更年期に起こるホルモンの変化
更年期には、エストロゲンのレベルが減少します。エストロゲンが減ることでコラーゲンの生成も減少。顔や肌のふっくら感がなくなり、たるみやしわの原因となります。
女性は更年期の最初の5年間で、コラーゲンの約30%を失うと示した研究も。そのため、正しいスキンケアで更年期特有の肌悩みに対処する必要があります。
また、エストロゲンには紫外線から肌を守る働きもあります。つまり、エストロゲンが減少する更年期以降は、紫外線の影響を受けやすくなることも知っておきましょう。
更年期障害とは?
更年期は、閉経から1年後に始まるとされています。閉経は、体内のエストロゲン、プロゲステロン、テストステロンという3つのホルモンの産生が自然に長期的に減少することによって起こります。
閉経を迎える女性が経験する、以下のようなさまざまな症状を更年期障害と呼びます。
- 抑うつ
- 気分の落ち込み
- 物忘れ
- 抜け毛
- ほてり
- 寝汗
- 睡眠障害
- 疲労
- 性欲減退
- 性交痛
- 関節痛
- 膣の乾燥
- 体重増加
更年期に肌に現れる症状
ホルモンが減少することにより、肌の乾燥やたるみが気になり始める人もいます。また、肌が薄くなったり、顔の産毛が増えたと感じる人も。
下記で、具体的な症状とその対策を紹介します。
日焼けによるシミ
顔、手、首、腕、胸などにできたシミやくすみ。日焼け止めをつけずに過ごす時間が長かった人には、特に現れます。
屋外に出る時にはSPF30程度の日焼け止めを塗るか、衣服などで肌をカバーするようにしましょう。今あるシミが濃くなったり、新しいシミができることを防ぎます。
また、皮膚がんのリスクを減らせる可能性も。
乾燥肌
更年期になると、肌の水分を保持する機能が低下します。そのため、乾燥しやすい肌に。特に、空気が乾燥する冬やエアコンが効いた室内では乾燥を感じることが増えるかもしれません。
乾燥を防ぐためには、肌に負担が少ない洗顔料を使うようにしましょう。
成熟肌にとって、石けんは脱脂力が強く乾燥しすぎてしまうことが。洗いすぎを防ぐには、保湿成分や植物油脂が配合されたクレンジングがおすすめです。
また、洗顔後にはしっかりと保湿するようにしましょう。肌への負担が少なく安全性も高いヒアルロン酸やグリセリン配合の化粧水やクリームが特に効果的です。
更年期になると肌が薄くなります。そのため、角質除去やピーリング効果のあるスキンケアはなるべく控えましょう。
顔の産毛
女性ホルモンが減少すると、あごの下やあごのライン、唇の上の産毛が濃くなることがあります。
ただ、脱毛やレーザーは肌への負担が大きいため、皮膚が薄くなった更年期にはおすすめできません。カミソリなどでやさしく除毛し、処理後はしっかりと保湿しましょう。
たるみ・シワ
5年間でコラーゲンの約30%を失うと先述したとおり、更年期になると肌は急速にコラーゲンを失います。そして、その後の20年間も毎年約2%のコラーゲンが減少し続けるそう。
コラーゲンが減少すると、肌のハリが失われます。その結果、たるみが現れ、鼻先から口角にかけてほうれい線が出てきます。
また、目の下のくぼみやたるみ、毛穴が目立つようになるのも肌のハリ不足が原因です。
シワを予防するには、紫外線対策が重要。なるべく衣服で肌をカバーし、日傘や帽子を活用しましょう。そして、衣服でカバーできないところには日焼け止めを。
ただ、日焼け止めクリームの中には、簡単には落ちにくいものもあります。
洗いすぎや擦りすぎもシワやたるみの原因になるので、シリコン不使用でノンケミカルの日焼け止めを選ぶのがおすすめです。
また、コラーゲンの産生を促すナイアシンアミドを普段のスキンケアに取り入れてみるのもいいかもしれません。
にきび
閉経前や閉経中に女性ホルモンのレベルが低下すると、10代のようなニキビができる女性がいます。でも、更年期で薄くなった肌には、10代や20代の人と同じ治療やスキンケアだと刺激が強すぎる可能性が。
例えば、オイルフリー処方のニキビ用化粧品は肌のさらなる乾燥を招き、ニキビを悪化させることもあります。
また、50歳前後になると肌のpHレベルも変わります。それにともない、肌がかぶれやすくなったり、肌荒れを起こしやすくなることもあるのです。
更年期のスキンケアでは
いつも使っている化粧品が合わなくなったと感じたら、まずは無香料のものにしてみましょう。なぜなら香料として使われる化学物質や精油に対して肌が弱くなっている可能性があるから。
そして、薄くなった乾燥肌には、刺激が少なく保湿力が高いものを選ぶのがよいでしょう。
また、なるべくシンプルな処方のスキンケアに切り替えるのもおすすめ。更年期の肌には負担になっていたものをなくすことで、肌をリセットできる場合もあります。
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