トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルの化粧品での効果

トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルの化粧品での効果

ココナッツオイルが由来の成分

トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル。

カタカナが並ぶ長い名前の化粧品成分。これを見るだけではどんな成分かわからず、不安になる人もいるかもしれませんね。でも実は、由来がココナッツオイルの油性成分。グリセリンと組み合わせることで作られています。

化粧品では50年以上前から使われている実績がある成分だそう。
でも、どんな目的でどんな化粧品に入っているのでしょうか?詳しくみてみましょう。

トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルとは

透明の液体で、ほんのり甘い風味があります。

ただ、ココナッツが由来の成分とはいえ、自然界に存在するものではありません。ココナッツオイルから油状の液体を分離させ、不純物を取り除き、特定の脂肪酸を抽出加工した化合物です。化学的な加工を加えることで、自然のままで存在する時よりも純度の高い成分にしているんですね。

トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルはココナッツオイルが由来の合成油

トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルの化粧品での役割

トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルには脂肪がたくさん含まれています。それにより、肌をなめらかにしたりテクスチャをよくしたりとさまざまな効果が期待されています。

肌をやわらかくする

肌の中に水分を閉じ込めるエモリエント成分として配合されることがあります。水分が逃げないように肌表面に保護膜を形成し、肌を柔らかくしてくれます。

他の成分を分散させる

化粧品を作る際、着色に使われる顔料や香料と他の成分を混ぜたときに、固まったり沈殿することがあります。
それを防ぐために分散剤という成分が配合されることがあるのですが、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルもその一つ。ワックス状で濃厚なテクスチャが分散剤として優れた働きをします。

他の成分を溶かす

固まりやすい化合物を溶かす性質があるため、他の成分を溶かしたり分解する溶剤として化粧品に配合されることもあります。
溶剤には種類がたくさんありますが、中には刺激が強かったり毒性が強いものも。でも、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルはそういったリスクが低いとされています。

酸化を防止する

抗酸化物質を豊富に含むため、酸化防止剤としても使われます。酸化による肌ダメージを防ぎ、落ち着いた肌を保つ効果がある可能性があります。

どんな化粧品に入ってる?

上述したような機能に加え、軽くてベタつかない使用感も人気の秘密。以下のような幅広い化粧品で配合されています。

トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルはスキンケア製品からメイクアップまでさまざまな化粧品で配合されています

また、顔料を均一に分散させるため、メイクアップ製品に使用されることも多いです。

  • 口紅
  • リップクリーム
  • リップライナー
  • クリームファンデーション、リキッドファンデーション
  • アイライナー

トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルは安全?

化粧品成分の安全評価をするアメリカのEWGでは安全性は高いと評価されています。肌への影響があったとしても非常にまれか、大きなリスクは伴わないと考えられています。

また、食品添加物としても少量であれば一般的に安全とFDAが認めています。つまり、口紅やリップクリームに配合されていても微量なら口に入っても問題がないということですね。

ただし、ココナッツやココナッツオイルに重度のアレルギーがある人は要注意。念のため使用を控えるのが安心です。

 

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