1万種類以上ある化粧品成分
化粧品成分は年々増えています。新しい美容成分はもちろん、オーガニックコスメやナチュラルコスメの人気が高まるにつれ、植物エキスや精油の種類も急増中。
その一方で、肌荒れなどが原因で化粧品成分の安全性を気にする人も増えているようです。
化粧品に配合されているのは肌に嬉しい成分だけではありません。香料や防腐剤など敏感肌には負担になる成分があります。また、敏感肌じゃない人でも気にしたほうがよさそうな成分も。
というのも、肌以外の身体に影響を与えるかもしれない化粧品成分が、実はあるからです。この記事では、化粧品成分によるリスクへの意識が高い海外で気にする人が多い化粧品成分を紹介します。
有害な化粧品成分とは?
化粧品は肌につけるもの。
肌が荒れる原因になるのはイメージできますが、肌以外に影響を与えるってどういうことでしょうか?
その答えは「化粧品成分が体内に侵入することによる影響」
化粧品成分の中には人間の肌細胞よりもサイズが小さいものがあります。
そういった成分は肌表面や真皮を通り抜け、血流に侵入。そして血に紛れ込んで身体中をめぐります。その結果、生殖機能や体内のホルモンバランスなどに影響を与えてしまう可能性があるというわけです。
もちろん、大半は尿として体外に排出されるかもしれません。
しかし、どのぐらいが体内に残るのか、どのぐらいの濃度で身体に影響が出るのかなど、詳しいことがわかっていないこともたくさんあるのです。
避けたい化粧品成分
人間の肌や健康に影響を与える可能性がある成分には、下記のようなものがあります。
ホルムアルデヒド
シックハウス症候群の原因としても知られるホルムアルデヒド。アレルギーのリスクだけでなく発がん性も指摘されています。
日本ではホルムアルデヒドそのものが化粧品に配合されることは禁止されています。そのため、全成分表示に「ホルムアルデヒド」と書かれていることありません。でも実は、じわじわとホルムアルデヒドを放出する化粧品成分があるんです。それは下記のような防腐剤。
- DMDMヒダントイン
- イミダゾリジニルウレア
- クオタニウム-15
ホルムアルデヒドには強い防腐力があります。それを少しずつ出すことでこれらの成分は化粧品の防腐効果を維持しています。でも、ホルムアルデヒドに発がん性があるとわかっているのなら、避けたほうがいいように思えますね。
合成香料
香料として使える物質は3000種類以上あります。
でも、どんな物質を何種類使っていても全成分には「香料」と書けばOK。どんな物質が使われているのか、消費者にはわかりません。
例えば、フタル酸エステルという物質が香料の中に入っていることがあります。
これは内分泌かく乱物質。つまり体内のホルモンに作用し、ホルモンバランスを乱す可能性があるのです。また、内分泌かく乱物質と思春期の子供のADHDの関連性を示す研究もあります。
PEG(ポリエチレングリコール)
PPG(ポリプロピレングリコール)
肌には刺激がなくやさしい成分とされることが多いPEGとPPG。しかし、原料の酸化エチレンは発がん性物質。また、製造時には1,4-ジオキサンという物質が発生しますが、これも発がん性などの毒性が指摘されています。
微量とはいえ、PEGとPPGにこれらの成分が残っている可能性はゼロではありません。
PEGとPPGの関連記事:化粧品に入っているPEGとPPGは安全?
MEA(モノエタノールアミン)
DEA(ジエタノールアミン)
TEA(トリエタノールアミン)
これらはエタノールアミンと呼ばれる物質の化合物。下記のような化粧品成分にも当てはまります。
- コカミドDEA
- ミリスタミドDEA
- セチルリン酸DEA
- オレス-3リン酸DEA
- ラウラミドDEA
- オレアミドDEA
- ラウリル硫酸TEA
- ラウロイルグルタミン酸TEA
- コカミドMEA
- PEG-3ヤシ脂肪酸アミドMEA
- ステアラミドMEA
MEA、DEA、TEAが特定の物質と反応すると、ニトロソアミンという発がん性物質が形成される可能性が。そのため、EUではすでにDEAの化粧品への配合を禁止しています。
DEAの関連記事:シャンプーにも入ってるDEAに癌のリスク?
BHT(ブチルヒドロキシトルエン)
BHTは、強力な神経毒性があるトルエンをベースに作られる化粧品成分。特に妊娠中の女性への接触が多い場合、お腹の中の赤ちゃんが発育障害を起こす可能性が指摘されています。
日本では医薬部外品に1%までしか配合できない規制がありますが、化粧品での規制はなし。一方、ヨーロッパでは2023年7月以降、化粧品では0.8%までしか配合してはいけないという規制が新たに作られました。
ちなみにヨーロッパの歯磨き粉では0.01%までしか配合できなくなっています。
BHTの関連記事:化粧品に入っているBHTとBHAって避けたほうがいいの?
タルク
タルクは天然に存在する鉱物をパウダー状にしたもの。ファンデーションやフェイスパウダー、ベビーパウダーに使われます。発がん性物質であるアスベストの混入が指摘されています。
日本では2006年以降、0.1%以上のアスベストを含むタルクの製造や輸入を禁止しています。そのため、日本の化粧品では心配する必要はないかもしれません。
ですが、日本のアスベスト分析方法では正しい含有量が計測できないという指摘もあります。
EUではアスベストを含む可能性がある場合、3歳以下の子供を対象にした化粧品では「鼻や口に近づけないこと」という注意書きが必要という規制もあります。
PFAS
日本の水道水や井戸水からも検出され、話題となっているPFAS。がんや神経障害、甲状腺疾患など様々な健康への影響が懸念されている化学物質です。
この物質が実は、化粧品成分として使われていることがあります。使用例が多いのは、ウォータープルーフのマスカラやアイライナー、口紅やファンデーションなど。例えば、下記のような化粧品成分はPFASの可能性があります。
- PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)
- パーフルオロオクチルトリエトキシシラン
- パーフルオロノニルジメチコン
- パーフルオロデカリン
- パーフルオロヘキサン
「パーフルオロ」や「トリフルオロ」が化粧品成分の名前に入っていないかチェックしてくださいね。
PFASの関連記事:毒性成分のPFASが入っている化粧品
パラベン
化粧品には複数のパラベンが使われています。特にブチルパラベンとプロピルパラベンには要注意。女性ホルモンである「エストロゲン」の働きに影響を与えます。尿中のパラベン濃度が卵子の量や質、月経の長さなどに関連していることを示す調査結果もあります。
パラベンの関連記事:パラベンが嫌われる本当の理由
ハイドロキノン
日本では市販の化粧品に配合されていることがあるハイドロキノン。でも、ヨーロッパやアメリカ、日本以外のアジア諸国では化粧品への配合を禁止。医師の診断がない限り、使用できない化粧品成分として扱われています。
理由はハイドロキノンによる白斑や色素沈着。特に使用期間が長くなると、肌の色に異常が生じる可能性があるとされています。
ハイドロキノンの関連記事:美白成分のハイロドキノンは使い続けても大丈夫?
世界一、化粧品規制が厳しいのはヨーロッパ
日本は美容大国です。でも、化粧品の安全性に対する規制が一番厳しいのはヨーロッパと言われています。意外かもしれませんが、日本では市販の化粧品に使われている成分が、実はヨーロッパでは規制されていることもあるんですね。
化粧品成分の名前は難しいです。
それがどんな成分なのか、安全なのか要注意なのか、誰もが簡単に判断できるものではありません。
でも、できるだけ安心して使えるものを選びたい。
私たちはそう考える人たちに代わって、世界中の文献やデータで各化粧品成分のことを調べて発信しています。これからも私たちの情報が、誰かの化粧品選びに少しでも役に立つと嬉しいです。
ためになる情報をLINEで配信中
CONCIO AcademyのLINEアカウントでは、よりよい化粧品を選ぶための豆知識を発信しています。自分と大切な人にとって本当に優しい選択をするために、ぜひお役立てください。
登録はこちらから→https://lin.ee/jAkRPAs
化粧品成分のリスクをとことん研究した「CONCIO(コンシオ)」
CONCIOは日本で初めてEWG認証を取得した新基準の無添加スキンケア。
化粧品成分による肌刺激やアレルギーのリスクに着目し、2500の成分を使わない独自の安全基準を徹底。世界基準の安心を日本の敏感肌に届けています。
*すべての方に肌刺激やアレルギーが起こらないわけではありません。