化粧品のピロ亜硫酸Naは肌に悪い?

化粧品のピロ亜硫酸Naは肌に悪い?

化粧品で使われる酸化防止剤

化粧品には油脂や界面活性剤、ビタミン類などが配合されています。通常、これらの成分は空気に触れると少しずつ酸化・変質します。

酸化すると異臭や変色が起こり、化粧品の安定性を保つことができません。また品質の低下だけでなく、肌への刺激や負担が大きくなってしまいます。

化粧品の劣化を防ぐ酸化防止剤として使われるピロ亜硫酸Na

そのため、多くの化粧品では酸化防止剤が使われています。配合成分の酸化や変質を防いで劣化しないようにするためですね。

化粧品に用いられる酸化防止剤には下記のような成分があります。

自然由来のものから合成成分まで、その種類は様々。
単独で使用されることもあれば、より高い効果を得るために複数の成分が組み合わせて使われることもあります。

どれも日本では一般的に安全とされている成分とはいえ、敏感肌の人にとっては少し注意したいものもありそうです。

この記事では、その一つであるピロ亜硫酸について詳しく解説します。

食品の漂白剤としても使われるピロ亜硫酸Naは化粧品の酸化防止剤

ピロ亜硫酸Naとは

ピロ亜硫酸Naは化粧品だけでなく、食品や医薬品など広い分野で用いられています。酸化防止剤としてだけでなく、下記のような役割で使われることがあります。

食品保存料

ジャムやポテトチップス、ドライフルーツ、フルーツジュース、漬け物などの食品の保存料として

医薬品の防腐・安定剤

麻酔薬や抗真菌薬、ステロイド剤、目薬などの医薬品の防腐剤・安定剤として

衣服の抗菌剤

食品や衣類を出荷する時に塗布する殺菌剤や抗菌剤として

ピロ亜硫酸Naによるアレルギー

化粧品成分としては、ピロ亜硫酸Naは40年以上使用されてきた実績があります。そしてその間、皮膚アレルギーのリスクはほとんどないと言われてきました。

しかし2012年の調査では少し異なる見解が。

1990年から2010年にかけて、2763人に実施したパッチテストでは、124人(4.5%)がアレルギー陽性反応を示したというのです。そのうち、40.3%の人が顔、24.2%の人が手に症状が現れていました。また、6人の患者においては全身に症状が生じたことが報告されています。

この調査で、ピロ亜硫酸Naによるアレルギー性皮膚炎の発症リスクは、それまで考えられていたよりも頻度が高い可能性があると示されたということです。

パッチテストで判明したピロ亜硫酸Naのアレルギーリスク

また、ピロ亜硫酸Naは染毛剤にも使われています。そのため、美容師や理容師の手の皮膚疾患との関連性も考慮すべきとしています。

当然、注意すべきは美容師だけではありません。毎日使う化粧品人なら誰でも、アレルギーのリスクがあるからです。

皮膚アレルギーが出たらどうなる?

ピロ亜硫酸Naに経皮感作された人は、使用している化粧品に同成分が含まれているとアレルギー症状が出ます。発疹が出たり赤く腫れることが多く、場合によっては水疱ができることもあります。

また、ピロ亜硫酸Naに対するアレルギーを発症した人は、亜硫酸Naにも反応してしまう可能性がゼロではありません。亜硫酸Naは食品や飲料にも入っていることがあるため、化粧品成分と食品アレルギーの関連性を考慮すると、肌に塗るものだけでなく食品添加物にも注意するのが安心かもしれません。

ピロ亜硫酸Naの吸入によるリスク

化粧品安全評価団体である米国のEWGでは、ピロ亜硫酸Naを10段階中2〜6と評価しています(10段階で1が最も安全性が高い)。特にスプレーやパウダータイプの化粧品など、吸入リスクがある場合は安全性が低くなるとか。

フェイスパウダーやスプレータイプの化粧品にピロ亜硫酸Naが含まれている場合は注意

でも、ピロ亜硫酸Naを鼻や口から吸入するとどんなリスクがあるのでしょうか?

2018年に発表されたラットを用いた研究では、ピロ亜硫酸Naの吸入による毒性を指摘。ここでは、化粧品によく配合されるPGと組み合わされた時のリスクについても書かれています。そのリスクは下記のような内容。

ピロ亜硫酸Naだけを吸入した場合

・一定の濃度以上で細胞毒性の可能性

ピロ亜硫酸NaとPGが組み合わされた場合

・ピロ亜硫酸Naだけの時には見られなかった鼻声、くしゃみ、眼刺激などの症状
・呼吸器や肺の上皮細胞への影響が大きくなる

まとめ

一般的に安全とされているピロ亜硫酸Na。でも実は、皮膚アレルギーのリスクが低くはないことが知られてきています。

また、吸入による呼吸器や肺への影響も指摘されているため、スプレーやパウダータイプの化粧品にこの成分が含まれていないかは、念のため注意してもいいかもしれませんね。 

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*すべての方に肌刺激やアレルギーが起こらないわけではありません。

 

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