スキンケアでよく見かける「ヒマシ油」
化粧品にはたくさんの種類の植物油が使われています。例えば、オリーブ油、コメヌカ油、アーモンドオイル、ローズヒップ油など。食用でもなじみがある油が多いですよね。
でも、スキンケアでよく見かける「ヒマシ油」は知らないという人も多いのでは?
ヒマシ油も植物油の一種。化粧品ではとてもよく配合されている油性成分です。今あなたが使っている化粧品にも、下のような成分が入っているかもしれません。
- PEG-20ヒマシ油
- PEG-25水添ヒマシ油
- トリイソステアリン酸PEG-50水添ヒマシ油
この記事ではヒマシ油が何なのか、そして肌への効果と気になるデメリットについて解説します。
医療でも使われるヒマシ油
ヒマシ油はアフリカやアジアの熱帯地方に自生するトウゴマの種子から採れます。古代エジプト人はランプを灯すオイルとして使っていたとか。また、体を浄化するために飲んでいたという記録もあるそうです。
これはヒマシ油の小腸を活性化による便秘解消効果でしょう。現代でも消化器系の治療や下剤として医療分野で使われることもあります。
ヒマシ油が化粧品に使われる理由
ヒマシ油は他の植物油に比べて安価。そのため、医療のほか工業分野など幅広い用途で使用されています。
しかし化粧品では、抗炎症・抗菌・保湿などの作用を期待して使用されることがほとんど。例えば、ニキビや肌の炎症を緩和する目的でニキビケア製品に配合されることもあります。
医療でも使われるほどですから、一般的には人体への安全性は高いとされています。しかし同時に、副作用の報告も散見されています。
ヒマシ油は肌にいい?
ヒマシ油にはリシノール酸という脂肪酸が多く含まれています。リシノール酸はリシノレイン酸とも呼ばれます。化粧品にヒマシ油を配合する目的は、主にこのリシノール酸による抗炎症効果です。
例えば、次のような効果を期待して製品に配合されます。
ニキビの改善
ヒマシ油の抗菌作用と抗炎症作用でニキビや吹き出物を改善。ニキビの原因となる菌の増殖をリシノール酸が抑制するとされています。また、ヒマシ油のコメドジェニック指数は低いので、毛穴詰まりの心配もありません。
肌をなめらかにする
リシノール酸以外にも含まれる豊富な脂肪酸により、肌がなめらかになるとされています。
肌の色斑を改善
ヒマシ油に含まれる脂肪酸には、健康な皮膚組織の産生を促す作用があるそう。それにより、肌の色むらを改善するのに役立つとされています。
保湿
肌の水分をキープする脂肪酸が多く含まれている上、空気中の水分を取り込むことでうるおいを保つのだとか。
本当に効果があるのか
上記のとおり、ヒマシ油には肌によさそうな効果がたくさんありそうです。
しかし実は、こららの効果を裏付ける関する根拠やデータは十分ではなく、確実に立証されているものが少ないのです。
効果を示す研究のほとんどは、ヒマシ油を使った治療がうまくいった特定の事例に関するもの。つまり、十分な数の正確なデータに基づくものではありません。
化粧品ではこういった過去の実績や使用例に基づいて効果がうたわれ、配合されているケースもあることを知っておきましょう。
ヒマシ油を塗るリスク
魅力的な美容効果が並べられる一方、ヒマシ油を肌に塗るリスクもあります。主なリスクは次のようなアレルギー反応。
- 皮膚の発疹
- 腫れ
- かゆみ
International Journal of Toxicologyの評価では、ヒマシ油は安全と考えられています。しかし、動物実験では露出した皮膚に強い刺激を与える可能性が示されています。また、刺激が軽度の場合でもかゆみを感じたり皮膚が赤くなることも。
特に、ヒマシ油が配合されたリップクリームでは唇が腫れたという報告が散見されています。もし、ヒマシ油に対してアレルギーがあれば、じんましんや発疹が出る可能性もあります。
皮膚吸収のリスクも
ヒマシ油は肌への浸透を高めます。そのため、化粧品に配合された他の成分の吸収を早める可能性があります。
化粧品には安全な成分ばかりが配合されているとは限りません。
例えば、ヒマシ油と組み合わされることが多いPEG。製造時に発がん性物質が使われるため、肌には低刺激でも人体への影響はゼロとは限りません。また、PEG自体も皮膚浸透力を高める働きがあるため、他にどんな成分が配合されているか注意が必要かもしれません。
通常なら経皮吸収されることがない心配無用な成分でも、ヒマシ油などの浸透を高める成分によって思わぬ副作用を経験する可能性もあるのです。特に、化学物質に敏感な人やアレルギーがある人は、化粧品の成分表示をよく読み、リスク成分による影響をできる限り避けるのがいいでしょう。
おわりに
多くの化粧品で配合されているヒマシ油。科学的には美容効果が立証されていないとはいえ、肌にいい効果がある可能性ももちろんあります。しかし、それを実証するにはより広範囲で高度な研究結果が必要なことがわかりました。
「わからないことはリスク」
「今まで大丈夫だから問題ない」
人によって考え方や価値観はさまざまです。でももし、どんなスキンケアを試しても肌トラブルが治らない場合などには、こうした「わからないリスク」を経験している可能性もあるということを知っておいてくださいね。
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