PG(プロピレングリコール)とは
PG(プロピレングリコール)は化粧品成分として使用される合成アルコール。やや粘り気がある無色透明の液体です。
保湿剤や他の成分を溶かす溶剤として使われます。また、水性成分と油性成分を混ぜる乳化剤としての機能も。その他にもさまざまな効果が期待できるため、スキンケア製品をはじめ多くの化粧品で配合されています。
PGが化粧品に配合されるメリット
PGは化粧水や乳液などのスキンケア、石鹸、シャンプーなどのヘアケア製品、デオドラント製品など多くの化粧品で使われています。配合される主な理由は下記のとおり。
防腐効果がある
PGには微生物の繁殖を抑える抗菌作用があります。そのため、スキンケア製品の保存期間を延ばすことができます。
保湿効果がある
水との親和性が高いのがPGの特徴。水分を引き込み、その状態をキープすることで、しなやかでうるおいのある肌になります。PGが化粧品に保湿剤として使われるのはこのためです。
浸透力がアップ
他の成分や有効成分が肌に浸透しやすくなるのも、PGを配合することによって期待できる効果。お気に入りの美容液などによる肌の変化は、もしかすると一緒に配合されたPGによる効果かもしれません。
さまざまなものに使われているPG
PGは化粧品以外にも、次のようなものに添加物として使用されることがあります。
- 食品の防かび剤
- 化学工場や冷凍倉庫などの冷却設備用不凍液
- 化学工場・産業機械などの冷熱媒体や油圧作動油
- 可塑剤
これらと同じ物質が、毎日使うスキンケア製品に入っているとなると心配になる人も多いかもしれません。
しかし、PGには発がん性や内分泌かく乱作用、生殖毒性などのリスクはないとされています。安全性が高いからこそ、多くの製品で使われていると言えます。
PGは肌にやさしい?
安全性は高いとされる一方で、PGは人によってはアレルギー性接触皮膚炎の原因となることが指摘されています。肌への浸透力が高まると上述しましたが、その浸透力の高さが、かえって肌刺激になる可能性があるのです。
特に次のような人において、PGは接触性アレルギー皮膚炎を起こしやすいと言われています。
- すでに湿疹やアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がある人
- アレルギーの既往歴がある人
- 敏感肌の人
アメリカのEnvironmental Working Groupでは、2%の低濃度であっても肌刺激や接触性皮膚炎の原因となる可能性を示唆。また、2018年には、アメリカの接触皮膚炎協会によるアレルゲン・オブ・ザ・イヤー(その年のアレルゲン大賞)に選出されています。
矛盾するリスク評価
長年、アレルギー性や皮膚感作性について指摘されているPG。ですが、実はいまだにその評価については議論が続いています。
例えば、45,138人のパッチテストデータを分析した2005年の報告。そこでは、次のような結果が発表されています。*PG20%濃度の水溶液を使ったパッチテスト
- 1,044人(2.3%)に陽性反応
- 1,083人(2.4%)に陽性と疑わしい反応または紅斑性反応
- 271人(0.6%)に明らかな刺激反応
この陽性反応の数を多いとするか、少ないとするかで意見が分かれます。
また、2023年の報告によると、PGは皮膚感作性とアレルギーを引き起こす可能性において矛盾する評価があることが指摘されています。つまり、弱いアレルゲンとなる臨床データがある一方、皮膚感作性が認められない試験データもあるのです。
使用歴が長く、多くのデータが揃っているにもかかわらず、評価が分かれています。そのため、確実な評価が出るのはまだ先のことかもしれません。
念のための予防策として、より肌にやさしい選択をしておくのもいいかもしれませんね。
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*すべての方に肌刺激やアレルギーが起こらないわけではありません。