安全なおしりふきの選び方:不要な化学物質を避けたい人へ

安全なおしりふきの選び方:不要な化学物質を避けたい人へ

化学物質に弱い赤ちゃんの肌

生まれたばかりの赤ちゃんは肌はやわらかくて繊細。大人の肌よりも薄く、化学物質に対しても弱い存在です。

多くの親が、そんな赤ちゃんの肌に日常的に触れるものを慎重に選びたいと思っているのでは?一方で、何がよくてどう選ぶべきか、わからない人も多いかもしれません。

この記事では、安心して使えるおしりふきの選び方を徹底解説。1日に何度も、生まれたばかりの赤ちゃんの最も敏感な部分に使用されるものですから、選び方のポイントをしっかり知っておきましょう。

関連記事:ポリアミノプロピルビグアニドはおしりふきの危険成分
おすすめのおしりふきはこちら

おしりふきは赤ちゃん用だから安心?

「新生児用」や「ベビー用」と書かれていれば安心!と、成分も気にせず使っていませんか?

オムツ替えのときだけでなく、汚れた手や口を拭くことも多いおしりふき。除菌や防腐効果があるものが多いですが、どんな成分が入っているのでしょう。

当然、使われている成分は商品により様々です。しかし実は、おしりふきには大人用の化粧品でも使われないような強い防腐剤や化学物質が使われていることも。

欧米では3歳以下の子どもには禁止されている防腐剤も、日本では当たり前に使われています。欧米のような規制はないからです。

赤ちゃん用だから安全とは限らないかもしれない真実

おしりふきに入っているこんな化学物質

多くのおしりふきには、複雑な長い名前の成分が入っています。決して、成分は水だけではありません。例えば、下記のような成分が入っていることがあります。

セトリモニウムクロリド

おしりふきには防腐剤として配合されます。EUの消費者安全科学委員会では、防腐剤としてセトリモニウムクロリドを配合する場合、0.1%までなら安全としています。その他の目的で配合する場合は、0.5%を安全な濃度と定めています。

一方、日本では1%まで配合が可能。ただしこれは医薬部外品(薬用化粧品)の場合のみ。ほとんどのおしりふきは医薬部外品ではありませんので、1%未満の制限を必ずしも守る必要はありません。

セトリモニウムクロリドは、他の防腐剤と組み合わせて配合されることで、皮膚への浸透性が高くなりすぎる可能性があります。つまり赤ちゃんの肌に浸透しすぎることで、肌刺激やアレルギーの原因になることがあるのです。

ポリアミノプロピルビグアニド

PHMBとも呼ばれる防腐剤。セトリモニウムクロリドと一緒に配合されることがあります。

EUでは発がん性の懸念があるとして、2015年に大人用を含むすべての化粧品への配合が禁止されました。その後、再検証が行われ、現在は0.1%までなら配合可能となっています。

ベンザルコニウムクロリド

日本で作られるおしりふきには、0.05%までしか配合できない防腐剤です。

ニュージーランドでは、数年にわたる臨床でのパッチテストの状況から、新たなアレルゲン物質である可能性が指摘され始めており、調査が進んでいます。

パラベン

化粧品での使用例が多い防腐剤。ホルモンバランスに影響を与える内分泌かく乱物質として知られています。パラベンには複数の種類がありますが、下記の上から順に毒性リスク高いとされています。

  • イソブチルパラベン
  • プロピルパラベン
  • ブチルパラベン
  • エチルパラベン
  • メチルパラベン

デンマークでは3歳以下の子供が使うおしりふきやローションなどの化粧品において、ブチルパラベンとプロピルパラベンの配合を禁止しています。

赤ちゃんのおしりふきに入っている成分

おしりふきの成分表には書かれない化学物質

全成分表に書かれている成分以外にも、おしりふきには注意すべき物質が入っている可能性があります。

それは、酸化エチレン(エチレンオキシド)と1,4-ジオキサン

どちらも発がん性物質で、おしりふきに配合されている成分に混入・残留している可能性があります。しかし、これらは成分表に記載する必要はありません。

というのも、これらは意図的に配合された成分ではないから。製造過程で混入する汚染物質と考えられているからです。

1,4-ジオキサンはごくわずかな濃度でも、いくつかのガンと関連しているとされています。そのため、EUでは化粧品に含まれる1,4-ジオキサンの残留濃度に規制を設けています。

また、1,4-ジオキサンはおしりふきの製造時などに環境中に放出され、土壌、堆積物、大気、水を汚染する可能性があります。
アメリカの環境保護庁によると、1,4-ジオキサンは簡単には生分解されません。つまり、一度環境中に放出されると長い間そこに停留する可能性があるのです。

酸化エチレンと1,4-ジオキサンの混入リスクがある成分は、下記のとおり。

いずれも後ろに数字がついた成分名になります。

おしりふきの素材

多くのおしりふきは、ポリプロピレンやPETで作られています。つまり、基本的にプラスチックでできているということ。

PET(ポリエチレンテレフタレート)はペットボトルやポリエステルによく使われる素材。また、ポリプロピレンは包装やおむつ、生理用品に使われることもあるプラスチックです。

ポリプロピレンとPET。どちらのプラスチックも生分解性はありません。また、使用後のおしりふきがリサイクルされる可能性もほとんどありません。つまり、おしりふきは最終的にリサイクルされないプラスチックゴミとなっているのです。

赤ちゃんのおしりを安全に清潔に保つために

おしりふきを販売しているメーカーは、当然、製品の安全性や品質を厳しく管理しているでしょう。

そのため、気にしすぎることはないという人もいて当然。しかし、大切な赤ちゃんの肌にリスクがあるかもしれないものを使いたくない。そう思う人がいても、おかしくはありません。

そんな人は、次のポイントを押さえておしりふきを選びましょう。

  • 上記で紹介した防腐剤成分を避ける
  • 酸化エチレンと1,4-ジオキサンが混入する可能性がある成分を避ける(PEG、ポリソルベートなど)
  • 植物由来の生分解性素材でできたおしりふきを選ぶ
  • おしりふきの素材がプラスチック製のものは選ばない
  • 無香料・香料不使用のおしりふきを選ぶ(合成香料には健康やアレルギーリスクがある物質が使われていることが多い)
  • 精油が使われていないおしりふきを選ぶ(天然香料の精油は皮膚感作性・アレルギーリスクが高い)

難しくてどれを選べば良いかわからない。そんな人に、私たちがおすすめするのは、コットン製の素材に100%水で作られたこちらのおしりふき
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さいごに

この記事を読んでいる人の中におしりふきを使っている人がいれば、ぜひ一度、本当におしりふきが必要かを自問してみましょう。

赤ちゃんのお尻をシャワーで流したり、水で濡らした布やティッシュやオーガニックコットンで代用できないでしょうか?

完全に切り替えるのが難しくても、お出かけの時だけはおしりふきを活用するなど、使用する頻度を減らすことはできるかもしれません。

大切な赤ちゃんの肌。不要な化学物質に触れる機会を少なくするのが一番安心かもしれませんね。

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