化粧品やヘアケア製品のセテアリルアルコール
スキンケアやヘアケアの全成分にセテアリルアルコールと書かれていることがあります。
名前に「アルコール」と入っているので、刺激が強いと言われるエタノールと同じ?と思う人もいるかもしれませんね。
でも実際は、セテアリルアルコールはエタノールとは異なる物質。乾燥や刺激の原因になることが少ない安全な化粧品成分とされています。
この記事では、セテアリルアルコールが化粧品に使われる理由を丁寧に解説します。
エタノールについて:敏感肌はエタノールを避けるべき?
セテアリルアルコールって何?
セテアリルアルコールは脂肪族アルコールの一種です。形状はワックス上の白い固形。セチルアルコールとステアリルアルコールという物質を混ぜて作られます。
パームなどの植物や動物に含まれる天然由来のものと、人工的に合成されたものもあります。
油やアルコールには溶けますが、水には溶けません。
セテアリルアルコールの働き
セチルアルコールには、油と水が混ざった物質を安定させる力があります。
つまり、油分と液体を混ぜたクリームが分離するのを防いでくれるということ。化粧品では「乳化剤」と呼ばれるんですが、セテアリルアルコールは乳化剤の一つというわけですね。
また、製品にとろみをつけたり、泡立ちをよくする効果もあります。
それに加えて、水分を肌表面に閉じ込める効果も期待できます。いわゆる「エモリエント効果」という保湿効果です。肌や髪の潤いを逃さず、柔らかくしてくれます。
こんな化粧品に入ってる
さまざまな性質や機能があるセテアリルアルコールは、下記のような幅広い化粧品に配合されています。
- 化粧水や乳液
- 保湿クリーム
- 日焼け止め
- シャンプーやコンディショナー
- 除毛クリーム
- ヘアスタイリング剤
- 縮毛矯正クリーム
- 白髪染め
- マスカラ
化粧品がよりなめらかに、リッチに、泡立ちがよくなるように配合されています。
セテアリルアルコールの安全性
「化粧品のアルコールは刺激が強いから避けるべき」と聞いたことがあるかもしれません。
しかし、セテアリルアルコールはエタノールや消毒用アルコールとは全く違う性質のアルコール。乾燥を引き起こす速乾性はなく、それに伴う刺激性もないとされています。
アメリカのCIRは化粧品成分の安全性を評価する世界的な機関です。そのCIRによる1988年のセテアリルアルコールの評価は「安全」。その後、2005年に実施された再評価でも安全と評価されました。
また、同じくアメリカのEWGでも安全性が高いとされています。
少し古い1997年の研究でも、乳化剤によるアレルギー性皮膚炎発症のリスクは低いとされています。ですが、この研究の中には5件の発症事例がありました。
ただ、よく読むとこの5人は全員、過去に別の成分にアレルギーを起こしたことがあるとのこと。つまり、前に化粧品にかぶれたことがある人は、セテアリルアルコールに肌が反応してしまう可能性があるかもしれないということ。
かぶれやすい人は少し注意が必要かもしれませんね。
「アルコール不使用」の化粧品とは
化粧品に使われる脂肪族アルコールはセテアリルアルコール以外にもたくさんあります。
- セチルアルコール(セタノール)
- ラノリンアルコール
- オレイルアルコール
- ステアリルアルコール
名前に「アルコール」と書かれていますが、これらはすべてエタノールとは異なる脂肪族アルコール。そのため「アルコールフリー」や「アルコール不使用」と書かれた化粧品にも配合されています。
つまり、「アルコール不使用」にはエタノールだけが入っていないということですね。
ところで、一般的に安全とされる脂肪族アルコールですが、中にはちょっと気になる種類もあります。
セチルアルコール
日本の旧表示指定成分の一つ。つまり、かつて全成分の記載が不要だった時代にも、肌刺激やアレルギーのリスクへの配慮から記載を義務付けられていた成分。全成分ではセタノールと記載されます。
ラノリンアルコール
アメリカの接触性皮膚炎学会がアレルギー物質を選出する「アレルギー大賞」。2023年のアレルギー大賞に選出されたラノリンが使われた脂肪族アルコールです。
成分の特徴を少し知ると、自分の肌に合わせて化粧品を選べるようになりそうですね。
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*すべての方に肌刺激やアレルギーが起こらないわけではありません。