乾癬とは
乾癬は慢性的な自己免疫疾患。
発症すると皮膚が赤く盛り上がってウロコのように剥がれたり、赤い斑点が生じて痛みや痒みを感じるなどの症状が出ます。
非常に速いスピードで皮膚細胞が蓄積されることで、このような症状が出ると言われています。
明確な原因はわかっていませんが、2014年に乾癬患者90人を対象に行った調査では、70%以上の人がストレスが引き金になったと回答。
一方で、遺伝やアレルギーが原因と考えられる事例は少なかったとされています。

乾癬の種類
乾癬にはいくつかの型があり、症状もさまざまです。
尋常性(プラーク型)
もっとも一般的な乾癬で、世界中の乾癬患者の80~90%を占めています。皮膚が赤くなり、白っぽい鱗状のカサカサした皮膚が作られます。
どの部位にも生じる可能性があり、痛みをともなうこともあります。 |
滴状型
乾癬患者の約8%を占めますが、主に小児や若年成人が罹患することが多いとされています。水滴のような小さな皮疹が腕や足、胴体など全身に現れます。
溶連菌への乾癬によって発症することがあります。治療後に治ることが多いものの、後に尋常性乾癬を発症する人もいます。 |
逆乾癬
一般的な乾癬とは異なり、鱗屑などが生じません。乾癬患者の21〜30%が逆乾癬に罹患しているとする研究もありますが、診断が難しい乾癬と言われています。 脇や乳房の下、おへその中、太ももの付け根や内側、性器の周りなどに発症しやすく、摩擦や汗で症状が悪化するとされています。 |
膿疱性(汎発型)乾癬
乾癬患者の1%未満が罹患する稀な型。50歳以降の高齢者に多い傾向があるものの、誰でも罹患する可能性があります。
膿疱性乾癬は皮膚が赤く炎症を起こし、膿がたまって出現します。重症化して生命を脅かすこともあるため、発症した場合は医療機関での早急な治療が必要です。 |
乾癬の皮膚にスキンケアが重要な理由
乾癬になったら多くの場合、医師に処方される薬を使用することになるでしょう。
ですが同時に、適切なスキンケアを心がけることも大切。症状の悪化を予防する大きな要因になるからです。

乾癬は、肌に強いかゆみと痛みを伴います。
理由は、皮膚表面に蓄積した細胞によってバリア機能が壊れてしまい、乾燥を引き起こすから。また、肌で起こった炎症が皮膚神経を刺激することも原因とされています。
そんな肌に、乾燥や刺激の引き金になる物質を塗ると、症状が悪化してしまうことがあります。
外部の刺激から体を守っているバリア機能が弱っているため、乾癬の肌は非常に敏感な状態。
その上、バリア機能が損なわれると、健康な肌では体内に入ることがない刺激物質が皮膚から侵入するようになります。これが免疫反応を促して、乾癬による炎症をさらに悪化させる可能性があるのです。
乾癬には優しいスキンケアを

炎症やかゆみ・痛みを抑えるためには、刺激が強い成分を避けることが重要。
例えば、肌に優しい洗顔料やボディソープでも、洗いすぎると刺激になることも多いのです。
特に、肌の水分や油分を取り除く洗浄成分や強い界面活性剤、刺激の強い合成成分や香料には要注意。下記の一覧を参考にして、避けるべき成分をチェックするようにすると安心です。
- 香料
- 精油
- エタノール・変性アルコール
- ラウリル硫酸ナトリウム
- ラウレス硫酸ナトリウム
- ラウリル硫酸アンモニウム
80%の乾癬患者が頭皮に症状:シャンプーはノンシリコンを
2022年の論文では、乾癬患者の約80%に頭皮にも症状が出ていたとしています。
日本で市販されている多くのシャンプーは、髪への効果に重点が置かれています。そのため、シリコーンオイルをたっぷりと配合し、重い仕上がりになるものも少なくありません。
ですが、シリコーンオイルは頭皮への蓄積が懸念される成分。乾癬の症状がある頭皮には悪影響を及ぼす可能性もあります。

また、シャンプーにはラウリル硫酸ナトリウムやラウレス硫酸ナトリウムなど、必要な皮脂までを奪い、乾燥の原因になりやすい洗浄成分が使われていることもあります。
頭皮への負担が大きいシャンプーを避けるために、まずはノンシリコンのシャンプーを選びましょう。そして、上記のような刺激が強い成分の記載がないことを確認するのがよさそうです。
参考記事:シリコンフリーのスキンケアを選ぶべき理由
ボディーソープはセラミド配合の商品が◎
肌が弱っている時は、ボディソープの選び方も大事です。
2019年の調査によると、セラミドと尿素が配合されたボディソープがよさそうです。
この調査の対象者は、軽度から中程度の乾癬を患う18歳以上の男女33人。
対象者は2週間1日2回、セラミドと尿素、サリチル酸が配合されたボディソープと保湿剤を使用しました。
2週間後、約85%の人が乾癬が緩和したように感じ、90.9%の人が肌が柔らかく滑らかになったと報告されています。
なお、ボディソープも香料などが使われていない無香料のものを選ぶのがおすすめです。

保湿はたっぷり
乾癬の肌は、肌のバリア機能が弱っています。そのため、弱ったバリアをサポートする保湿剤をたっぷり目に塗るのが大切。
皮膚科医から処方された薬を塗った後、無香料で肌に優しい保湿剤を顔や体にたっぷり塗りましょう。
また、熱いお湯でのシャワーは乾燥肌の原因になります。
シャワーはぬるめのお湯で10分以内に。体は手で洗うようにすると、刺激を避けられるので安心です。
さいごに
乾癬の原因や症状は人それぞれ。辛い症状が続いて気持ちも落ち込みがちになると思います。でも、肌に優しいスキンケアを心がけて、肌の調子をコントロールしやすい方法を探せるといいですね。
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