単なる赤ら顔?それとも酒さ?
気温の変化や季節によって、どんな人でも顔が赤くなることはあります。でも、赤みが長引いたり何度も繰り返す場合、それはもしかすると「酒さ」かもしれません。
下記の症状に複数該当するか、チェックしてみましょう。
初期の兆候
- 鼻、ほっぺ、おでこ、あごに赤みやほてりが出ることがありますか?
- 皮膚が硬くなったように感じますか?
主な兆候
- 肌の紅潮やほてりが出る頻度が多くなっていますか?
- ニキビのようなポツポツができていますか?
- 膿が出るような吹き出物ができていますか?
- 皮膚の下の血管が見えていますか?
- 目が充血したり痒いことがよくありますか?
重症化の兆候
- 肌が炎症を起こし、ヒリヒリ感やチクチクした痛みがありますか?
- 皮膚が腫れていますか?
- 乾燥したり、皮膚が鱗のようにはがれることがありますか?
- 鼻が腫れていますか?
酒さとは
酒さは頬や鼻を中心にして顔に赤みが現れます。すぐには治らず、慢性的皮膚の炎症が続きます。
30代以上の女性に出やすい傾向があるとされていますが、男性が発症した場合の方が重症化する可能性が高いことも指摘されています。
日本にどのぐらい患者がいるかというデータもほとんどありません。しかし、アメリカでは400万人の酒さ患者がいることをアメリカ皮膚科学会が発表しています。
酒さの主な原因は?
酒さの原因はほとんどわかっていません。また、残念ながら治療法も確立されていません。
ただ、生活習慣の改善と医学的な治療によって効果的にコントロールできるようになってきているようです。
最近の研究で指摘されている酒さの根本的な原因は下記の4つ。
- 免疫系の障害
- 神経系シグナルの障害
- 慢性的な身体の炎症
- 微生物の過剰増殖とマイクロバイオームの変化
マイクロバイオームとは:酒さの肌にはピロリ菌が多い?
人体の表面や体内に住んでいる微生物とその機能は「マイクロバイオーム」と呼ばれます。難しく聞こえますが、「腸内フローラ」や「常在菌」と言えばわかりやすいでしょうか。
2019年の研究では皮膚の常在菌と酒さの関連性が示されています。健康な肌と酒さの肌では、肌に存在する菌の環境や状態が異なることが発見されたのです
例えば、酒さの症状がある人の肌にはピロリ菌が多く存在しているそう。
「ピロリ菌って腸にいるんじゃないの!?」
そう驚いた人もいるかもしれませんが、実はピロリ菌は肌にも存在するのです。腸内のピロリ菌が胃腸の不調につながるのと同じように、肌のピロリ菌が酒さにつながる可能性があるんですね。
そして驚くことに、酒さに関係するのは肌の菌の状態だけではありません。
酒さの人の腸内フローラを調べたところ、過敏性腸症候群、小腸の菌の過剰増殖、炎症性腸疾患と酒さの関連性も発見されています。腸内環境が肌に影響するということです。
皮膚ダニも酒さの原因かも
酒さの症状は皮膚ダニとも関係している可能性があります。
哺乳類の毛穴にはダニの仲間が存在します。それは人間も例外ではありません。
人間の顔には「デモデクス」というダニが生息しています。非常に小さなダニで、誰の肌にもいます。デモデクスを人の肌から完全に排除することは無理と言われるほど、私たち人間と共存しているダニです。
日本では「顔ダニ」や「ニキビダニ」とも呼ばれるようです。まるで悪者のような呼び名がついていますが、普段、このデモデクスは肌の菌のバランスを保ってくれています。決して肌に悪いダニではありません。
しかし、間違ったスキンケアや薬などの使用が原因でデモデクスが過剰に増えてしまうと、ニキビや酒さの原因になることがあります。酒さの症状が出ている人の肌からは、健康な肌よりも多くのデモデスクが見つかることもわかっています。
アレルギーと酒さの関係
日本の東北地方で酒さ(または酒さ様皮膚炎)と診断された340人を対象にした調査では、アレルギーと酒さの関連性も示唆されています。
調査対象となった340人のうち27%以上に花粉症、19%以上に接触性皮膚アレルギーの既往歴があったのです。また、アレルギー検査を受けた78人中、46人がスギ、33人にハウスダニ、31人にハウスダストへのアレルギーを示したことも記されています。
つまり、普段の生活環境が酒さの症状に影響を及ぼすかもしれないということなんですね。
酒さのスキンケア
アメリカの全国酒さ協会が実施した調査では、酒さ患者の82%が敏感肌と回答。さまざまな化粧品に肌が反応すると答えています。
しかし、肌に刺激にならないスキンケアを適切にすることで、酒さ症状がある人の肌のバリア機能を改善し、保湿を高めることがわかっています。では、酒さの症状がある肌にはどんなスキンケアがいいのでしょうか?おさえておきたいポイントは4つ。
アルカリ性の化粧品を避ける
例えば肌によさそうに見える石けんは、実は弱アルカリ性。酒さの症状がある肌には刺激になるかもしれません。
やさしい保湿剤とクレンジングを意識する
肌のバリア機能を取り戻すには、肌本来の皮脂を守ることを意識することが大事。皮脂の働きを邪魔する過剰な保湿を見直してみましょう。
また。ダブル洗顔などのクレンジングのしすぎも禁物です。肌が落ち着くまでは、脱脂力が高いミネラルオイル主成分のクレンジングオイルの使用を控えるなど、肌にやさしいクレンジングがおすすめです。
アレルゲンや刺激成分を含まない処方を選ぶ
オーガニックコスメやナチュラルコスメでも、実は肌に刺激になる成分やアレルギーリスクが高い成分が配合されていることがあります。「よさそうだから」とイメージで化粧品を選ぶのはやめましょう。
どの化粧品がいいのか悩んだ場合には、無香料の敏感肌用を選んでみるのがおすすめ。
肌の常在菌のバランスを保つ
上述した通り、肌にはたくさんの菌やダニが存在しています。「健康な肌のために!」と菌やダニをすべて取り除こうとするのは逆効果。顔の菌やダニのバランスを正常に保つように意識することが大切です。
例えば、化粧品に入っている防腐剤には、バランスの取れた菌や微生物の働きを阻害する可能性も。特にフェノキシエタノールという防腐剤は、肌の常在菌のバランスを乱すことが指摘されています。また、強い防腐剤が使われがちなウェットティッシュやフェイスマスクの使用を見直してもいいかもしれません。
いかがでしたか?
今回は酒さと、その原因になるかもしれない常在菌や顔ダニについてお伝えしました。
健やかな肌を目指す人の参考にしていただけると嬉しいです。
*本記事は調査した記事などをまとめたもので、医学的見解に基づくものではありません。酒さ(酒さ様皮膚炎)の症状がある場合には、専門医の診断を受けることをおすすめします。
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