崩れないファンデーションはシリコーンのおかげ
ファンデーションや化粧下地、日焼け止め、BBクリーム、CCクリーム。
メイクやメイク前に使う化粧品の多くにシリコーンが配合されています。
シクロメチコンもそんなシリコーンのひとつ。
汗や水でも崩れにくいメイクを実現する便利な成分として多用されています。
でも、崩れにくいメイクって肌に負担が大きいのでは?と気になる人がいるかもしれません。あるいは、シリコーンは毛穴を防ぐ!という意見も見かけます。
シクロメチコンなどのシリコーンは肌に悪いのでしょうか?この記事ではシクロメチコンのいいところと悪いところを解説します。
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シクロメチコンとは
シクロメチコンとは何か?の前に、まずはシリコーンの機能を紹介します。
- 油性成分と水性成分を乳化する(混ぜ合わせてキープする)
- 顔料(着色剤)をまんべんなく分散する
- 軽いなめらかな感触を作る
- 使用感や手触りをよくする
これらの特徴からわかるのは、厚塗り感なく軽い使用感を作れるということ。だから、ファンデーションなどでよく使われるんですね。
シクロメチコンもそんなシリコーンの一種。臭いがない透明の液体状シリコーンです。サラッとしていて蒸発しやすいのが特徴です。
ちなみに化粧品ではさまざまなシリコーンが使われていますが、シクロメチコンは「シクロテトラシロキサン」と「シクロペンタシロキサン」の仲間です。
シクロメチコンのはたらき
シクロメチコンは幅広い化粧品に配合されます。その理由を見てみましょう。
ファンデーションや日焼け止め
シクロメチコンは肌に塗るとすぐに蒸発します。蒸発後の肌にはサラッとしたなめらかな感触が残るため、ベタつきを防止してくれます。水にも油にも強くメイクが崩れにくくなるんですね。
ちなみに、シクロメチコン自体はノンコメドジェニック。つまり毛穴に詰まる可能性は低いとされています。
ヘアコンディショナー・ヘアオイル
静電気を防止する効果があるため、髪に塗ると指通りがよくサラサラに。
キューティクルが失われた髪の凹凸を埋めて縮れを抑え、髪にツヤも与えます。
また、シクロメチコンには熱に強いという特性もあります。髪の表面に保護膜を作り、ドライヤーなどの熱による水分損失やダメージを防ぎます。
スキンケア
シクロメチコンは肌に刺激を起こすことはほとんどないとされています。そのため、敏感肌や乾燥肌向けのスキンケアにも配合されることが。
スキンケアに使用されるときは、肌の上をヴェールのように覆い、うるおいを閉じ込めるエモリエント効果も期待されます。
カラーシャンプー
カラーリングされた毛髪の色をより長く保ち、ツヤを強化するのをサポートします。
シクロメチコンの安全性は?
上記のとおり、シクロメチコンはとても機能的。でも、肌や髪には安全な成分なのでしょうか?
日本ではシクロメチコンの化粧品への配合は特に規制されておらず、一般的に安全な成分とされています。
でも実は、ヨーロッパではちょっと様子が異なるようです。
デンマークの環境保護庁ではシクロメチコンが内分泌かく乱物質と特定されているのです。
つまり、生理や乳がん、卵子の量や質とも関連する体内のホルモンに作用してしまう可能性があるということ。デンマークでは特に小さな子供や妊婦への使用に注意を呼びかけているようです。
また、EUの欧州委員会でもシクロメチコンは内分泌かく乱物質かどうかのリスク評価が待たれています。
内分泌かく乱物質とは:内分泌かく乱物質:ホルモンバランスを乱す化粧品成分
シクロメチコンは自然環境に蓄積する
シクロメチコンは非常に分解されにくい成分です。そのため、排水後はどんどん自然環境や海の中に蓄積しています。環境汚染の懸念から、EUではシャンプーなど使用後すぐに洗い流す化粧品では、0.1%までしか配合できません。
アメリカのEWGでもシクロメチコンのリスク評価は「10」と最悪。その理由もやはり環境への影響。欧米では、化粧品による環境汚染に対する意識が高いことがよくわかりますね。なお、EWGでも内分泌かく乱作用の可能性が示されています。
肌に負担はないけれど
シクロメチコン自体は肌に刺激を与える成分ではありません。ベタつかずサラッと仕上がるなど、シクロメチコンを配合するメリットもたくさんあります。
でも、水にも油にも強い成分ですから、裏を返せば「肌や髪から落ちにくい」ということ。きれいに洗い落とすためには、強い洗浄力のクレンジングやシャンプーが必要な可能性があります。
他の成分と一緒に肌に残ってしまうと、刺激を感じる原因にもなりかねません。
成分自体は肌にやさしいと言われていても、それを落とすのに肌に負担がかかるなんて本末転倒。毎日繰り返すことで、乾燥肌や敏感肌への影響もあるかもしれません。
肌、健康、環境、使用感。
何を優先して化粧品を選ぶか、自分なりの基準が必要かもしれませんね。
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