化粧品のポリアクリル酸Naは肌に悪い?

化粧品のポリアクリル酸Naは肌に悪い?

オムツにも使われるポリアクリル酸Na

化粧品の裏を見ると「ポリアクリル酸Na」という成分が書かれていることがあります。

これは水をとてもよく吸収する合成ポリマー。「高吸水性ポリマー」とも呼ばれ、赤ちゃんのオムツや生理用ナプキンにも使われています。

ポリマー自体の重さの200倍〜1000倍もの水を吸い、水をジェル状にすることができます。その特徴によって「もれない」赤ちゃんのオムツが実現されているんですね。

ポリアクリル酸Naはオムツの吸水ポリマー

全成分に「ポリアクリル酸Na」と書かれているということは、それと同じものが化粧品にも使われているということ。
でも、どうしてオムツと同じ成分が化粧品に入っているのでしょうか?

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ポリアクリル酸Naが化粧品に使われる理由

ポリアクリル酸Naはスキンケア製品によく配合されています。理由は、ポリアクリル酸Naには下記のような働きがあるから。

増粘剤

化粧水や乳液、クリームのテクスチャをよりなめらかにします。高級感のあるリッチな手触りやとろみのある使用感を作ることもできます。

安定剤

化粧品の理想的な硬さやテクスチャをキープして分離や沈殿を防ぎます。また、保存性を高めることもできます。

伸びをよくする

ポリアクリル酸Naを配合すると化粧品の肌への伸びがよくなります。まだらにならず肌に塗ることができ、使用感も向上します。

フィルム形成

肌の上に人工的な薄い膜を作り、保護バリアをサポートする目的で配合されることもあります。

また、ポリアクリル酸Naの価格は天然のポリマーよりも安価。つまり上記のように機能性が高い上に価格も安いため、メーカーに重宝されやすい成分ということなんです。

肌に悪い影響はない?

ポリアクリル酸は肌に悪い?

ポリアクリル酸Naの肌への使用は一般的には安全とされています。アレルギー反応を示す人もごくまれ。ですから、多くの人は安全に使えるでしょう。

ただ、ポリアクリル酸Naに美容効果はありません。つまり、「肌に悪くはないけれど肌にいい成分でもない」といった成分なんですね。

肌に悪くないとはいえ、米国EWGの評価を見てみると一つだけ気になることがあります。

それは、アクリル酸という物質が成分に残留している可能性。アクリル酸は化粧品にも使われる化学物質ですが、繰り返し肌に塗布した場合、急性毒性のリスクがあることが指摘されています。

当然、化粧品に含まれる量はごく微量。そのため、心配する必要はないかもしれません。しかし、ポリアクリル酸Naをはじめ、アクリル酸を含むかもしれない成分が複数入った化粧品を毎日使っていたらどうなるのでしょう?

気になるところですが、複数の化粧品を毎日長期的に使用した場合の安全性データは不足していて、わからないのが現状です。

ポリアクリル酸Na以外の合成ポリマー

化粧品にはさまざまな合成ポリマーが使われています。

増粘剤やゲル化剤として使われるPEGカルボマー。髪を固めたり、シワにハリを作るPVPやVAコポリマー。髪の手触りやまとまりをよくするため、ヘアケア製品に配合されるポリクオタニウムという成分もあります。

個々の合成ポリマーを単体で見ると、肌に悪い影響はないというのが一般的。
ですが、私たちの肌は毎日大量の合成ポリマーに触れています。

ポリアクリル酸Naにアクリル酸が含まれるように、他の合成ポリマーにもそれぞれ見えないリスクがあることも。

毎日使うものだからこそ、より安心な化粧品を選べているか改めて見直してみるのもいいかもしれませんね。

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