化粧品アレルギーが増加中
現代では、ほとんどの人が化粧品を毎日使っています。
それは、たとえ「メイクはしない」という人であっても同じ。化粧品には、石鹸やボディソープ、シャンプーやデオドラント製品、ヘアケア製品など幅広いものが含まれます。このうちのどれかは使っているという人が大半ではないでしょうか。
キレイに清潔に保とうとして使っている化粧品。でも実は、近年ますます化粧品アレルギーが増加していることを知っていますか?そしてどんな化粧品でも、誰でも、アレルギーを発症する可能性があるということも。
10〜15%の人に化粧品アレルギー
デンマークやポーランドで実施された調査では、10%から15%もの人が化粧品によるアレルギー反応を経験したことがあると示されています。
でも、日本ではこういった調査が行われていません。だから、日本にどのぐらい化粧品アレルギーに悩む人がいるのか、具体的な数字はわかりません。
でも、世界的に美容意識が高いことで知られる日本。
ヨーロッパの人よりも多くの化粧品に触れている可能性は高いかもしれません。つまり、アレルギーで悩む人の割合も、もっと多いかもしれないということです(あくまで憶測です)。
化粧品アレルギーでどうなるか
「私はそんな症状が出たことがないから大丈夫」
そう思う人もいるかもしれません。
でも、化粧品によるアレルギー症状はある日突然起こります。どんな症状が出ることがあるかというと、こちら⇩
これはCONCIOに寄せられたある方の写真。とあるブランドのスキンケアを使ったら、突然このような状態になったのだとか。
皮膚科で処方された薬を使って少し改善し、
その後、ここまで⇩よくなったのだそうです(ノーメイク・無加工とのことです)。
突然のことで驚いたし大変な思いをしたとのこと。
誰でも起こることがあることを知ってもらえるなら、と写真を提供してくださいました。
ちなみに、この方が使ったのは決して刺激が強い商品ではありません。怪しい化粧品でもなく、誰でも買う可能性がある商品です。
化粧品アレルギーの主な原因
化粧品アレルギーの2大原因は、香料と防腐剤。これは世界各国で共通の認識です。
つまりこれらが入っている化粧品であれば、どんなカテゴリーの商品でもアレルギー発症の可能性はあるということ。例えば、こんなものも例外ではありません。
- ヘアカラー・白髪染め
- ヘアケア製品
- スタイリング剤
- 制汗剤
- ネイルケア製品
- 日焼け止め
- おしりふき
- ベビーローション
化粧品アレルギーの原因①香料と精油
化粧品でかぶれた。赤くなった。皮膚反応が生じた。
そんなときに最初に疑うべきは香料です。香りの強い化粧品を使った直後に、顔や首、手に反応が出ることが多いとされています。
香料成分は、それ自体が人間に対するアレルゲンとなります。しかし、香料に含まれるリモネンやリナロールのような感作性物質が原因のこともあります。
また、こうした感作性物質が含まれるのは合成香料だけではありません。天然の精油にもリモネンやリナロール、ゲラニオールなどの感作性物質は含まれているんです。
それに、精油は天然由来。だからこそ、不純物を含む可能性も高くなります。そのため、合成香料よりもアレルギーや刺激のリスクが高い可能性すら指摘されることがあります。
参考記事:
リモネン:敏感肌の人は避けたい化粧品の香料
リナロール:化粧品アレルギーの原因になる香料
化粧品アレルギーの原因②防腐剤
長年にわたって防腐剤は、化粧品アレルギーの最大の原因とされてきました。ただ、それが知られてからは、化粧品業界の中でも多くの変化がありました。
例えば、こんな防腐剤がよく取り上げられます。
メチルイソチアゾリノンとメチルクロロイソチアゾリノン
1980年代に多用されていましたが、アレルギーの原因になる可能性が高いことが判明。その後、日本では配合規制がされ、現在では、シャンプーなどの洗い流す化粧品で0.1%までしか配合が認められていません。とはいえ、配合が禁止されているわけでもありません。
DMDMヒダントイン
防腐剤の中にはホルムアルデヒドを放出する種類があります。代表的な成分はDMDMヒダントインです。
ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因としても知られるアレルギー物質。そのため、DMDMヒダントインにアレルギー反応を示す人は珍しくありません。特に慢性的な皮膚疾患がある女性で発症しやすいことがわかっています。
パラベン
多くの人が嫌い避けている防腐剤といえば、パラベンです。
でも実は、パラベンが化粧品アレルギーの原因になることはまれ。パラベンはアレルギーリスクではなく、体内のホルモンに作用してしまうというのが本当のリスクなんですね。
ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル
最近になって使用例が増えてきた防腐剤が、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニルです。パラベンフリーの化粧品やおしりふきでの配合が増えています。
ただ、この防腐剤にもアレルギーリスクがあることが、2013年にデンマークで実施された調査で示唆されています。
その他にも、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニルには胎児や乳児の発育や生殖機能への影響が指摘されています。そのため、ニュージーランドなど一部の国では3歳以下の子供が使う化粧品への配合が禁止されています。
化粧品アレルギーの原因③界面活性剤・洗浄剤
ラウリル硫酸Naなどの石油系界面活性剤は、刺激が強いことで知られています。そのため、避けている人も多いかもしれません。
ですが、刺激性が低いとされる界面活性剤であっても、アレルギーのリスクがないとは言い切れません。
「皮膚科医が推奨」「敏感肌用」「ベビー用」のスキンケア製品には、低刺激の界面活性剤や洗浄剤が配合されていることがほとんど。
それでも、そうした化粧品を使い続けるうちに、そうした低刺激の成分に感作してアレルギーを発症することもあります。
一般的に「肌に優しい」とされているスキンケアやシャンプーでアレルギー反応が出た場合には、下記のような成分に注意するといいかもしれません。
- コカミドプロピルベタイン
- アルキルグルコシド
- ヤシ油アルキルグルコシド
- ラウリルグルコシド
- セテアリルグルコシド
- デシルグルコシド
これらの多くは天然由来成分。ですから、オーガニックシャンプーなどでもよく配合されています。問題なく使える人が多いものの、全員に合うとは限らないというわけです。
化粧品アレルギーの原因④天然成分
ナチュラル志向の高まりで、天然成分を配合した化粧品が増えています。
一見、天然由来成分は合成成分よりも安全で肌に優しいように思います。でも実は、接触性アレルギーの観点から見ると、決してそうとは言い切れません。
例えば、精油(エッセンシャルオイル)には感作性が高く、皮膚炎やアレルギーの原因になる可能性が高い種類がたくさんあります。
また、植物由来のタンパク質は乾燥肌に効果的という理由から、下記のような成分を使った化粧品もたくさんあります。
- オーツ麦
- 加水分解コムギ
- 大豆抽出物(レシチン、水添レシチン)
これらが長期にわたって肌に触れることが、アレルギー性接触皮膚炎の原因になることがあります。
さらには、こういった成分が配合された化粧品の使用が原因で、小麦や大豆を含んだ食品に重篤なアレルギーを発症するリスクさえあります。
参考記事:化粧品で食品アレルギー発症のリスク
美容師にアレルギーが多い理由
髪をキレイにしてくれる美容師にアレルギーで悩む人が多い事実を知っていますか?
その主な理由はヘアカラー剤。特にパラフェニレンジアミンという成分が原因で、呼吸器系の疾患を患う人がとても多いんです。
美容院で使用されるヘアカラー剤やブリーチ剤、シャンプー、トリートメントなどには無数の化学物質が含まれています。毎日長時間、そういった物質に触れ続けることで、手指はガサガサ。施術の際に薬剤を吸い込むため、呼吸器にも影響が出てしまうというわけです。
また、美容師の健康に影響を与えているのは、こうした化学物質ばかりではありません。
上述したような小麦やオーツ麦、大豆などの植物性タンパク質が由来の成分に、即時型のアレルギー反応を生じる事例も報告されています。
おわりに
全員が化粧品アレルギーを発症するわけではありません。どんなにたくさんの化粧品を毎日使っても、なんのトラブルもなく過ごす人もたくさんいます。
でも一方で、化粧品に含まれるアレルゲンが原因で、肌のトラブルに悩み続ける人もいます。食品アレルギーや呼吸器系の疾患の引き金になっているケースもあります。
「私は大丈夫」と思っている人でも、いつ、そのようなことが起こるかはわからないのです。
決して脅すつもりはありません。でも、「よさそう」な化粧品が、あなたとって「いいもの」ではない可能性もあるという事実を知り、より安心できる選択の参考にしていただけると嬉しいです。
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*すべての方に肌刺激やアレルギーが起こらないわけではありません。