グリセリンがニキビ肌にNGは嘘

グリセリンがニキビ肌にNGは嘘

グリセリンでニキビは悪化する?

グリセリンはアクネ菌を増やすからニキビ肌にはNG。
そんな情報を見かけることがあります。でも、それって本当なのでしょうか?

そもそも、海外の論文などでそんなデータや研究結果を見かけたことはありません。
つまり、日本独自の情報である可能性が。あるいは根拠に乏しい情報かもしれません。

そこでこの記事では、海外ではグリセリンがどのように評価されているかをエビデンスに基づいて検証してみます。

グリセリンとは

グリセリンは多くのスキンケア製品に含まれている天然の保湿剤。グリセロールとも呼ばれ、植物油や動物性の脂肪から得られる天然の化合物です。

形状は無色透明で匂いもないシロップ状の液体。甘い味がするのが特徴です。

肌の深部や空気中から水分を肌の表面に引き込み閉じ込めることで、保湿効果が見込まれるとされています。

植物油や動物性の脂肪から得られる化合物です

グリセリンの保湿効果

2016年の研究では、グリセリンと下記のような他の保湿剤を比較。その結果、肌表面の水分量を高めるのにはグリセリンが最も効果的な保湿剤だと結論づけられています。

その他の肌への効果

グリセリンには保湿効果だけなく、下記のような肌への効果が期待できる可能性も。

ニキビ肌に対する効果

特に欧米では「グリセリンはニキビ肌に効果的」とする情報をよく見かけます。日本とは真逆ですね。では、具体的な作用を根拠とともに見てみましょう。

抗炎症作用

まずは、2015年のマウスを使った研究。ここではグリセリンに抗炎症作用がある可能性が示されました。さらなる研究調査が必要とはいえ、ニキビに伴う赤みや炎症を抑えてくれる可能性があります。

抗菌作用

同じく2015年の別の研究では、グリセリンの抗菌作用が調査されています。そして、PGなどと同様、グリセリンにも特定の菌に対する抗菌作用があることがわかりました。ニキビの原因となるバクテリアを抑制する可能性もあります。

グリセリンは乾燥や炎症を抑える効果がある安全性の高い化粧品成分

乾燥の改善

ニキビは乾燥が原因の場合もあります。2017年の研究ではグリセリンは肌の乾燥に対して効果があることが示されているほか、肌のバリア機能を高める効果もあります。また、保湿効果が継続することもわかっているため、乾燥によるニキビの悪化を防いでくれるかもしれません。

グリセリンの安全性

グリセリンは1779年にスウェーデンの科学者によって初めて作られたとされています。その後すぐ、化粧品やヘルスケアで使用され始めたため、使用実績が非常に長い化粧品成分なんです。

安全性に関する研究も多く、ほとんどの人が安全に使用できる成分として知られています。

化粧品成分の安全性を評価するCIRによる調査によると、市販のスキンケアにおけるグリセリンの最大配合濃度は78.5%。化粧品成分としては非常に高濃度ですが、それでも多くの人にとって安全だと報告されています。

たとえ高濃度に配合されていたとしても安全と言われる成分なのですね。

ただ、全員に100%安全と言える化粧品成分は存在しません。ほとんどの人には問題がないグリセリンにアレルギー反応を示したという事例も稀にあります。

まとめ

結論としては、グリセリンがニキビを悪化させる根拠は見つかりませんでした。

毎日使うスキンケアは情報に惑わされず、自分の肌タイプや調子に合わせて選ぶことが大切かもしれませんね。


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