化粧品は全成分表で選ぶ

全成分表を見て化粧品を賢く選ぶ

イメージだけで判断する危うさ

おしゃれなデザインや「よさそう」なうたい文句。洋服を選ぶときにはそれでもいいのかもしれません。
でも、毎日肌に塗る化粧品をイメージだけで選ぶのは、賢い選択とは言えません。

容器がおしゃれ。有名なインフルエンサーが使っている。話題の成分が入っている。どれも魅力的に見えます。でも、その化粧品の安全性を保証するものではありません。

日本では安全な化粧品しか売られていない。それは本当でしょうか?
その敏感肌や肌トラブル。それは、あなたの肌のせいでしょうか?

化粧品の全成分表には、そのヒントが隠されています。

日本の化粧品の安全基準

化粧品における日本の安全基準は厳しいから大丈夫。そんなふうに思っていれば、知ってほしい事実があります。

それは、配合に規制がある成分の数。

日本では30種類の成分が配合禁止とされていて、約100種類の成分や化学物質に配合制限が設けられています。これは、2001年に定められましたが、それ以降、更新はされていません。
日本ではこれらの130種類の成分以外、すべての成分の安全性や配合量はメーカーの判断に委ねているのです。
各メーカーが確認した安全性などのデータを国に提出する必要もありません。

一方、EUでは1600種類以上の成分を有害な可能性があるとして、EU全体で規制しています。
また、中国でも1400種類以上、韓国も1000種類以上の成分が、国により配合に制限を設けられています。

ちなみに、アメリカではたった11種類だけ。
ほとんどの成分をメーカーのメーカーの判断で配合することができてしまいます。

健康に悪影響をおよぼす成分を全成分表を見て避ける

全成分表に安全性を知るヒントが

研究が進むにつれ、健康に悪影響を及ぼす可能性が指摘されている成分がたくさん出てきました。

例えば、パラベン。化粧品によく配合される防腐剤です。
しかし、最近の研究ではパラベンが皮膚から吸収され、体内のエストロゲン産生を弱めてホルモンの乱れを引き起こす可能性が示唆されています。

イメージではなく、安全性が高い化粧品を賢く選ぶには、全成分表を読みとくのがベストな方法。なぜなら、配合されている成分は基本的にすべて記載されているからです。
一般の化粧品では、全成分を記載する義務があります。そのため、毒性や刺激性が高い成分も、そこに明記されているのです。

全成分表の読みとき方

全成分表には、配合割合が多い成分から順に成分名が並んでいます。多くの化粧品の最初に「水」と書かれているのは、そのためです。

ただし、配合量が1%以下の成分は、順不同で記載することができます。
1%以下の成分の記載順はメーカーが決めているのですね。

それ以外には下記のルールがあります。

  • 香料は、複数の成分をまとめて「香料」と記載してもいい
  • 着色剤および顔料は、全成分表の最後に順不同で記載してもいい
  • 成分の製造による残留成分(キャリーオーバー成分)は記載しなくてもいい
  • 医薬部外品では全成分を記載する必要がない

全成分表でチェックしたいこと

全成分表には成分名が並んでいるだけです。そのため、毒性や刺激性が高い成分が入っているかを知るためには、どんな成分が毒性、肌刺激、アレルギーなどの可能性があるかを知っておく必要があります。

注意したい成分はたくさんありますが、例えば、アメリカのFDAでは下記のような成分をアレルゲンと認定しています。
そしてこれらの成分は、日本の化粧品にも配合されていることがあります。

  • ホルムアルデヒド(防腐剤のDMDMヒダントインやイミダゾリジニルウレアに残留する可能性)
  • メチルイソチアゾリノン(かゆみや赤い発疹を引き起こす可能性)
  • P-フェニレンジアミン(染毛剤などヘアケア製品似よく配合されます)
  • トリクロサン:(防腐剤。2016年にFDAは石鹸やボディソープへの使用を禁止)
  • パラベン(上述のとおり)
  • 香料(2017年にオーストラリアで行われた1,098人の参加者を対象とした研究では、33%の人が香料を含む製品に触れた後、片頭痛から喘息発作を生じたことが報告されています)

一見すると長くて難しい名前ばかりで躊躇してしまいます。
でも、全成分表を見ることを習慣にすると、よく見かける成分がたくさんあることにも気づいてもらえると思います。

全成分表では配合量はわからない

ただ、全成分表を見てもわからないことが。それは各成分の配合量です。

肌刺激が強いとされる成分でも微量なら問題がない人もいるかもしれません。
また、アレルゲンとなる成分でも、全員がアレルギーを発症するわけでもありません。

でも、特に敏感肌の人やアトピーに悩んでいる人、小さな子供やアレルギー体質の人は、配合量に関係なく気になる成分は避けることをおすすめします。
理由は、毎日塗ることによる影響は誰にもわからないから。

数日のみの短期間、塗布するなら問題はないでしょう。でも、大抵の場合、スキンケアは毎日するもの。しかも1日に2回、塗る人が多いのではないでしょうか。

つまり、1ヶ月に60回、その成分を繰り返し肌に塗るということ。その成分が肌にうれしくない影響をおよぼす可能性は、思っているより大きいかもしれないのです。

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