化粧品に入っているラウレス-7はどんな成分?

化粧品に入っているラウレス-7はどんな成分?

ラウレス-7は天然由来?

ラウレス-7は、ラウリルアルコールという原料を使って作られる化粧品成分。化粧品のほか、洗濯用洗剤などでもよく使われています。

ラウリルアルコールはヤシ油やパーム油から作られることがあります。そのため、ラウレス-7はナチュラルコスメにも使われている可能性も。

とはいえ、石油を由来にしたラウリルアルコールもあります。ラウレス-7が天然由来かどうかは、成分名だけではわからないのが実情です。

ラウレス-7は天然由来とは限らない

ラウレス-7の役割

ラウレス-7は乳化剤や界面活性剤として化粧品に配合されます。本来溶け合うことがない水と油を混ぜ合わせて、そのままキープする作用があるのです。
化粧品は水分と油分で作られますから、こういった成分が必要なんですね。

ラウレスには他にも、「ラウレス-2」や「ラウレス-23」など数字が違うものがたくさんあります。

後ろの数字が大きくなるほど、水との相性がよくなります。化粧品で使う他の原料や特性に合わせて使い分けられるよう、機能性に違いを持たせているというわけです。

ラウレスはPEGの仲間

多くの化粧品でPEGという成分が使われています。名前は違いますが、実はラウレスはPEGの仲間。一般的には、どちらも肌にはやさしく安全性が高いとされています。

でも、その製造工程において少し心配なことが。それはラウレスもPEGも、製造時にエトキシル化という工程があることです。

ラウレス-7はPEG(ポリエチレングリコール)の仲間

酸化エチレンを使ったエトキシル化

ラウレスもPEGも製造時には酸化エチレンという化学物質が使われます。酸化エチレンと他の物質を化学反応させるエトキシル化という工程を経て作られるからです。

このエトキシル化は物質の刺激を軽減させます。そうして、肌に刺激が少ない化粧品成分を作ることができるのです。

しかし、このエトキシル化には少し怖い点も。

それは、1,4-ジオキサンという物質が生成されること。そして、完成した化粧品に微量の1,4-ジオキサンと酸化エチレンが残る可能性があるのです。

それがなぜ怖いのか。この2つの物質について、少し詳しく見てみましょう。

1,4-ジオキサンとは

1,4-ジオキサンは水に溶けやすい透明な液体。
ある研究では簡単に皮膚から吸収されることが示されています。また、国際がん研究機関(IARC)ではヒトに対する発がん性の可能性があるリストに掲載。加えて、カリフォルニア州のプロポジション65でも発がん性が疑われている物質とされています。

アメリカの有害物質疾病登録局の報告には、1,4-ジオキサンへの接触度合いによる影響が記載されています。

短期的に接触した場合

  • 吐き気
  • 眠気
  • 頭痛
  • 目、鼻、喉の炎症

長期間にわたり接触した場合

  • 皮膚炎、湿疹、皮膚の乾燥やひび割れ
  • 肝臓や腎臓の損傷

酸化エチレンとは

酸化エチレンは無色の気体。
国際がん研究機関(IARC)によりヒトに対する発がん性物質と分類されています。また、カリフォルニア州のプロポジション65では、発がん性、生殖毒性、発達毒性のリスクがある物質とされています。

1,4-ジオキサンも酸化エチレンも、各国でさまざまな規制がある毒性が強い物質なんです。

ラウレス-7は安全?

そんなエトキシル化を経て作られたラウレス-7。肌につけても大丈夫なのでしょうか?

ラウレス-7は肌に塗っても安全?

一般的に、ラウレス-7は肌への刺激が少なく安全な成分とされています。

上記で記した1,4-ジオキサンの混入も、近年のアメリカの調査ではかなり残留濃度が低くなった報告されています。

ちなみに、日本では10年ほど前まで、化粧品における1,4-ジオキサンの残留濃度の実態は不明でした。

世界中で1,4-ジオキサン残留による健康リスクが注目され、規制の検討が始まった2013年。
日本でもようやく化粧品の1,4-ジオキサン残留濃度を計測する方法が確立。その方法で計測したところ、当時市場で売られていたシャンプーから2.78μ/g、ハンドソープからは3.31μ/gの濃度で1,4-ジオキサンが検出されました。

検出されたとはいえ、かなりの微量。
現在はさらに少なくなっているかもしれません。ただ、完全に除去されているかどうかもわかりません。

エトキシル化をする他の成分

酸化エチレンを使って製造され、1,4-ジオキサンが残留する可能性がある成分はラウレス-7だけではありません。そのため、できれば避けたいと考える人は次のような成分にも注意が必要です。

  • PEG
  • PPG
  • ポリソルベート
  • ラウレス(7以外も)
  • ステアレス(後ろに数字)
  • セテアレス(後ろに数字)

ごく微量しか残留しないかもしれないとしても、化粧品は毎日肌につけるもの。また、ボディ用やヘアケア製品を含めると、全身に触れるものです。

過度に心配する必要はないかもしれませんが、なるべく自分や大切な人が安心して使えるものを選びたいですね。

ためになる情報をLINEで配信中

CONCIO AcademyのLINEアカウントでは、よりよい化粧品を選ぶための豆知識を発信しています。自分と大切な人にとって本当に優しい選択をするために、ぜひお役立てください。
登録はこちらから→https://lin.ee/jAkRPAs

化粧品成分のリスクをとことん研究した「CONCIO(コンシオ)」

CONCIOは日本で初めてEWG認証を取得した新基準の無添加スキンケア。

化粧品成分による肌刺激やアレルギーのリスクに着目し、2500の成分を使わない独自の安全基準を徹底。
世界基準の安心を日本の敏感肌に届けています。

https://concio.jp/

CONCIOのミニマルスキンケア

*すべての方に肌刺激やアレルギーが起こらないわけではありません。

ブログに戻る
RuffRuff App RuffRuff App by Tsun
  • 肌の常在菌を守って健やかな肌へ:菌バランスを乱す化粧品成分

    肌の常在菌を守って健やかな肌へ:菌バランスを乱す化粧品成分

    肌には無数の細菌や微生物が存在していて、その常在菌のいいバランスを保つことが美肌のカギ。ですが、石油系界面活性剤や合成防腐剤など、肌の常在菌バランスを乱す化粧品成分もあります。

    肌の常在菌を守って健やかな肌へ:菌バランスを乱す化粧品成分

    肌には無数の細菌や微生物が存在していて、その常在菌のいいバランスを保つことが美肌のカギ。ですが、石油系界面活性剤や合成防腐剤など、肌の常在菌バランスを乱す化粧品成分もあります。

  • 乾癬の人がスキンケアで気をつけたいこと

    乾癬の人がスキンケアで気をつけたいこと

    非常に強いかゆみをともなう乾癬は皮膚の炎症を引き起こす自己免疫疾患。世界の人口の2~3%が罹患しているとされています。 症状の緩和には、皮膚科で処方された薬に加えて正しい保湿と刺激が強い成分を避けることが大切。

    乾癬の人がスキンケアで気をつけたいこと

    非常に強いかゆみをともなう乾癬は皮膚の炎症を引き起こす自己免疫疾患。世界の人口の2~3%が罹患しているとされています。 症状の緩和には、皮膚科で処方された薬に加えて正しい保湿と刺激が強い成分を避けることが大切。

  • 化粧品アレルギー、「私は大丈夫」と思ってませんか?

    化粧品アレルギー、「私は大丈夫」と思ってませんか?

    10%から15%の人が化粧品によるアレルギーを経験したことがあるという調査もあるほど、化粧品アレルギーが増加しています。香料、精油、防腐剤、界面活性剤、天然由来成分。人によってアレルギーの原因となる成分もバラバラ…

    化粧品アレルギー、「私は大丈夫」と思ってませんか?

    10%から15%の人が化粧品によるアレルギーを経験したことがあるという調査もあるほど、化粧品アレルギーが増加しています。香料、精油、防腐剤、界面活性剤、天然由来成分。人によってアレルギーの原因となる成分もバラバラ…

1 3