化粧品成分による環境への影響
多くの化粧品にはマイクロプラスチック成分が意図的に添加されています。
よく知られているのはマイクロビーズ。水に溶解しない固形のマイクロプラスチックです。
マイクロビーズは洗い流された後、環境に蓄積するなどの懸念があります。そのため、シャンプーやボディソープなど洗い流す製品への配合を禁止している国もあります。
しかし、化粧品に使用されるマイクロプラスチックはマイクロビーズだけではありません。
水に溶解する液体マイクロプラスチックにも同じ環境リスクがあります。
液体マイクロプラスチックとは
ヨーロッパの環境団体によると、液体マイクロプラスチックには合成ポリマーやシリコーンオイルと呼ばれるものが含まれます。
化粧品成分には、人体や肌への刺激や安全性評価が義務づけられています。
しかし、生分解性の有無など環境への影響においては基準がありません。そのため、自然界に蓄積する成分でも自由に配合することができます。また、水生生物に毒性がある成分でも使われ続けているのです。
規制がない液体マイクロプラスチック
世界的には、固形のマイクロビーズは規制が厳しくなっています。EUではすべての化粧品で配合を禁止する方向に進んでいます。
しかし、液体マイクロプラスチックには何の規制もありません。
なぜなら、合成ポリマーやシリコーンオイルは一般的なマイクロプラスチックの定義に当てはまらないから。つまり、規制がないどころか「マイクロプラスチックではない」とされているのです。
水に溶解しても物質の存在がなくなるわけではありません。
塩を溶かした塩水にも塩分は存在します。それと同じように液体であっても、固形のマイクロビーズやその他のプラスチック製品と同じように、液体であってもプラスチック汚染の懸念があります。
また、生分解性があるとされているものでも、実際にどのぐらいの時間で分解されるかという調査は不十分なまま。
- 禁止されていないから。
- 一般的なマイクロプラスチックの定義には当てはまらないから。
そんな理由で、生分解性に乏しい合成ポリマーは多くの化粧品で使用され続けているのです。
生分解性が疑われる159種類の合成ポリマー
商品にマイクロプラスチックが入っているかを簡単に確認できる。そんな携帯アプリが欧米では当たり前のように使われています。
そんなアプリの一つであるスイスのCodeCheckによる報告で、化粧品に含まれるマイクロプラスチックの現状を知ることができます。
何百万もの製品を含むデータベースを基にしたCodeCheckの調査。そこでは化粧品のほぼ3分の1に生分解性に乏しい合成ポリマーが含まれていることが明らかになりました。ここには液体マイクロプラスチックも含まれています。
また、研究者たちはフェイスマスク、スキンケア製品、シャンプー、シャワージェルなど34のカテゴリーにまたがる50,000点以上の製品を調査。そして、生分解性が疑わしい159種類の合成ポリマーが、多くの製品に使われていたことが報告されました。
アクリル系ポリマーは液体マイクロプラスチック
CodeCheckの報告によると、生分解性に乏しい液体ポリマーのトップ3は次のとおり。
- カルボマー(調査した製品の24%)
- シクロペンタシロキサン(調査した製品の19%)
- アクリル酸(コ)ポリマー(調査した製品の16%)
アクリル酸(コ)ポリマーは水には溶けますが、自然環境中での生分解性は低いと考えられています。
ほとんどの液体ポリマーは目に見えません。だから、その影響を想像しにくい人もいるかもしれません。
でも、この報告ではドイツだけで毎年1,000トンのマイクロビーズ、そしてその50倍の50,000トンの液体マイクロプラスチックが化粧品や洗剤から排出されているとされています。
この状況が多くの国で何年も続いている事実を、どう思いますか?
日本の状況は?
日本は固形のマイクロビーズの配合でさえ、法律では禁止していません。シャンプーなどの洗い流す化粧品で、各メーカーに自主規制を促しているのみ。
そして、それがこれから変わろうと気配も今のところありません。
CodeCheckの報告でわかったのは、ヨーロッパの現状。
マイクロビーズの規制がヨーロッパよりも緩い日本では、一体どのぐらいのマイクロプラスチック成分が排出されているのか気になります。
しかし残念ながら、日本では化粧品のマイクロプラスチックについて、ほとんど研究調査がされていません。そのため、入手できる情報もほとんどないのです。
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