化粧品の防腐剤フェノキシエタノールの安全性

フェノキシエタノールの安全性

フェノキシエタノールとは

フェノキシエタノールは、防腐剤として化粧品に配合される成分。石鹸や香水では安定剤として使用されることもあります。

水分を含む化粧品は、食品と同じように腐りやすいもの。

一方で、一般的な化粧品は未開封の状態で3年間保存できることが義務付けられています。そのため、化粧品には必ず防腐剤か防腐効果がある成分が配合されています。

フェノキシエタノールは、真菌、バクテリア、イースト菌の繁殖を防ぎます。その効果で長い保存期間と安全性を確保しているのです。

どんな化粧品に入っている?

同じく防腐剤にはパラベンがあります。しかし、安全性への懸念からパラベンを避ける消費者が増えてきました。その結果、フェノキシエタノールはパラベンの代わりに配合されることが増えています。

メイクアップ製品からベビー用、ヘアケア製品、基礎化粧品まで。フェノキシエタノールは、次のような幅広い化粧品に配合されています。

  • アイシャドウ
  • 日焼け止め
  • マスカラ
  • チーク
  • 口紅
  • アイライナー
  • シャンプー、コンディショナー
  • ボディソープ
  • ファンデーション、コンシーラー
  • ハンドクリーム
  • ヘアカラー、ヘアスプレー
  • 化粧水、乳液
  • フェイスクリーム
  • フェイスマスク
  • 赤ちゃん用おしりふき
  • ベビーローション
  • ベビーソープ
多くの化粧品で配合されているフェノキシエタノール

フェノキシエタノールの配合は1%まで

複数の団体による安全性評価で、フェノキシエタノールは1%までの配合なら安全とされています。また、日本でも1%までの配合規制が定められています。

ただ、EUの消費者安全科学委員会の評価では1%未満なら安全としつつも、ある警告が記されています。
それは、「フェノキシエタノールが1%未満で配合された製品であっても、同時に複数使用した場合には安全とする量を超える可能性がある」ということ。

フェノキシエタノールが使われた化粧品を1日に何種類も使うのは、避けるのがよさそうです。

アレルギーなどを引き起こす可能性も

頻度は多くないとされていますが、フェノキシエタノールがアレルギー症状の原因となることがあります。じんましんのような発疹や痒みが出たら、アレルギーの可能性を疑いましょう。

また、フェノキシエタノールはパラベンと併用されることも多くあります。その場合、より強いアレルギー反応を引き起こす可能性があることを示す研究もあります。

フェノキシエタノールに注意が必要な人

湿疹やアトピー、かぶれなどで肌がすでに敏感になっている人は注意が必要です。フェノキシエタノールが配合された製品、少なくとも複数の製品の使用を控えるのが安心です。
万が一、アレルギー反応が出た場合には、使用を中止しましょう。多くの場合は数日から数週間で治るとされています。

また、乳幼児には特に注意。
フェノキシエタノールが含まれるクリームを口にした乳児に、嘔吐や下痢、神経系の機能低下が見られる事例があったからです。食欲が亡くなったり、ぐったりして寝起きが悪くなった赤ちゃんもいたと報告されています。

赤ちゃんに使うものだけではなく、周りの大人が使うクリームやハンドクリームなどの成分も確認すると安心です。

その他にもこんな防腐剤に注意

全成分表示にフェノキシエタノールの記載がなければ安心というわけではありません。例えば次のような防腐剤も、注意したい点が。

  • DMDMヒダントイン:シックハウス症候群の原因物質でもあるホルムアルデヒドを放出する可能性があります。アレルギーの原因にも。
  • イソチアゾリノン:シャンプーなどのヘアケア製品によく配合される防腐剤。アレルギーを引き起こす原因になる可能性があります。
  • パラベン:メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンなど複数の種類があります。内分泌かく乱物質である可能性があります。

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