ポリアクリルアミドに隠されたリスク
ポリアクリルアミドは、化粧水や乳液、クリームなどの安定剤や増粘剤として配合されます。アクリルアミドという物質が繰り返し結合した成分です。
ところが、このアクリルアミドには発がん性の心配が。また、発がん性以外にも乳腺腫瘍との関連も指摘されています。
さまざまな懸念から、EUでは化粧品に残留するアクリルアミドの量に厳しい制限を設けています。
しかし、日本では何も制限はありません。
ポリアクリルアミドとは?
そんな怖いアクリルアミドで作られたポリアクリルアミド。実は、当たり前のように化粧品に使われています。
化粧品の安定性や成分同士を結合する目的で配合されたり、泡立ちをよくしたり。静電気を防ぐ性質もあるので、ヘアケア製品に使われることもあります。
しかし、ポリアクリルアミドにはアクリルアミドが少し含まれています。
それなのに、増粘剤や潤滑剤として化粧品での使用量が1989年から2002年の間に倍増。その後も増加しています。
また、化粧品以外でも、合成染料やコンタクトレンズなどにポリアクリルアミドは使用されています。
ポリアクリルアミドによる健康へのリスク
最初に書いたとおり、発がん性が疑われているアクリルアミド。それが繰り返し結合した分子からできているのが、ポリアクリルアミドです。
わずかであっても、最終的な製品の中に残る可能性があります。そして、そうした微量のアクリルアミドによる健康への影響が心配されています。
タバコよりも有害?
アクリルアミドはタバコにも含まれる発がん性物質です。
しかし、化粧品を使うことでアクリルアミドに接触する1日の量は、タバコを1日1箱吸った場合の量を上回る可能性があるといいます。
タバコを1箱を吸った場合の暴露量は体重1kgあたり0.67μg。それに対し、化粧品の使用では0.95μgだそう。
また、アクリルアミドは食品や焦げた食べ物にも存在します。しかし、化粧品に残っているアクリルアミドの量はそうした食品に含まれる濃度も上回るという調査があります。
皮膚から吸収されるアクリルアミド
化粧品の中のアクリルアミドは、早い速度で皮膚から吸収されることも示唆されています。
アクリルアミドへの暴露量の1日の基準は、体重1kgあたり0.83-1.7μg/kg。
ですが先述のとおり、化粧品の使用では0.95μgにもおよびます。
ポリアクリルアミドが配合された化粧品を複数使っていたら。
安全とされる基準値を超えてしまう可能性があることになります。
がんとの関連性も
米国国家毒性プログラムは、アクリルアミドが発がん性物質である可能性を指定しています。動物実験では、甲状腺、精巣、乳腺、子宮、下垂体、口腔のがんに関連していることが示されました。
人間を対象とした研究では、職場でアクリルアミドに暴露された男性の膵臓がんとの関連が認められています。
神経毒性のリスクも
米国国家毒性プログラムは、出生前にアクリルアミドに暴露されることで子供の行動に影響を及ぼす可能性を指摘。アクリルアミドの神経毒性を示唆しています。
また、胎児の体重減少などのリスクを示す調査もあります。
アクリルアミド残留の可能性がある成分
次のような成分にはアクリルアミド残留の可能性があります。
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