デリケートゾーンが乾燥する理由
デリケートゾーンや膣が乾燥する最大の原因は、加齢によるホルモンの変化。
女性は年齢を重ねるにつれてホルモンの分泌量が変わります。そしてその影響で、膣壁や皮膚が薄くなることがあるのです。
壁や皮膚が薄くなるということは、水分をキープするための細胞が少なくなるということ。
これがデリケートゾーンが乾燥する一番の原因になっているというわけです。
ホルモンバランスとの関係

体内には「エストロゲン」という女性ホルモンが存在しています。
膣を健康に保つために不可欠なホルモンで、エストロゲンのおかげで女性器は正常なうるおい、酸性度、弾力性を維持することができます。
しかし、エストロゲンの分泌は加齢とともに減少します。その結果、更年期と閉経を迎えるのですが…。
同時に、膣の粘膜が薄く弾力性がなくなり、乾燥しやすくなるのです。
歳を重ねるごとにデリケートゾーンの乾燥を感じる人が多くなるのは、それが理由。
女性ホルモンの量と大きく関係しているんですね。
デリケートゾーンの乾燥が始めるきっかけ
ただ、女性ホルモンが減少するのは、更年期や閉経の時だけではありません。
下記のようなことがエストロゲンの減少、そしてデリケートゾーンの乾燥につながることもわかっています。
- 授乳
- 出産
- 喫煙
- うつ病
- 過度のストレス
- 免疫系の疾患
- 激しい運動
- 放射線療法、ホルモン療法、化学療法などのがん治療
- 卵巣の摘出
- 一部の内服薬の服用
- 一部のフェムケア製品(クリームやジェル、ローション)の使用
デリケートゾーンのケアで注意すべきこと
デリケートゾーンが乾燥すると、どうなるのか?

よくある症状は痒みや不快感、そしてチクチクとした痛み。
そうした症状を改善すべく、最近では多くのフェムケア製品が販売されています。皆さんの中にも、使っている人は多いかもしれません。
ですが!
フェムケア製品は慎重に選ぶ必要があります。
膣やデリケートゾーンは、他の部位と違う皮膚の性質を持っているからです。
ある論文は、外陰部の皮膚は角層のバリア機能が低いと言っています。そのため、経皮吸収率が高く、刺激物質に対する反応も出やすいと考えられるのだとか。
また、別の研究でもデリケートゾーンは接触性のアレルギー物質に対する感受性が高い可能性が示されています。
つまり、フェムケア製品に刺激物質やアレルギー物質が含まれていたら、それに対してネガティブな反応が起こりやすいということです。
どんなフェムケア製品を選ぶのが正解?
他の皮膚よりも刺激やアレルギーに弱いデリケートゾーン。
ケアする化粧品は正しく選ばないと、肌を傷つけたり炎症や痒みが悪化する原因に…。
「症状を和らげようとするケアが逆効果」なんていうこともあるのです。

そんなことが起こらないように、フェムケア製品を選ぶときには下記のようなことに注意すると安心です。
1:無香料を選ぶ
合成香料にはアレルギーリスクが高い物質が使われていることが多いです。
また、天然の精油にもアレルギーリスクが高いものがたくさんあります。その上、肌への刺激は合成香料よりも強い場合も。
顔や体でさえ赤みや痒みが出やすい香料をデリケートゾーンに塗るのは危険。フェムケア製品は無香料を選ぶのが安心です。
2:パラベン不使用を選ぶ
パラベンには、女性ホルモンの動きを真似してホルモンバランスを乱す作用があることがわかっています。また、皮膚から吸収されて血流に紛れてしまうため、吸収率が高いデリケートゾーンへの使用は避けるのがベター。
3:DMDMヒダントインは避ける
アレルギー物質であるホルムアルデヒドをじわじわと放出する成分。ボディソープやシャンプーなどの「洗う」製品に配合されることが多いです。が、刺激を受けやすいデリケートゾーンへの使用は少し心配かもしれません。
4:ベンザルコニウムクロリドが入っていないものを
ベンザルコニウムクロリドは、アレルギー性が高く肌への刺激も強い成分とされています。泡立ちをよくするため、こちらも「洗う」製品に配合されることがあります。
5:無着色を選ぶ
着色剤の中には肌への刺激が強いものがあります。また、天然の顔料にアレルギーを持つ人もいますので、無着色が安心。

6:なるべくシンプルな成分の製品を
処方されている成分の数が増えるほど、アレルギーや刺激のリスクは高くなってしまいます。なるべくシンプルな処方で、よくわからない化学物質がたくさん配合されているものは避けるのがいいでしょう。
さいごに
「デリケートゾーン専用」と書いていても、香料や上記のような成分が入っていることがあります。
癒しのための香りをアピールする商品も多いですが、繊細な皮膚に本当に必要なのかを見極めることが大切。安心して使い続けられるお気に入りの製品を見つけて、優しくケアするように心がけたいですね。
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*すべての方に肌刺激やアレルギーが起こらないわけではありません。