PEGの皮膚浸透性と副作用:敏感肌にもやさしい安全な化粧品の選び方

PEGの皮膚浸透性と副作用:敏感肌にもやさしい安全な化粧品の選び方

PEG(ポリエチレングリコール)は、とっても多くの化粧品に使われている成分のひとつ。
保湿剤、乳化剤剤、増粘剤などの役割を担う便利な成分です。

ぜひお手元の化粧品に入っていないかチェックしてみてほしいのですが…

入っている!という場合、「PEG」の後ろに数字が書かれていると思います。
どんな数字が書かれていますか?

この数字はPEGの分子量を表しています。
わかりやすく言えば、数字(分子量)が小さいほどPEGのサイズが小さく、皮膚への浸透性が高くなるということです。

肌に浸透すると聞くと「肌がキレイになりそう!」と思う人もいるかもしれません。
ですが実際は、敏感肌の場合、浸透性が高いことが刺激やしみる原因になることがあるのです。

PEGの皮膚浸透性

冒頭で書いた通り、PEGは後ろの数字(分子量)によって特性が異なります。

PEGの後ろの数字が小さいと浸透性が高い

数字が小さいPEGは分子量が小さいことを示します。
つまり、皮膚のバリアを通過しやすいということ。そのため、他の成分を肌のより深くまで届ける目的で配合されることもあります。

PEGの後ろの数字が大きいと浸透性が低く保湿力が高い

一方、数字が大きいPEGは分子量が大きいということ。

皮膚細胞よりもサイズが大きいため、深く浸透することはありません。
だから、肌の表面にとどまって皮膚の乾燥を防ぎ、保湿効果を持続させる役割があるというわけです。

弱った肌はPEGの大きさに気をつけて

ただ、肌への浸透性は数字の大きさだけで決まるわけではありません。

実は、肌の状態によっても異なります。

注意したいのは、敏感肌やアトピー性皮膚炎の人、炎症を起こしている肌や小さな子供の肌。
つまり、肌が敏感だったりバリア機能が弱まっている場合には、少し気をつけたほうがいいということです。

なぜなら、健康な肌では浸透しにくい成分であっても、弱くなった肌では壊れた皮膚バリアを潜り抜けてしまうから。
PEGのサイズに関わらず、刺激を感じやすい可能性があるのです。

PEGには他の成分を肌のより深くまで運ぶ役割があります。
ただ、そうして運ばれるのは、肌に嬉しい成分だけではありません。

防腐剤香料など、肌への刺激が強い成分やアレルゲンも同じように、肌のより深くまで運ばれてしまうのです。

PEGのサイズの見分け方

では、PEGの大きさはどこで見分ければいいのでしょうか?

化粧品に配合されたPEGのサイズの見分け方

これは意外と簡単。全成分に記載されたPEGの後ろの数字を確認しましょう。

数字が小さいほどPEGも小さく(低分子)で浸透性が高くなります。逆に、数字が大きくなるほどサイズも大きく(高分子)なり、皮膚に浸透しにくくなります。

<例>

・PEG-6、PEG-8、PEG-12など

これらは非常に小さいPEG。浸透性が高いため、美容成分を肌奥深くまで届ける目的で化粧水や美容液、シートマスクなどによく使用されます。
肌刺激の原因になる可能性があるため、敏感肌の人は注意が必要です。

・PEG-600、PEG-1000、PEG-6000など

これらは大きなPEGです。皮膚表面にとどまるので、保湿効果を目的として保湿クリームや入浴剤などで使われます。皮膚表面にバリアを形成し水分の蒸発を防ぎます。
浸透しにくいため、肌への刺激は少ない傾向があります。

一般的に、分子量が300〜400以下のPEGは皮膚に浸透しやすいと言われています。
つまり、肌に刺激を感じやすい人は、PEGの後の数字が400より大きくないかを要確認!ということですね。

PEGの副作用

PEGは一般的には肌に優しく安全な成分とされています。そのため、敏感肌用や子供用の化粧品に配合されることも珍しくありません。

PEGのサイズに気をつければ、肌刺激のリスクは避けられるかもしれません。でも実は、PEGにはそれ以外にも知っておきたいリスクがあります。

詳しくは下記の記事に書いていますので、ご興味があれば読んでみてくださいね。

関連記事①:ポリエチレングリコール(PEG):化粧品で避けたほうがいい理由
関連記事②:PEG-60水添ヒマシ油の安全性:使用時の注意点と不純物リスク

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