「ナチュラルコスメ」の90%にアレルゲン成分
世界的に天然由来を多く配合したナチュラルコスメやオーガニックコスメが人気です。こういった化粧品は「肌にやさしい」と表示されることも多いですよね。
でも、実際はどうなのでしょうか?
スタンフォード大学医学部の3人の皮膚科医による2022年の研究で、「ナチュラル」と記載されたスキンケア製品のほとんどにアレルゲンが含まれていることが示されました。
対象となったのは、米国の大手小売店3社で販売されている「ナチュラル」スキンケア。
調査では化粧水や石鹸、保湿剤など1,651種類のスキンケア製品の成分とアレルギー成分と照合。すると、90%近くの製品に接触性アレルギーを引き起こす可能性がある成分が配合されていました。
ナチュラルコスメに入っているアレルゲンの種類
化粧品には皮膚アレルギーの原因となる成分がたくさんあります。それは決して、防腐剤や合成香料だけではありません。天然由来の成分、オーガニックコスメに配合されている成分であっても、人間にはアレルギー発症の原因となるものも多くあるのです。
今回の調査で特定されたアレルゲン成分も決して珍しい成分ではありません。どれも日本の化粧品でもよく配合される下記のような成分です。
- プロピレングリコール(PG)
- プロポリス
- コカミドプロピルベタイン
- コカミドDEA
- TEA
- リナロール
- リモネン
- ラノリン
- 安息香酸・安息香酸Na
- ティーツリー油
- ベンザルコニウムクロリド
- DMDMヒダントイン
- ベンジルアルコール
- フェノキシエタノール
- BHT
化粧品成分への接触によるアレルギーは、原因となる成分を避けることで発症を防ぐことができます。
しかし、化粧品では成分名がラテン語をベースにした名前で表示されるなど、かなり複雑。そのため、消費者自身が見分けるのが困難になっています。
アレルギー増加の原因がナチュラルコスメ?
接触性皮膚炎の発症率は世界的に増加傾向にあります。1996年から30年間で約3倍になりました。スタンフォード大学による今回の研究は、アレルギー患者の急増の一因が化粧品にあるのではないかとの考えが動機になったとされています。
つまり、「ナチュラル」や「オーガニック」を謳う化粧品の増加とアレルギー患者の増加の関連性が疑われているのです。
実は日本でも海外でも、下記のようなうたい文句を使って化粧品を販売することに対して規制やルールはありません。
- オーガニック
- ナチュラル
- ボタニカル
- 自然派
- 天然由来
- クリーン
- 無添加
- 肌にやさしい
- 地球にやさしい
そのため、どんな化粧品であっても、これらのフレーズを使って販売することが可能。今回の研究で特定されたアレルゲン成分が入っていても「やさしい」「ナチュラル」と訴求することができるのです。
今、世界中でこのようなうたい文句で販売される化粧品が急増しています。なぜなら、これらを謳うための根拠や許可申請は必要ないからです。
化粧品でアレルギーを発症するとどうなるか
単なる化粧品と侮ってはいけません。ほとんど毎日肌につける化粧品。その影響は思っているよりも大きい可能性があります。
化粧品成分によってアレルギーを発症した場合、症状は一時的なものとは限りません。もちろん、塗布した時に肌に刺激を感じるだけのこともあります。一方で、炎症やかゆみ、発疹、水ふくれなどの症状が数週間〜数ヶ月続く可能性もあります。
また、原因成分が特定されない限り、同じ成分に触れることで再発をくりかえすことも。
多数のアレルゲンに触れる肌
一般的なスキンケア製品や化粧品には、15〜50種類の成分が含まれています。そして各成分は無数の化学物質によって構成されています。そのため、私たちは使用する化粧品の数によっては、毎日500種類以上の化学物質を肌に塗布している可能性があるのです。
スタンフォード大学が調査した1,651種類の化粧品には、平均して4~5種類のアレルゲンが含まれていました。特定されたアレルゲンはほとんどが香料。そこに含まれるのは合成香料だけではありません。
天然の植物エキスや精油に含まれる物質もアレルギーの主な原因となっているのです。
また、同じアレルゲンが多くの製品に配合されていることも明らかにされました。まったく異なるブランドの製品でも、同じアレルゲンが入っていることは珍しくないのです。
そして、それらを繰り返し(または同時)に使うことで、知らず知らずのうちにアレルゲンへの接触頻度が増加。アレルギー発症リスクも高くなります。
ミニマルなスキンケアをおすすめする理由
ここまでの話で、使用する化粧品や成分の数が多ければ多いほど、アレルゲンに肌が触れる機会も多くなることがわかります。CONCIO(コンシオ)がオールインワンによるミニマルなスキンケアを提案するのは、まさにこれが理由です。
アレルゲンを探す鍵は全成分表にあります。そこではメーカーは嘘をつけません。
それでも多くの人が全成分表を見ることを躊躇します。その理由は成分名の難しさだけでなく、多すぎる成分の数も一因。
だからこそ、使用する化粧品の数を減らしたりシンプルな処方のものを選ぶことが大切だと私たちは考えます。アレルギー発症時の原因成分も特定しやすくなるからです。
無香料の化粧品にも香料が入っている?
化粧品のアレルゲンを調べた海外の研究は他にもあります。2017年の別の米国の研究では「無香料」の製品でさえ皮膚を刺激する可能性のある香料が含まれていることがわかりました。
また、消費者がパラベンが嫌煙し始めると「メチルイソチアゾリノン」や「フェノキシエタノール」といった別の防腐剤がこぞって使われ始めました。「パラベンフリー」と表示するためです。しかし、これらの防腐剤がパラベンに比べて安全であるという根拠も、実は乏しいのです。
上記の例は、化粧品のうたい文句がいかに曖昧かを示していますね。
「ナチュラルのほうが安全」の根拠は?
「天然由来」「ナチュラル」「オーガニック」という表示も同じ。これらの表示が成分の安全性を示しているわけではないのです。
天然から得られる成分は、化学的な合成化合物でまったく同じように作れることもあります。それなのに天然由来のほうが安全というのはなぜなのでしょうか?イメージ以外の確かな根拠はあるのでしょうか?
化粧品はほぼ毎日肌につけるもの。良くも悪くも、その影響は私たちの肌と健康、地球環境に反映されます。
この記事でお伝えしたような事実を知っておいて、イメージに惑わされない化粧品選びに役立ててくださいね。あなたのお気に入りの化粧品が見つかりますように。
*本記事でお伝えしたいことは、「天然がダメで合成がいい」とか「天然は安全ではない」ということではありません。ご自身のお肌や価値観になった選択の参考にしていただけると嬉しいです。
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化粧品成分による肌刺激やアレルギーのリスクに着目し、2500の成分を使わない独自の安全基準を徹底。
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*すべての方に肌刺激やアレルギーが起こらないわけではありません。