常在菌がいるのは腸だけじゃない
空前の腸活ブームで、腸内細菌の重要性が知られるようになりました。
腸内細菌は「マイクロバイオーム」とも呼ばれます。細菌や微生物の集合体のことで、人間の健康に深く関係しています。
「腸内環境を整える」とは、腸内の菌のバランスを保つということ。つまり、悪い影響を与える菌を減らし、いい菌を増やし育てることです。
でも、常在菌が存在するのは腸内だけではありません。
実は肌にも無数の細菌や微生物が存在しています。
そして、それらのいいバランスを保つことが美肌の鍵とも言えるのです。
肌の常在菌を守る重要性
世界的な権威がある科学誌「Nature」に掲載された論文では、肌の常在菌を次のように説明しています。
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つまり肌の常在菌のバランスが崩れると、肌の疾患やトラブルの原因になる可能性があるというわけです。
大気汚染や花粉、化学物質、刺激の強い洗剤や石鹸、薬剤など。
肌の常在菌はさまざまなものから常に攻撃されています。
そしてなんと、化粧品成分の中にも常在菌のバランスを崩す原因が潜んでいるのです。
肌の常在菌にはどんな種類がある?
肌の上には無数に菌がいます。ここでは、その中でも皮膚の健康に関わりが深いとされる3つを紹介します。
アクネ菌(カティバクテリウム・アクネス)
皮脂腺に生息している菌。皮脂を分解することで肌のpHを低下させ、悪い細菌の繁殖を抑えます。また、常在菌バランスを保つ役割もあります。
ただ、増えすぎると分泌物(脂肪酸や酵素)が炎症を引き起こし、ニキビの原因となることも。 |
表皮ブドウ球菌(スタフィロコッカス・エピデルミディス)
健康な皮膚に存在して肌を保護するバリアを作ります。みずから抗菌物質を分泌して、病原菌の増殖を抑制したり、傷を治すサポートをします。
ただ、バランスが崩れると感染症のリスクが増加することがあります。 |
黄色ブドウ球菌(スタフィロコッカス・アウレウス)
健康な肌にも存在することもありますが、基本的にはよくない影響を与える細菌。アトピー性皮膚炎の肌では異常に増殖し、炎症やかゆみを悪化させます。 また、傷口や免疫力が弱いところでは、とびひや炎症を引き起こします。 |
健康な肌には、アクネ菌と表皮ブドウ球菌が多いということですね。
肌の常在菌に影響する化粧品成分
1. 強力な洗浄成分
常在菌に必要な栄養や保護バリアが失われ、いい常在菌(アクネ菌や表皮ブドウ球菌)を減少させてしまうかもしれません。
例:ラウリル硫酸ナトリウムやラウレス硫酸ナトリウムなどの石油系の界面活性剤 |
2. 防腐剤
常在菌を含む幅広い細菌を殺菌します。そのため、長期的な使用で健康な微生物バランスが崩れる可能性があります。
例: フェノキシエタノール、パラベン、メチルイソチアゾリノン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル |
3. アルコール(エタノール)
高濃度のアルコールは殺菌作用が強いため、肌表面の水分と共に常在菌も取り去ってしまう可能性があります。
例:エタノール、変性アルコール |
4. pHが極端に低いまたは高い成分
肌の理想的なpH(4.5〜5.5)を大きく外れる製品は、常在菌が育つ環境を壊し、悪い菌の繁殖を促してしまう可能性があります。
5. 毛穴を詰まらせやすい成分
皮脂腺や毛穴をふさぎ、アクネ菌が過剰に増える環境を作り出すことがあります。
例:ミネラルオイル、ラノリン、ジメチコンなどの重めのシリコーンオイル |
6. 合成香料・着色料
アレルギーや炎症を起こしやすい成分。炎症などが起こった肌では常在菌のバランスが崩れやすい可能性があります。
7. シリコン系成分
肌表面にとどまりやすいため通気性が低下し、特定の細菌が過度に増殖する可能性があります。
例:シクロペンタシロキサン、ジメチコン、シクロメチコン |
常在菌にやさしいスキンケア
上記のような成分に気をつけるほかにも、常在菌を守るためにできることがあります。
それは、過剰なクレンジングを避けること。
そして、角質除去やピーリングをしすぎないこと。
洗浄力が高いクレンジングの後、さらに洗顔料で顔を洗うのは考えもの。
やさしいクレンジングに切り替えて、朝はぬるま湯洗顔にしてみるのもおすすめ。
また、角質除去効果のある成分が入っているスキンケア製品の使用はほどほどに。
肌のバリア機能と常在菌を守って、自然な潤いと水分を保てる素肌を目指しましょう!
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