにより、いつまでも肌にベタベタと残らない軽い使用感でメイクなどがサラッと仕上がります。
ファンデが割れない
トリメチルシロキシケイ酸が作る皮膜は柔らかいのが特徴。表情の動きに合わせてしなやかに密着するので、「笑ったときにファンデーションが割れる」ということが起こりにくくなります。
また、シワで寄れたり崩れるのも防ぎます。
トリメチルシロキシケイ酸が毛穴詰まりの原因に?
一般的にトリメチルシロキシケイ酸は安全な成分とされています。
しかし、肌表面にフィルムを作る力が強いため、以下のような懸念もあります。
皮脂が詰まる
トリメチルシロキシケイ酸が作る皮膜は汗や水を弾きます。防水性が高く肌にピッタリと密着するのですが、そのときに皮脂や汗が閉じ込められてしまいます。
その結果、皮脂が毛穴に詰まる可能性が高くなる可能性があります。
ニキビ・吹き出物
特に油分が多いクリームやファンデーションに配合された場合、皮脂や余分な油が長時間毛穴に密着。それがニキビや吹き出物の原因になることがあります。
シリコーンオイルそのものは一般的に「ノンコメドジェニック」(毛穴を詰まらせにくい)とされています。
ですが、怖いのは洗い残し。
メイクを落としたつもりでも肌に残りがちあだからです。特に脂性肌や敏感肌の人は肌荒れの原因になりかねないので、注意が必要かもしれません。
参考記事:毛穴が気になる人は必読!肌タイプ別のおすすめオイル
クレンジングが超大事
汗や水でも崩れないメイクを実現するぐらい、トリメチルシロキシケイ酸は強力に肌に密着します。しかも水に溶けにくい性質。
つまり、クレンジングを正しくしないと肌に残り続けてしまう可能性大。余計な汚れや油分が一緒に肌に密着し続けることになるため、肌トラブルにつながってしまいます。
特にウォータープルーフの化粧品は要注意。
オイルクレンジングやクレンジングバームなど、シリコーンをしっかりと落とすタイプのクレンジング剤を丁寧になじませてメイクを落としましょう。
また、念入りなクレンジングで肌が乾燥しがちになるため、落とした後は保湿ケアを忘れずに。
参考記事:クレンジング、正しく選べていますか?
トリメチルシロキシケイ酸が入っている化粧品を使うときは
トリメチルシロキシケイ酸を使うことで、崩れないメイクやウォータープルーフ機能などたくさんのメリットがあります。
また、シリコーンは肌刺激がほとんどない成分。敏感肌の人でも安心して使えるため、多くの化粧品で使われています。
でも、その代償に強力な皮膜形成で毛穴詰まりを引き起こすリスクも伴います。また、使用後に毛穴が詰まらないようにと過度なクレンジングをしてしまうと、かえって乾燥肌を招く原因にもなりかねません。
トリメチルシロキシケイ酸をはじめとするシリコーン系成分がもたらすメリットとデメリットを理解し、自分の肌に合わせたスキンケアを心がけたいですね。
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